5月1日、全労連(全国労働組合総連合)主催による第96回中央メーデーが、東京都渋谷区の代々木公園で開催されました。晴天の下、全国から1万4000人の労働者が結集しました。集会では、物価高を上回る実質的な賃上げの実現や働く者の権利擁護を柱としたメーデー宣言が採択され、その後、パレードが行われました。
スローガンと訴え
今回のメーデーでは「働くものの団結で生活と権利を守り、平和と民主主義、中立の日本をめざそう」というスローガンのもと、次のような課題が訴えられました。・物価高騰を上回る大幅賃上げの実現を目指すこと。・全国一律で最低賃金1500円以上への引き上げ。・労働時間のデロゲーション(規制緩和)拡大に反対し、8時間労働制を守り抜くこと。・均等待遇の実現とあらゆるハラスメントの根絶をすること。・ジェンダー平等と格差是正を実現すること。
大幅賃上げを求める世論を広げる
主催者挨拶では、秋山正臣・全労連議長が「わたしたちのたたかいが、最低賃金の引き上げをはじめ、労働者の処遇改善、大幅賃上げが必要だとの世論をここまで創り上げてきた。今日の世論を創り上げたことは、わたしたちの運動の方向が正しかったことの証しである。このことを再確認し、さらに運動を大きく発展させようではありませんか。しかし、実質賃金はマイナスとなったままである。その原因の一つが、お米をはじめとする食料品の高騰による物価高がある。特に主食であるお米の高騰は、わたしたちの生活に大きな影響を与えている。今、政府が行うべきことは、国民の命とくらしを守るために、農政を転換し、自給率を大幅に向上させることではないか」と訴えました。
生活と権利を守る宣言を採択
実質賃金の低下が続くなか、生活防衛と働く誇りの回復を目指し、物価高を上回る大幅な賃上げと底上げによる生活改善、あらゆるハラスメントの根絶、ジェンダー平等の視点に立った均等待遇と格差是正を求めるメーデー宣言が採択されました。今年の宣言には、世界経済の不透明感が高まるなか、平和の実現に向けて、世界の働く仲間との連帯をさらに強化する決意も盛り込まれました。
3コースで力強く行進
集会後、参加者は代々木、恵比寿、青山の3コースに分かれてパレードを実施。「最低賃金1500円以上」「8時間労働を守れ」など、訴えのこもった横断幕やプラカードを掲げながら行進し、労働者の声を街頭に力強く響かせました。