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22秋闘 キンドリル秋闘2次要求の紹介

重点要求以外の要求より

 かいな前号(2414号)2面では組合が10月26日に日本IBMに提出した秋闘2次要求から主要な詳細要求(1次要求から継続する重点要求以外の、職場のさまざまな労働条件の改善を求める詳細要求)のいくつかをご紹介しました。
 これに続き今回は、組合が同日にキンドリルジャパンに提出した秋闘2次要求から主要な詳細要求のいくつかを以下にご紹介します。

事前協議・同意協定の締結要求

 組合は、会社は以下の(1)~(5)の事項については組合と事前に協議し、同意を得たうえで実施するという「事前協議・同意協定」を締結することを要求しています。
【事前協議・同意協定】
キンドリルジャパン株式会社(以下、会社という)とJMITU、同東京地方本部、同日本アイビーエム支部(以下、組合という)は、労使の信頼の確立と職場の活力が企業経営の安定・発展の土台であるという労使の共通認識のもとに、以下のとおり合意したので、協定する。
(1)会社は、解雇・転籍、雇い止め、希望退職の募集、出向・配転、職種の変更などについては、労働組合と事前に十分協議し、労働組合と本人の同意のうえに実施する。
(2)会社は、賃金、労働時間・勤務形態など労働諸条件の変更、その他労働者の権利に係る一切の事項については、組合と事前に十分協議し、同意を得たうえで実行する。
(3)会社は、事業所の移転・統廃合、分社化・合併・会社分割など企業組織の変更、子会社の設立・解散、海外進出、新業種への進出・転換、海外を含む生産の移転、企業間提携の締結、増減資、他社の買収、営業譲渡、会社解散、企業倒産に係る私的・法的手続の申立・実行、その他、重大な経営施策の変更・実行については、組合と事前に十分協議し、同意を得たうえで実行する。
(4)会社は、臨時・パート・契約社員など有期雇用者、派遣労働者・出向者、請負・業務委託・下請・外注の導入・改廃については、組合と事前に協議し、同意を得たうえで実施する。
(5)会社は、管理職を含む従業員教育の実施、職制制度の改廃、昇格については、事前に組合と十分協議し、同意を得たうえで実施する。組合が必要と認めた場合には、従業員教育への組合の傍聴を認める。

食堂・カフェテリア・ベンディングマシンに関する要求

①横浜北事業所に、社員食堂・カフェテリアを設けること。
②リロクラブの割引対象として社員食堂・カフェテリアも含めること。
③社員食堂が利用できない社員には食費補助金を出すこと。
④1つの事業所が日本IBMとキンドリルジャパンのスペースに分割されたことにより、キンドリルジャパンの従業員がベンディングマシン、給茶機などを利用できなくなる状況が生じています。この状況を改善し、キンドリルジャパンの従業員がベンディングマシン、給茶機などを利用できるようにすること。

手当に関する要求

①消費税増税を受け、各種出張手当を一律500円増額すること。
②2時間以上の時間外労働をした際に支給される食事手当を500円にすること。

福利厚生に関する要求

①永年勤続表彰制度を下記の通りに見直すこと。
・勤続25年
特別休暇20日
特別一時金50万円
・上記以外
勤続5年ごとに
特別休暇5日
特別一時金10万円
②借り上げ社宅制度を創設すること。
③住宅費補助を創設すること。

健康及び安全衛生に関する要求

①有料の健康診断オプション項目を家族検診も含め無料にすること。また、無料オプション検診については最初から検診メニューに組み込んだ形で提供すること。さらに、血液検査を従業員の年齢にかかわらず毎年無料で実施すること。
②定期健康診断の検査項目に、(1)甲状腺エコー検査を無料オプションとして追加すること、(2)血液検査に甲状腺ホルモン関連の項目を無料オプションとして追加すること。
③インフルエンザの無料予防接種を実施すること。

第8次ストライキ決行!

日本IBM・キンドリルジャパン
減らされた1回分の賃上げ実施を拒否
22秋闘 他方で分かれる両社の交渉姿勢
キンドリルジャパン、シニア賃上げで前進回答

 22秋闘において、日本 IBM、キンドリルジャパン両社は、組合が9月21日に提示した秋闘1次要求への会社回答で、就業規則通りに実施されなかった2022年9月1日付賃上げを実施しない旨回答しました。
 これで両社ともに(キンドリルジャパンは会社分割前後にわたり)、2020年から、9月1日付賃上げを実施しないという就業規則違反を3年連続で行い、「3年に3回」あるべき賃上げを2回に減らしたことになります。(上図参照)
 そして、これを受けた10月5日の団体交渉でも、 日本IBMはこの減らされた1回分の賃上げ実施を拒否しました。(以上、かいな前号参照)
 さらに10月14日の団体交渉でも、キンドリルジャパンは減らされた1回分の賃上げ実施を拒否しました。理由は、今年の7月1日付賃上げが2022年度分の賃上げであり、9月1日付賃上げを前倒し実施したものである、ということでした。
 よって組合は、両社が減らされた1回分の賃上げ実施を拒否したことを不服とし、10月24日午前9時から2時間、小雨がぱらつく中、第8次ストライキを決行しました。

キンドリルジャパン、シニア契約社員の賃上げを回答

 10月14日の団体交渉では、秋闘1次要求に対するキンドリルジャパンの在宅勤務関連手当での前進回答(かいな前号参照)を受けて、その組合要求への不足部分についても協議しました。会社は、在宅勤務手当(月額8000円、日額400円相当の要求に対し日額200円)、自宅環境整備手当(一時金5万円の要求に対し300米ドル相当)ともに上積みしない旨回答しました。
 その後、週末をはさんだ10月17日、キンドリルジャパンは、シニア契約社員の給与(現在は月給17万円、年収204万円)を、2023年1月より月給19万円、年収228万円に賃上げすることを書簡で回答してきました。組合はこの賃上げ回答を、まだ不十分ではあるものの、前進回答として評価しています。
 明らかなのは、キンドリルジャパンのこれら一連の前進回答には、交渉姿勢の日本IBMとの違いがはっきりと見て取れることです。

従業員代表選挙に関するお願い

 今年も従業員代表選挙が公示されました。従業員代表選挙で、ラインマネジャーからの立候補依頼、特定候補者への投票依頼などにあわれた方は、是非、組合トップページ(JMITU IBMで検索) の上部にある「従業員代表選挙不正行為通報」ボタンを押して、情報をご提供下さい。

 

22秋闘 IBM秋闘2次要求の紹介

重点要求以外の要求より

 組合は、秋闘1次要求に続き、10月26日に秋闘2次要求を日本IBMに提出しました。回答指定日は11月9日です。
 この秋闘2次要求は、1次要求から継続する重点要求に、職場のさまざまな労働条件の改善を求める詳細要求を加えた要求文書です。以下に詳細要求から主要な要求のいくつかをご紹介します。

シニア契約社員の労働条件に関する要求

 パート有期雇用労働法は定年後再雇用の契約社員であっても正社員との差別が無いよう合理的な処遇をするよう定めています。組合は、パート有期雇用労働法の趣旨に従い、シニア契約社員の労働条件に関して以下を要求しています。
①賃金に関する要求
・シニア契約社員も賃上げをすること。
・シニア契約社員の月額給与を正社員との差別が無いよう合理的な水準にすること。
②賞与に関する要求
・シニア契約社員にも賞与を支給すること。
・シニア契約社員の賞与を正社員との差別が無いよう合理的な水準にて支給すること。
③福利厚生に関する要求
・シニア契約社員もリロクラブ等の福利厚生を正社員との差別が無いよう利用可能にすること。

労働時間管理に関する要求

 2017年10月24日に「適正な勤務・健康管理の徹底について」が発表されましたが、実態は変わりません。
組合は、時間外勤務(または、出退勤時刻)を実績通りに入力できなかったり、時間外労働時間の過小入力がラインマネジャーにより強要されている実態を看過できません。よって、以下を要求しています。
①ラインマネジャーは、プロジェクトに参画している部下の勤務管理が適正に行われていることを確認し、時間外労働時間の過小入力を強要しないこと。また、ラインマネジャーは、プロジェクトに参画している部下がDPEなどプロジェクト側から時間外労働時間の過小入力を強要されている場合は、強要をやめさせること。
②コスト・オーバーランを起こしたプロジェクトの工数を確保するため、会社としてプロジェクトコストを補填すること。
③勤務実態に対する過少申告が生じる原因は、会社が設定しているSEレートが高すぎることである。プロジェクト見積もりが適正な時間数で見積もりできるよう、会社が設定しているSEレートを見直すこと。
④時間外勤務は、実態に即した事後承認による運用を認めること。就業規則を盾にとって事前承認が無いことを理由にして時間外勤務手当の支払いを拒まないこと。
⑤客先常駐プロジェクトの場合、請負契約であるにもかかわらず実態として日本IBMグループ社員が客先の出退勤時刻や働き方を強要される場合が目立つ。請負契約の場合は日本IBMグループ社員が日本IBMの勤務時間で勤務できるようにすること。

健康及び安全衛生に関する要求

 今、職場では長時間過密労働やパワーハラスメントなどにより、健康破壊が進んでいます。組合は、従業員の健康増進のために以下を要求しています。
①会社は「適切に産業医を配置し必要な施策の実施に努めています。」と表明しているが、内科医が常駐していない「健康増進センター」が多数存在している。労働安全衛生法等の法令は最低基準を定めたもので、それを超えることを拒むものではない。・「健康増進センター」での就業時間帯においては、内科医・看護師を常駐させること。また、常備薬を復活させること。さらにカウンセリングを常時利用できるようにすること。・産業医・看護師が常駐する健康増進センターを幕張事業所に設置すること。
②2014年4月1日付で有料化した健康診断オプション項目を家族検診も含め無料に戻すこと。また、無料オプション検診については最初から検診メニューに組み込んだ形で提供すること。さらに、20代~30代への血液検査を5年ごとではなく毎年無料で実施すること。
③定期健康診断の検査項目に、(1)甲状腺エコー検査を無料オプションとして追加すること、(2)血液検査に甲状腺ホルモン関連の項目を無料オプションとして追加すること。
④インフルエンザの無料予防接種を復活すること。

10月24日 スト決行

日本 IBM・キンドリルジャパンは就業規則通りの賃上げ回数をまもれ

YouTube中継リンク:https://www.youtube.com/channel/UCuVkXviVKdgKkBIJYRZiEeQ
(中継時間:AM8:45~10:00)

日本IBM従業員、および、日本IBMから移籍したキンドリルジャパン従業員の賃上げ回数は、2020年から2022年までの 3 年間に本来は3回であるべきところ、実際には右図の通り、会社は9月1日付賃上げを実施しないという就業規則違反を3年連続で行い、2回になっています。会社は就業規則通りの賃上げ回数をまもるべきです。

さらに、日本IBMの5月の組合推定平均賃上げ率はわずか1.5%、キンドリルジャパンの7月の組合推定平均賃上げ率はわずか1.6%でしたが、これではこの間の諸物価高騰を吸収できず、事実上の賃下げです。

このような低い賃上げ水準のなか、賃上げ回数を1回減らすということは、あまりにも従業員の生活への配慮が欠けています。組合は、この減らされた1回分の賃上げの実施を要求していますが、会社は実施を拒否しています。よって、 組合は第 8 次ストライキを決行します。

22秋闘 日本IBMは今年9月1日付賃上げの代替策を実施し賃上げ回数をまもれ

 かいな前号(2412号)でお伝えした、組合が9月21日に日本IBMに提出した秋闘1次要求(回答指定日は10月5日)に対する会社回答が、10月4日にありました。
 これを受けて、組合は翌5日の日本IBMとの団体交渉で、会社回答について協議しました。
 以下に秋闘1次要求の賃上げ要求に対する会社回答についての協議内容(要旨)をご紹介します。

賃上げ要求に対する会社回答について

組合 就業規則通りに実施されなかった2022年9月1日付賃上げの実施要求に対し、会社は「2022年4月28日に人事担当執行役員カーラ・カン名で発信したレターのとおり、2022年度の給与調整は、同年5月1日付で実施しましたことを改めてお伝えします」と回答しているが、2021年度の賃上げはいつ実施されたのか。
会社 2021年度に関しては、2021年4月19日に「IBM Corporation CEOアービンド・クリシュナさんのAll IBMBroadcastKickoff Messageにて発表されたとおり、2021年5月1日付で給与調整を行います」と全社員に発表した。
 就業規則は9月1日に賃上げするとなっている。2021年の9月1日賃上げは2021年5月1日に実施された、という理解で合っているか。2021年の9月の賃上げはいつ行われたのか。
 こちらは2021年8月31日に「2021年度の給与調整は、IBMコーポレーションの方針に沿って、同年5月1日付で実施しました。同年9月1日付給与調整については、現在のグループのビジネス環境等を考慮し、実施を見送ることをお知らせします」という形で社員に発表した。
 2020年9月1日賃上げはいつ行われたのか。
 2020年8月7日にアービンドが「2020年度の昇給を保留し2021年の上半期に行う。」と発表した。アービンドの発表が社員に発表できる全ての情報だ。
 会社は2020年9月1日賃上げをやらなかったのだ。2021年5月1日付賃上げを2021年度の賃上げと言われてしまうと、2020年度の賃上げはなかったことになる。
 21年4月19日のアービンドの発表が社員に発表できる全ての情報だ。
 双方の理解を一致させるために質問しているのに回答がない。不誠実団交だ。会社は答えなければいけない内容だ。(上図の通り20年から22年の)3年に2回しか賃上げされていないのに、そんな濁した回答はあり得ない。

会社の就業規則違反による不利益を救済せよ

 会社は、20年から、9月1日付賃上げを実施しないという就業規則違反を3年連続で行い、3回あるべき賃上げを次の方法で2回にしています。
①20年9月1日付賃上げを実施せず、20年度の賃上げを21年の上半期に行うと発表。
②20年度の賃上げであるはずの21年5月1日付賃上げを21年度の賃上げと言い換えて、20年度の賃上げを消去。
 会社は2022年9月1日付賃上げの代替策を実施し、20年から22年の「3年に3回」の賃上げ回数をまもるべきです。

22秋闘 キンドリルジャパン在宅勤務関連手当の要求に前進回答

 かいな前号(2412号)でお伝えした、組合が9月21日にキンドリルジャパンに提出した秋闘1次要求に対する会社回答が、回答指定日の10月5日にありました。
 これを受けて、組合は10月14日のキンドリルジャパンとの団体交渉で、会社回答について協議します。
 以下に秋闘1次要求の主要な要求に対する会社回答の内容(要旨)をご紹介します。

在宅勤務関連手当の要求に対する会社回答について

 在宅勤務関連手当の要求は、2020年5月の要求書簡で初めて(会社分割前の)日本IBMに提出して以来、秋闘、春闘のたびに日本IBM、キンドリルジャパン双方に提出してきました。その結果、ようやく今回の22秋闘でキンドリルジャパンから前進回答を勝ち取ることができました。(ちなみに、日本IBMからは未だに前進回答は得られておりませせん。)
 組合は、要求に対する今回の会社回答の不足部分について、10月14日の団体交渉で会社にただします。

■要求

①在宅勤務手当
 コロナ禍での在宅勤務の長期化を余儀なくされ、業務のための自宅水道光熱費および通信費の増加が顕著となっています。厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」の「4-(2) テレワークに要する費用負担の取扱い」は、「テレワークを行うことによって労働者に過度の負担が生じることは望ましくない」とガイドし、さらに、あらかじめ労使で十分に話し合うようにガイドしています。本来、業務のための水道光熱費および通信費は会社が負担するべきであり、会社は速やかに在宅勤務手当として1ヶ月あたり8000円を支給することを要求します。なお、在宅勤務手当については2020年3月に遡及して支払うことを要求します。
②自宅環境整備手当
 会社は、在宅勤務に関して業務上必要なオフィス用品/PC周辺機器、通信環境の新規整備などについて半期単位にて一定額(オフィス用品/PC周辺機器については300USドル相当、新規Wi-Fiについては月に20USドル相当) の補助の制度を提供していると説明しています。
しかし、上記制度のカタログに掲載されていない物品を購入して自宅の就労環境を整備するための自宅環境整備手当として、一時金50000円を支給することを要求します。

■会社回答

①在宅勤務手当
 会社は、全従業員を対象として、2022年10月から在宅勤務において従業員が必要とする業務費用に充てるため、日額200円の在宅勤務手当を支給するものと回答いたします。
 在宅勤務手当については厚生労働省のガイドラインに則り光熱費、通信費等の費用の補填として、他社の制度等も参考にしつつ、金額を定めました。
②自宅環境整備手当
 会社は、2022年9月から在宅勤務をする従業員のオフィスセットアップのため備品等の購入をサポートしています。PCデスク・椅子などについてはカタログに掲載されない商品を300米ドル相当(消費税込み)を上限として購入可能としました。

賃上げ要求に対する会社回答について

 かいな前号でご紹介した、就業規則通りに実施されなかった2022年9月1日付賃上げの実施要求に対し、会社は実施しない旨回答しました。
 これで会社は、2020年から、9月1日付賃上げを実施しないという就業規則違反を3年連続で行ったことになり、3回あるべき賃上げを2回(右図参照)にしています。
 会社は2022年9月1日付賃上げの代替策を実施し、20年から22年の「3年に3回」の賃上げ回数をまもるべきです。
 組合は、このように会社が就業規則に違反し、労使協議もなしに一方に賃上げ回数を減らすことを看過できません。
 よって、組合は、この賃上げが1回少ない問題について、10月14日の団体交渉で会社にただします。

秋闘1次要求提出

 9・1賃上げを実施せよ

 JMITUは春闘に続き秋闘も実施します。秋闘は各支部が要求提出を行い、様々な労働条件の向上とともに年末一時金の交渉も行います。秋闘要求は、支部要求とJMITU統一要求から成り、当支部(以下、組合)は2次にわたる支部要求を提出します。
 組合は22秋闘としてまずは9月21日に秋闘1次要求(支部1次要求)とJMITU統一要求を日本IBMとキンドリルジャパン双方に提出しました。
 秋闘1次要求は、春闘要求から継続する重点要求に加え、当支部の喫緊の重点となる要求を提出しました。またJMITUの3つの統一要求として「くらしと雇用をまもり、企業の将来展望をつくる『合意協力型』労使関係をめざす要求書」、「安全・衛生に関する統一要求書」、「安心して働きやすい職場を求める統一要求書」もいっしょに提出しました。回答指定日は10月5日です。
 以下に秋闘1次要求から賃上げ要求(要旨)をご紹介します。

賃上げ要求

 10年以上にわたり満足な賃上げが実施されておらず、他社と比較して従業員の賃上げ額は低水準となっています。さらに、2020年から2022年の3年連続で9月1日付賃上げを実施しないという会社による就業規則違反により、この3年間で賃上げが2回しか実施されておらず、しかもその2回の賃上げもこの間の諸物価高騰を補うには極めて不十分な水準でした。このように年齢に応じた生活設計が狂っている状況を受け、就業規則通りに実施されなかった2022年9月1日付賃上げを、次の2段階で実施することを要求しています。
(1)本給が、組合が規定した下表の下限額(対象は正社員、契約社員、臨時雇用者、派遣社員含む)を下回っている従業員について、本給を下表の下限額以上に引き上げること。
(2)その上で、この間の諸物価高騰を受けた生活防衛のため、全従業員の月額本給賃上げ額の平均が5万円の引き上げとなるようにすること。

日本IBM・キンドリルジャパンのパワハラ降格争議和解円満解決の御礼

 2022年9月8日、JMITU日本アイビーエム支部組合員2人がそれぞれ日本IBM(株)とキンドリルジャパン(株)を相手取って提訴していたパワハラ降格訴訟(東京地裁令和元年(ワ)第29752号)が東京地裁民事第19部(片野正樹裁判長)において、和解により円満に解決したことをここにご報告いたします。和解内容については会社の不当な降格に一定の歯止めをかけたものと評価しています。
 これまで絶大なるご支援をしていただいた各方面の皆様、誠にありがとうございました。改めまして厚く御礼申し上げます。

秋闘1次要求の紹介

 賃上げ以外の重点要求について

 1面に続き秋闘1次要求の中から、当支部が日本IBMとキンドリルジャパン双方に提出した賃上げ以外の主要な重点要求を以下にご紹介します。

争議解決の要求

(1)定年後再雇用賃金差別争議を解決すること
 改正高年齢者雇用安定法に基づいて作られた日本IBMとキンドリルジャパンの再雇用制度である「シニア契約社員」制度は、月給が17万円と低すぎる上に賞与も手当も無く、これではとても生活できません。
 さらに、10月1日から東京都の最低賃金が1072円に改正されましたので、定年後再雇用の月給17万円は労働日数が21日以上ある月では最低 賃金違反になります。
 現在、2人の組合員がシニア契約社員の月給17万円、年収204万円は不当であるとして東京地裁に提訴し争っています。さらに組合が東京都労働委員会にシニア契約社員の賃金交渉における不誠実団交の救済を申し立て争っています。
(2)AI不当労働行為争議を解決すること
 AI(ワトソン)を利用した人事評価・賃金決定に関する組合の情報開示要求に対して、会社が団体交渉に誠実に応じないのは不当労働行為に当たるとして、組合は東京都労働委員会に救済を申立て争っています。

手当に関する要求

(1)本来、業務のための水道光熱費および通信費は会社が負担するべきであり、会社は在宅勤務手当を支払うべきです。
 キンドリルジャパンでは組合要求への回答が前進し、10月1日から開始したフレキシブルワーク制度により1日200円の在宅勤務手当が支給されるようになりました。しかし、組合要求の1ヶ月あたり8千円にはまだ不足しているため、組合の要求どおり1ヶ月あたり8千円を2020年3月に遡及して支払うこと。
 一方、日本IBMは未だに在宅勤務手当を支払っていないので、日本IBMは速やかに在宅勤務手当として1ヶ月あたり8千円を2020年3月に遡及して支払うこと。
(2)会社は、在宅勤務に関して業務上必要なオフィス用品/PC周辺機器、通信環境の新規整備などについて半期単位にて一定額(オフィス用品/PC周辺機器については300USドル相当、新規Wi-Fiについては月に20USドル相当)の補助の制度を提供していると説明しています。
 しかし、上記制度のカタログに掲載されていない物品を購入して自宅の就労環境を整備するための自宅環境整備手当として、一時金50000円を支給すること。
(3)フレックスタイム制勤務対象者の出勤時間は午前8時から10時、終業時間は午後4時30分から6時30分となっています。しかし、これでは通勤時の満員電車を避けることができないので、出勤時間、終業時間の範囲を広げること。

働き方改善の要求

(1)IBMコンサルティング部門(旧GBS部門)では、Think Fridays( 17~ 18時)、夜学、土曜日にIBM-Way Day(3000名程度が参加している)等、スキルアップの時間は業務時間外に設定される場合がほとんどです。このような正式な労働時間の外(夜間や休日など)で実施されているLearningを、全社で正式な労働時間の中で実施させるよう改善すること。
(2)現在の世界の流れに従って、週休2日制への移行時に月曜日から金曜日に付加された36分(元は土曜日の3時間)を削減し、賃下げなしで1日の労働時間を午前9時から午後5時までの7時間、週35時間に短縮すること。これにともない稼働率の上限値を64.9%とすること。
(3)勤務間インターバルの適用については就業規則に規定が無いなど実体がともなっていません。勤務間インターバルについてライン管理職向けの勤務ガイドで周知する(すでに実施中)だけでなく、以下の内容の勤務間インターバルの規定を就業規則に追加すること。
1)深夜勤務時の次の勤務開始までのインターバル(裁量労働制と年俸制勤務者を含む)を最低11時間とすること。
2)1)の結果、次の勤務開始時刻が通常の勤務開始時刻(フレックスタイムの場合はコアタイム開始時刻)よりも遅くなった場合は、その時間は勤務したことにすること。

* * * * *

勤務間インターバル宣言

 株式会社ワーク・ライフバランスが募集した「勤務間インターバル宣言」に日本IBMは参加しています。
https://work-life-b.co.jp/workinterval
「私達は、勤務と勤務の間に11時間休息を取る、勤務間インターバル制度に賛同します。」

(勤務間インターバル宣言企業一覧からの抜粋)

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