退職勧奨、PIP、賃金減額、いじめやハラスメントなどで困っていませんか?そんなときは組合に相談しましょう。上の「ご意見ご感想」リンクをクリックしてメールで送るか、平日なら右のボタンで相談窓口へご連絡を。
相談窓口

子会社3社統合

労働組合に結集し雇用確保を

 日本IBMの百%子会社であるISCーJ、ISOL、IBITの3社が、2020年7月1日付で統合され、社名もIJDSになることが2020年5月18日に発表されました。IJDS社は従業員数が数千人規模の大きな会社になると予想されます。しかし過去の事例から日本IBMのこのような組織統合は同時に人員削減も予定されている場合が多いため、今後の動きを注意する必要があります。

人員削減の可能性

 3社が統合されるということは、同じ機能の間接部門は人が余ることを意味します。さらに、現在プロジェクト・アサインが無い人も余剰人員と見なされる危険があります。
 どさくさに紛れて人員整理されたのでは私たち従業員はたまりません。このようなケースの場合、人員整理の必要性、人員削減の回避努力内容、人員整理対象者選定の合理的基準、合理的な対象人数などをきちんと説明することが会社に求められます。不安を感じたら労働組合にご相談ください。

夏ボーナス一次回答

バンド7以下 組合推定平均80万円

昨年下回る1.8ヶ月

 6月10日は夏ボーナス支給日です。組合に一次回答が出ましたので、ここに全社推計をお知らせします。

昨年より3万円ダウン

 日本IBM本体のバンド7以下一般職推定平均支給額は80万円。昨年よりも3万円のダウンです。月数では1.8ヶ月と、昨年を大幅に下回ります。
 日本IBMのボーナスは下図のような計算式で計算されます。ここで賞与基準額は個人ごとに決められます。
 今年は日本IBMがGDPやスペシャル・エクイティ・プログラムの対象外となっているため総額では大幅に落ち込むことになります。

 

 

日本IBM決算から

 会社は会社業績達成度はUSーGAAPに基づく数値を基準にしているとしていますが、肝心のUSーGAAPに基づく決算資料を労使協議で示さないため、やむを得ず日本IBMの決算結果を昨年のものと対比して表に示します。昨年の70はそもそも低すぎる数値ですが、今年の51という数値。皆さんはどうお感じになるでしょうか。

新型コロナ対応に伴う要求を提出

在宅勤務手当や危険手当も

 組合はこれまで「プロジェクト作業における新型コロナ感染対策についての要求」や、「プロジェクトアサインに関する要求」を出してきました。
 5月21日、会社がReturn to Workplace基本方針を発表。これにより現在の在宅勤務を中心とする対応が6月、7月も継続することが明らかになりました。
 新型コロナウィルス感染防止対応が長期にわたることが明らかになったことを受け、従業員の健康、安心して働ける環境等の整備のため、組合は5月22日、会社に対して以下に紹介する要求を提出しました。
 これらの要求に賛同いただける皆さんはぜひ組合要求が実現するよう、応援をお願いします。

出勤せざるを得ない従業員への危険手当の支給

 全社的に在宅勤務の対応がされているとはいえ、どうしてもお客様先プロジェクト・ルームに出勤して作業せざるを得ない従業員や、事業所に出社せざるを得ない従業員、そしてコンピュータ機器等の修理や整備のため客先に訪問せざるを得ない従業員については、新型コロナウィルス感染の危険を冒して仕事をしているのが現状です。
 こうした従業員については、例えばシフト社は危険手当として日額3千円~4千円を支給。さくらインターネット社は日額5千円の支給をしていることが報道されています。日本IBMと同業のNCR社はカスタマーエンジニアに対して4月分の危険手当として給与の一週間分を支払ったことも報道されています。
 こうした他社の危険手当支給動向も踏まえ、出勤1日あたり5千円の危険手当を支給することを要求しました。

マスク、体温計、携帯用消毒アルコール等を自宅へ送付すること

 会社の基本方針にもマスクの支給について触れられていますが、原状ではこれらの備品を事業所で受け取る以外ありません。しかし、これでは最悪のケースとして事業所に向かう途中で感染してしまうリスクがあります。せめて自宅に送付してもらわないと、事実上意味がありません。また、体温計の電池については現在も入手困難な状態が続いています。
 従って危険手当支給対象社員については、以下のように要求しました。
(1)マスク百枚入りボックスを1ヶ月に1個当該従業員の自宅に送付すること。
(2)体温計も同様に自宅に送付すること。
(3)携帯用除菌アルコールハンディスプレー30mL入りを1ヶ月に10本自宅に送付すること。

在宅勤務手当と在宅勤務整備手当の支給

 新型コロナ感染対策の在宅勤務は従来の在宅勤務とは異なり、非常事態に伴うもので、かつ長期間にわたるものです。事前準備もできずにやむを得ず在宅勤務に入らざるを得なかった従業員も多数存在することを考慮する必要があります。
 従って、現行の在宅勤務規程にかかわらず以下の支給を要求しました。
(1)光熱費等の補助を目的とする在宅勤務手当の支給
 在宅で仕事をするということは、仕事に伴う水道光熱費、さらにはエアコン稼働に伴う電気料金の増加分も仕事に伴う経費とみなされ、これは会社が負担すべきものです。個人差があり、必要経費分の算定も困難なことから、一律の支給を要求しました。
 例えばさくらインターネット社では月額3千円、LINE社では月額5千円、アジャイルウェア社では月額2万円が支給されていることが報道されています。
こうした他社の支給動向を踏まえ、一律月額5千円の支給を要求しました。
(2)在宅勤務のための自宅の環境整備費一時金の支給急
 遽在宅勤務を始めるにあたり、多くの従業員がモニター、机、椅子、エアコン増設、ネット環境等の増強をしています。これも必要経費分の算定の困難さや個人差があることから、一律の支給を要求しました。
 例えば整備費としてカオナビ社では5万円、さくらインターネット社では1万円、メルカリでは6万円が支給されていることが報道されています。
 こうした他社の支給動向を踏まえ、一律5万円の一時金の支給を要求しました。
(3)すでに在宅勤務が長期になっており、これからも長期にわたることから、上記(1)と(2)について、まず3月~6月分を一括で6月給与に含め支給するとともに、その後も(1)を継続して支給することを要求しました。

財源は事業所の光熱費

 現在、事業所が閉鎖され、莫大な水道光熱費がセーブされているはずです。これを上記手当の財源に回すべきです。

コロナ禍で再評価 労働組合の重要性

 新型コロナウィルスのパンデミックによって世界は大恐慌以来の経済危機に直面しています。ILO(国際労働機関)は4月29日、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、世界のフルタイム労働者3億500万人分の労働時間の減少がこの第2四半期に予想されると発表しました。
 こうした中、労働者の権利と雇用、そして社会を守る労働組合の重要性が再評価されています。

ロイヤル社で雇用確保

 緊急事態宣言が出された4月7日、ロイヤルリムジングループは突然「事業停止」を発表。「全員解雇」と報道されましたが、実態は「退職合意書」にサインさせ賃金30日分の解雇予告手当すら払わず、自主退職に追い込む脱法的な退職強要でした。
 これに対し、同社の労働組合は雇用調整助成金やタクシー休車を支援する「期間限定特例休車」を活用して雇用を守れと要求。上部団体の支援も得て団体交渉を実施した結果、会社は退職強要を撤回すると約束。さらに「退職合意書」の撤回にも応じる確認書を組合と締結しました。

パワハラPIPを阻止

 この新型コロナ禍の中、あろうことか日本IBMグループではPIP(業績改善プログラム)が実施されています。何故PIPをやるのか納得できないと組合に相談する人が相次いでいます。パワハラPIPはリストラのツールです。今年の9月1日付の給与調整日に賃金減額をするターゲットとなり、会社が嫌になるように仕向けられたところで、退職勧奨、あるいは退職を強要される可能性が大きいです。
 組合は公の場である団体交渉で徹底的に会社と協議し、これまで数々のパワハラPIPの実態を明らかにしてきた実績があります。

コロナ感染対策を要求

 成果主義と自己責任で社員を追い詰めるIBMでは、安全よりも業務の遂行を優先するプロジェクトの存在が懸念されたため、特にプロジェクト作業について4月7日に組合は次の4項目を会社に要求しました。
(1)少しでも感染が疑われる社員はお客様先での作業を控えることを徹底すること。
(2)会社は安全配慮義務があるので、全てのお客様先プロジェクトルームの安全点検の指示を行うとともに、社員から指摘があった場合は、作業を中断し直ちに安全確保措置を取ること。
(3)コロナ理由でプロジェクトが遅延した場合は、社員個人に責任を帰さないこと。
(4)上記の内容を社長レターとして発信すること。
 この後、様々な感染対策の社長レターが発信されました。

アサイン確保を要求

 プロジェクトが次々と遅延あるいは停止しており、アサインが無く稼働率低下に不安を持つ人が増えています。これは個々の社員の責任に帰すべきではなく、そもそも現在の危機的状況では自己責任でアサイン先を探している場合ではありません。社員を格付けしたり競争させたりしている時ではないのです。組合は4月21日に次の4項目を会社に要求しました。
(1)各社員に設定されている稼働率目標を見直すこと。
(2)アサインが無い人を「ベンチ」と呼び圧力を加えるのをやめること。
(3)所属長が責任を持って部下のアサイン先を探すこと。
(4)非常事態宣言解除後も所属長が責任を持って部下のスキル・能力を見ながら適正なプロジェクト配属先を探し、部下の了解を得てアサインする体制を維持すること。

降格・賃下げ・不透明は違法

工学院大法人に改善命令

 工学院大学法人の教職員に対して、日本IBMで行われているような不透明な賃金交渉や降格、賃下げが行われていた事件に関し、画期的な命令が東京都労働委員会から出ました。以下にその内容をお知らせします。

東京都労働委員会が命令

 東京都労働委員会は2020年4月15日、工学院大学学園教職員組合連合(工学院大学教職員と付属中学・高校教職員の連合体)が申し立てた事件について、工学院大学法人が新教員人事制度導入による不利益の程度や降格制度導入の必要性、成績評価の基準や中高の初年度格付の基準などの説明において、具体的な根拠を示して十分な説明を行ったとはいえないとして、不誠実団交であると判断しました。
 都労委は今後法人に対して誠実に団体交渉に応じることや不当労働行為を繰り返さないよう留意すると言明する文書を、新宿、八王子、付属中高の校舎内に掲示することを命令しました。

新人事評価制度を強行

 2015年7月、法人は組合に対し、大学と付属校教員を対象にした人事評価制度を提案してきました。この制度の基本的な骨格は、
①教員を3つの等級に格付けし、最上位の等級以外は早い段階で賃金を頭打ちにする。
②3または4段階で各教員の人事評価を行い、最低の評価Cの場合は、定期昇給停止、一時金の減額(10%以上)。
③3年連続C評価を受けた場合は降格候補とする。
 このように大幅な不利益変更をともなうものです。具体的な評価項目や基準は説明されず、評価の公平性・公正性はまったく担保されていません。
 制度導入の必要性について法人は、「大学の生き残りのために必要」との説明に終始し、2016年8月に制度導入を強行しました。

資料非開示の理由なし

 団交がいかに不誠実だったか、都労委の命令書には次のように書かれています。「組合が提示要求を行った資料には、新教員人事制度の必要性、合理性等に関する重要な資料が含まれていると考えられる」とし、「それにもかかわらず、法人は、組合の要求に対して、経営上の機密に関するものが含まれるから提出しないと回答した後、理由を示すことなく、経営上の機密に関するものを除いても一切示さない旨回答しており、このような法人の対応は、合理的な理由なく、経営戦略会議の資料を一切提示しないとの姿勢を示すものである」と法人の資料非提示の姿勢を批判しています。

不利益の根拠の説明なし

 都労委は、「成績評価の結果がC評価であった場合、定期昇給は停止し、また、賞与は大学教授が標準額のマイナス20パーセントとなるなど、大きな不利益が生じる可能性がある」とし、更に「組合から新教員人事制度導入による不利益の程度を決定した理由について説明を求められた場合、法人は、その具体的根拠を説明する必要がある」としました。
 組合は団交において、「20パーセントでなくてはいけない理由って何ですか」と説明を求めましたが、法人は、「20パーセントが一番合理的だと経営が判断した」や「20パーセントでも良いじゃないですか」などと回答するだけで、減額率を決定した具体的根拠を示していないことは問題であるとしました。

導入理由の説明不十分

 組合が降格制度を導入する理由について、法人に説明を求めたところ、「非常に早く昇格してしまって暴走されては困る、非常に早く昇格する分だけ、その逆も有り得るというような制度設計にしている」旨説明しているが、内容は不確実で抽象的な危険性を示すのみであり、降格制度導入の必要性について十分な説明を行ったとはいえないと都労委は判断しました。

具体的説明が必要

 都労委は「成績評価は、最も重要な労働条件である賃金に直結するものであり、成績評価の賃金への反映による不利益の程度は大きいから、組合から成績評価の基準について説明を求められた場合、法人は、いかなる評価基準に基づき、成績評価を行うかを具体的に説明する必要がある」と指摘しています。

中高で進行する教育破壊

 中高では最上位の等級以外は基本給が早期に頭打ちとなり、人によっては生涯賃金で約3000万円の減収になります。しかも、制度導入時の教員に対する格付け基準も不明瞭なまま校長が一方的に決定。校長による恣意的な評価が横行し、評価権を濫用した校長のパワハラ的行為がエスカレートしたことで、中高では民主的で自由闊達な教育活動が破壊され、物言えぬ職場になりつつあるとしています。
 また、同教職員連合は2019年10月15日に不当な評価によって賃金の減額を受けた原告らが東京地裁に集団提訴したことを発表しています。

PIP(業績改善プログラム)が始まっています

現在、PIP(業績改善プログラム)についての相談が相次いで組合に寄せられています。チェックポイント面談を受けると「あなたは業績改善が必要だ」と言われ、その後Checkpoint Trackerを使ったPerformance Improvement Program同意メールが送られてきます。あるいは人によっては「業績改善プログラムプログラム(PIP)について」というPDFが送られてきます。そこには、改善目標が未達成であった場合には下記のいずれか、もしくは複数を実施することがあると記されています。
 1.職務の変更
 2.所属変更
 3.降格とそれに伴う減給
 4.減額給与調整
さらにその下には、「再三にわたり改善の機会が与えられたにも関わらず、なお改善がみられない場合等、会社が就業規則に基づく対応を行う可能性を排除するものではありません」と、解雇を示唆する文言が書かれています。

なぜ改善が必要なのか、何についての改善が必要なのか、などの具体的な説明が無く、さらに、具体的な改善目標や実施内容について話し合ってもおらず、合意もしていないのにこのようなものを送られるのはパワハラPIPです。

すぐに労働組合に相談を
PIPは大変危険です。今年の9月1日付の給与調整日に賃金減額をする理由とされ、あるいは現在の新型コロナウィルスによる景気悪化に伴うリストラのターゲットとされる危険が非常に大きいためです。何故PIPを提示されたのかまったく納得できない人の相談が後を絶ちません。労働組合に加入すれば「団体交渉」で徹底的に会社と協議することができます。PIPを提示されたら、合意処理をする前に「なんでも相談窓口」に連絡してください。

以上

定年後再雇用賃金差別裁判提訴 あなたも裁判に参加しよう

 パートタイム・有期雇用労働法(パート有期雇用労働法)の施行日である2020年4月1日に組合員2名が日本IBMを相手取り定年後再雇用賃金差別裁判を提訴しました(写真は厚生労働省での記者会見の模様)。
 パート有期雇用労働法は同一企業内における正社員と非正社員との間の不合理な待遇差をなくすための法律です。日本IBMで定年後再雇用されるとシニア契約社員になりますが、この労働条件があまりにも低すぎるため、この法律違反だとして提訴したものです。

シニア契約社員とは

 厚生年金の支給開始年齢が65歳まで引き上げられたため、60歳定年後の雇用を義務付けた改正高年齢者雇用安定法に基づいて作られた日本IBMグループの制度が「シニア契約社員」制度です。希望すれば、誰でもシニア契約社員として再雇用されます。
 ところがシニア契約社員制度には大きな問題があります。給与が低すぎるのです。月額17万円しかありません。賞与もありません。年収にすると約200万円にしかなりません。厚生年金が出ない中でこれではとても生活できません。

パート有期雇用労働法

 この4月1日から、同じ大企業で働く正社員と非正社員との間で、基本給や賞与、手当など、あらゆる待遇について不合理な差別をすることが禁止されます。シニア契約社員にも適用されます。
 現在シニア契約社員には賞与が支給されていませんが、これは支給されなければなりません。
 さらに、本給17万円もその根拠が無いため直ちに修正する必要がありますし、福利厚生についても現在無給となっている契約社員の慶弔休暇は正社員と同一の利用・付与を与える観点から有給としなければなりません。

裁判に参加を

 現在シニア契約社員になっている皆さん、裁判の結果が出るまで何年もかかります。その間不利益を被り続けることはありません。この裁判に参加し原告団に加わることで不利益分を後から取り戻すことが可能になります。集団提訴ですから働き続けながら裁判に参加できます。

全世代で賃上げを

 現役社員の皆さん、先日発表した賃金調査結果の通り、この14年間に日本IBMの賃金は全世代で大きく落ち込んでいます。それは今まで会社と交渉で渡り合ってこなかったからです。日本IBMという会社では、黙ってまじめに働いていれば給料を上げてくれるなどということはありません。現在の景気悪化に際しての雇用確保も同様です。団結して会社と交渉で渡り合えば自ずと未来は開けます。

日本IBM・AI不当労働行為申立 賃金決定の透明性を求む

 2020年4月3月、AI(ワトソン)を利用した人事評価・賃金決定について、会社が団体交渉に誠実に応じないのは、不当労働行為に当たるとして、組合は東京都労働委員会に救済申立てを行いました(写真は厚生労働省での記者会見の模様)。
 現時点でも賃上げ交渉において、会社は従業員数や平均給与額、平均賃上額の開示を拒否し、さらに賞与でも会社業績達成度の算定根拠を示していません。この上、AIを盾にし隠せばまったく分からなくなります。
 今回の事件は人事評価や賃上げにまでAIを導入することの問題性を問う、おそらく世界で初の事案になります。

ブラックボックス化されるAIの情報開示を要求

 昨年8月、会社は突然日本IBMグループ社員に向けて人事評価・賃金決定にAIを導入することを発表しました。
 組合は団交を通じて、AIの学習データの内容説明や、AIが所属長に向けて表示するアウトプットの内容を明らかにすることや、その際、格付規定(5条)に定めている5要素「職務内容」「執務態度」「業績」「スキル」「本給」をAIがどう判断しているのか関連性の具体的説明を求めてきました。
 しかし会社は、「当該ツール(AI)に示された一つ一つの情報をそのまま社員に開示することを前提としていない」と主張して、頑なに情報開示を拒否しています。
 これでは、AIのどの情報がどのように反映され、私たちの賃金がどのように決められるのかがブラックボックス化されてしまい、労使対等の立場での労働条件の決定ができません。2018年9月に都労委において結ばれた次の協定にも違反しています。「会社は労働条件・賃金交渉にあたっては、自らの主張の根拠となる資料を開示するなどして、組合の質問に誠実に回答する」

AIによる差別事例

 例えば人物評価について、アマゾン社が2018年、採用時に補助的にAIを利用しましたが、女性に対して不利な評価をしていることに気づき、その利用を停止しました。
 また、AIベンチャーを経営する東大特任准教授が2019年「弊社では中国人は採用しません」とツイートした際に「AIの『過学習』によるもの」と釈明するなど、AIによる不公平・不公正が指摘されています。
 日本IBMにおいてもAIをブラックボックスとして人事評価・賃金決定に用いれば、差別を助長することが懸念されます。

労働政策審議会の提言と組合の主張は同じ

 AIを従業員の人事評価に用いることについては、既に日本でも国レベルでの議論がなされています。
 労働政策審議会労働政策基本部会は、2019年9月の報告書の中で、「AIの情報リソースとなるデータやアルゴリズムにはバイアスが含まれている可能性がある」「リソースとなるデータの偏りによって、労働者等が不当に不利益を受ける可能性が指摘されている」といった問題認識を示しました。その上で、「AIの活用について、企業が倫理面で適切に対応できるような環境整備を行うことが求められる。特に働く人との関連では、人事労務分野等においてどのように活用すべきかを労使を始め関係者間で協議すること(中略)によって行われた業務の処理過程や判断理由等が倫理的に妥当であり、説明可能かどうか等を検証すること等が必要である」と提言しています。
 組合が会社に対し求めている説明内容は、まさに労政審の報告書の提言と同じです。

日本IBMグループに頼れる労働組合あり

 4月1日付で入社された皆さん、この会社がブラック企業であることを承知の上で入ってきた人も多いでしょう。この会社で無事にやっていけるのか、ひどい目に会わないか、きっと不安で一杯ではないでしょうか。
 安心してください。日本IBMグループには、頼れる労働組合があります。以下にこの会社の労務政策の特徴と、それに対する労働組合の対応をご紹介します。

労務政策の特徴

 日本IBMの労務政策の特徴は「ラインによる人事管理」です。つまり昇給額や人事異動など、普通は人事部門が決めることを全て現場の管理職が決定します。ラインに強大な権力を持たせ、所属している個々の従業員を支配するのがこの会社の労務政策の根幹をなしています。

パワハラ3点セット

 ラインによる人事管理は、従業員から見れば会社の圧倒的な力を背景にした所属長によって個々人が「会社対個人」の関係で支配されることを意味します。この圧倒的な力関係の差がパワハラの温床になります。事実、パワハラ3点セットが社内で蔓延しています。①人事考課に「パワハラ低評価」、②改善指導に「パワハラPIP」、③給与に「パワハラ賃下げ」が猛威をふるっています。

日本の労働法の考え方

 外資系の会社であっても、日本という国で事業をさせてもらっている以上、日本の法律は守らなければなりません。
 日本ではまず日本国憲法第28条で労働三権、すなわち労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権を保障しています。その下に労働組合法、労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法が整備されています。
 最上位の憲法で労働者の団結権が認められていることからも、日本の労働法の考え方は「会社対労働組合」という考え方になっていることがお分かりいただけるでしょう。日本では一般に「労使関係」という言い方がされますが、この「労」は労働組合、「使」は使用者、つまり会社を意味しています。

労働組合のメリット

 日本IBMグループの労働組合は「オープンショップ」の形態を取っています。つまり、「入りたい」と思う人が入る仕組みです。この点が全員自動加入の一般の大企業とは異なり、団結力が格段に強いことが特徴です。
 この団結力と労働三権の力で、ラインによる人事管理の壁を乗り越え、「会社対個人」の関係から「会社対労働組合」の関係に持ってゆくことができます。パワハラの恐怖から解放されるのです。
 日本IBMでは「個」の管理をするため、従業員一人一人が孤立する傾向があります。これに対し、労働組合には皆でオープンに話し合うことができるコミュニティがあり、なんでも相談できます。
 また、労働組合に入るとお得な保険である「全労連共済」に加入することができます。若い時から入ればさらにお得です。
 その上、労働組合員であれば「ろうきん」から有利な金利で住宅ローン等の借り入れをすることもできます。
 いかがでしょうか。この会社で労働組合に入らないでいることは、西部劇で丸腰でいるようなものではないでしょうか。

今後のアドバイス

 心身ともに健康を保つことを心がけてください。もし心折れそうだと感じたときは、左表の窓口に連絡してください。

GBSで脳出血死亡者 PIPが原因か

 GBS事業部所属のAさんが先月3月3日に脳出血で倒れ、翌4日に亡くなりました。組合の調査によると、Aさんは2019年末にPIP(業績改善プログラム)を提示されていました。大きな精神的圧力の下、無理な働き方を続けていたことがうかがわれます。年を超えた2020年3月に悲劇となりました。そればかりか、Aさんはここに至るまでに会社から数々の不利益扱いを受けていたことも分かってきました。以下に詳しくご紹介します。

50代前半の若さで

 Aさんは50歳代前半の若さでした。上図はバイオウェザーサービスのサイトにある年齢別脳出血患者数のグラフですが、ピークは60~69歳。50代前半の脳出血は早すぎると言えます。何がこうさせたのか。以下に年を追って振り返ってみます。

2012年に始まった

 Aさんはあるソリューションの専門家として高く評価され、キーパーソンとして活躍していました。ところが、稼働率を理由に2012年に始まったパワハラ賃下げの標的にされました。PIPに合格したにもかかわらず5%の賃下げ。所属長が賃下げの必要性が無いと会社に具申しましたが、強引に賃下げされました。

2014年にまた

 2013年のPBC評価の結果によってまたもAさんは賃下げされました。PIPは合格だったにもかかわらず、PBC評価をもって一律に10%賃下げの対象となりました。

2018年に降格

 2017年はAさんが専門とするソリューション関係のプロジェクトが減少。そのため稼働率が下がったところ、PIPの標的になりました。チェックポイント制度での曖昧な基準のもと、9月に降格、同時に10%の賃下げをされました。AさんはこのPIPはでっち上げだと感じていました。

2019年のPIPへ

 2018年も当該ソリューション関係のプロジェクトが少ないままで推移。稼働率が上がらないことがAさんの悩みでした。第4四半期になって、所属長から、3ヶ月間は現給与を維持するが4ヶ月目から降格及び賃下げ10%をほのめかされ、さらに退職まで勧められていました。
 Aさんは稼働率を上げるため必死でした。2019年はあらゆる手段で稼働率を稼ごうとしていました。ところが、第4四半期になってまたPIPが提示され、その目標が「稼働率を上げること」でした。それがAさんの無理につながり、脳出血に至りました。

稼働率至上主義の弊害

 Aさんは当該ソリューションの専門家として業界でも高く評価されていました。ところが当該ソリューションの国内プロジェクト数には波があり、稼働率が高いときもあれば低いときもあります。
 稼働率のみをもって評価し、PIPで追い詰めればこのような悲劇が起こってしまいます。人材を失ってしまうことは、日本国内の当該ソリューション業界として見ても大きな損失になります。
 会社は稼働率至上主義を見直し、PIPで社員を追い詰めるのを直ちに止めるべきです。

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