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相談窓口

JMITU日本IBM支部2秋3闘一次要求書

日本IBM、キンドリルジャパンに2023年のJMITU日本IBM支部秋闘一次要求書を提出しました。以下に支部秋闘一次要求書から賃上げ要求を抜粋して紹介します

2.賃上げ要求

.賃上げ要求(IBM・キンドリル向け共通)
(1)本来、就業規則通りに賃上げが実施されていれば、2020年から現在までの間に4回賃上げがされていなければなりませんが、2021年5月、2022年5月、2023年5月(キンドリルジャパンは2021年5月、2022年7月、2023年7月)の3回しかされておらず、賃上げが1回少ない状況です。その一方、一昨年からの物価高騰で従業員の生活は厳しさを増しています。これを受け、少ない1回分の賃上げとして2023年中にもう一回の賃上げを実施すること要求します。
(2)上記(1)の賃上げは、全従業員(正社員、契約社員、プロフェッショナル・ブルー、シニア・プロフェショナル、シニア契約社員、臨時雇用者・派遣労働者を含む)の本給(本俸・月額賃金)を10%引き上げること。さらに、個別組合員の賃上げ回答として以下のデータを必ず開示すること。①ジョブファミリー名②PMR③将来性(CareerPotential)④給与レンジ⑤AI(CompensationAdvisorwithWatson)によるSuggested%⑥昇給前後の本給月額及び本給昇給率⑦昇給前後の賞与基準額及び賞与昇給率⑧昇給前後のReferenceSalary及び昇給率また、上記の個別組合員の賃上げ回答の根拠として、格付規程第5条に書かれている評定の基準となる以下要素の内容を個別組合員ごとに回答すること。1.職務内容2.執務態度3.業績4.スキル5.本給ただし、バンド8、9および10の専門職については本俸
(3)上記(1)の賃上げは、上記(2)の本給(本俸・月額賃金)の引き上げを実施した上で、以下を実施すること。1)本給が下表の年齢別本給下限額を下回っている従業員について、本給を下表の年齢別本給下限額以上に引き上げることを要求します。2)本給(本俸・月額賃金)の引き上げにともない、賞与基準額についても本給(本俸・月額賃金)と同率の引き上げを行うこと。(IBM向け)
(5)賞与に関する要求1)2023年支払いの賞与の計算に使用される、2022年度の会社業績達成度「69」の根拠として以下を説明すること。①US-GAAPに基づく決算資料を使用したかどうか、使用した場合はどの情報を定量的にどのように使用したかを説明すること。②上記以外にどのような情報を定量的にどのように使用したかを説明すること。(キンドリル向け)(5)賞与に関する要求1)2023年支払いの賞与・定期俸の計算に使われる2023年度会社業績達成度「80」の決定方法をより詳しく回答すること。具体的には下記の例)のような財務指標(売上高、売上高伸び率、税引前利益)および、その他の質的指標(お客様満足度、マーケット・シェア、Reputation、社員の学習時間、エンゲージメント)をどのように重み付けし、それらをどのように評価して「80」という会社業績達成度を決定したかを回答すること。例)2021年度会社業績達成度「64」を決定するために参照された指標・キンドリルの会社業績に関しては、キンドリルグローバルの会社業績は含めず、キンドリルジャパンの会社業績を基準に用いて達成度を算出(売上高、売上高伸び率及び税引前利益をもとに算出)・上記(税引前利益、売上高、売上高伸び率)に加え、その他の質的指標(お客様満足度、マーケット・シェア、Reputation、社員の学習時間、エンゲージメント)に基づいて最終的に会社業績達成度を決定

9月13日 6次スト決行

1回分少ない賃上げの実施回答なし

賃上げ・ボーナスの上積み回答なし

今23春闘では、組合は、6月29日に5次ストライキを決行した後も、日本IBM、キンドリルジャパン両社との賃金闘争を継続して
います。物価高騰がいまだに高い水準にあるなか、既報の通り、組合推定で両社の賃上げ率、ボーナス増加率は物価高騰を下回り、実質賃下げでした。さらに、下図の通り、本来、就業規則通りに賃上げが実施されていれば、両社とも(キンドリルジャパンはIBM時代からの通算で)2020年から現在までの賃上げは4回あるべきところ、実際には1回分少ない3回という状況です。つまり今年も、日本IBMは5月1日付賃上げを実施しただけで、就業規則が定める9月1日付賃上げを実施していませんし、キンドリルジャパンは7月1日付賃上げを実施しただけです。(キンドリルジャパンは4月1日付で就業規則が定め

る賃上げ日を7月1日と変更しました。)そこで組合は6次ストライキを構え、6次回答指定日を9月11日として、両社に以下を要求しました。①今年実施済の賃上げに加えて、今年中にもう一回の賃上げを実施すること。さらに、この賃上げの中で、今年実施済の賃上げについて、組合員個別の賃上げ回答額の上積みも実施すること。②組合員個別の6月賞与支給額を、昨年より10%増となるよう上積みすること。③集団的労使交渉に必要な情報として全従業員の賃上げデータ(平均賃上げ額、平均賃上げ率など)を提出して誠実に協議すること

両社とも前進回答なし、6次スト決行

しかし、両社とも9月11日の6次回答で前進回答は無く、組合は9月13日、9時から6次ストを決行。昼休みには両社の箱崎本社前でスト行動(写真上)を第293回金属反合共同行動として実施しました。今回も前回と同様、9時から17時36分のあいだに設定した

6つの時間の中から組合員が時間を選択して参加する形で本社前・在宅にてストを決行しました。組合は、今後も、すでに始まっている23秋闘のなかで日本IBM、キンドリルジャパン両社との賃金闘争を継続します。

組合に加入しよう

従業員の皆さん、今からでも遅くありません、ぜひ、あなたも組合に加入して賃金を上げましょう。ストライキに参加し、賃上げを要求しましょう。組合員数の拡大は、賃上げ、労働条件改善を実現する交渉力の拡大となります。また、組合加入は、従業員一人一人にとって雇用をまもる力、労働条件の不利益変更の抑止力となります。組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロード、必要事項を記入し組合メールアドレス宛に送付して下さい

2023年秋季年末闘争にのぞむ要請書

JMITUが経営者に提出する「2023年秋季年末闘争にのぞむ要請書」の全文を以下にご紹介します。

2023年秋季年末闘争にのぞむ要請書
2023年秋季年末闘争にのぞむにあたってJMITUの立場と考え方について述べ、経営者のみなさんのご理解と誠意ある対応を要請いたします。
(1)過重労働、ハラスメントの横行、危険で劣悪な職場環境、正規・非正規の不当な格差など、どの職場にも労働者のさまざまな不満・不安がうずまいています。23秋闘では、こうした職場の不満・不安をとりあげ、その改善に取り組みます。人間らしくいきいきと働ける職場環境と労働条件をつくることは、作業の効率化や品質の向上など企業の力をつけることにもつながります。
(2)自由な時間の確保は労働者の基本的人権です。また、男女ともに育児や介護、家事など家族とともにくらすために必要な時間を確保することが必要です。こうした立場から賃下げなしの労働時間短縮を23秋闘の重点課題に位置づけ取り組みます。休日増と引き換えの1日の労働時間延長は反対です。
(3)定年延長は時代の流れです。23秋闘では賃下げなしの65歳までの定年延長に取り組みます。また、定年後継続雇用者の均等待遇と処遇改善をめざします。
(4)人材の確保・定着があらゆる企業の重要な課題となっています。また、少子化対策にとっても若者が安心してはたらき続けられる労働条件と職場環境が求められます。23秋闘では、「奨学金返還支援制度」など若い世代にとって魅力のある職場をめざします。(5)成長分野への労働移動の円滑化など、岸田政権がすすめる「三位一体の労働市場改革」は、労働者の格差をひろげるだけです。また、確保・定着に苦慮する職場の実態を無視し、中小経営者の要求ともかけ離れています。JMITUは「ジョブ型人事」など労働者の雇用と権利の破壊につながる労働法制改悪には反対です。賃金体系の変更をはじめあらゆる労働条件の変更には労働組合との事前の協議と合意を求めます。
(6)どのような経営環境のもとにおいても、労働者のくらしをまもることは経営者の責任です。また、労働者・労働組合の要求を正面から受け止めその実現に全力をつくしてこそ、労働者のやる気を引き出し企業の将来展望をつくることができます。23秋闘では、労使が対等な立場から合意し協力できる「合意協力型労使関係」の前進をめざします。
(7)物価高騰からくらしと中小企業をまもる課題は、労使で一致する緊急かつ切実な要求です。23秋闘では、「消費税減税!中小企業と地域経済の再生をめざす署名」に取り組みます。全国で集めた署名は、10月19日の中小企業庁交渉で提出し、中小企業支援を求めます。経営者のみなさんのご理解とご協力を要請します。
(8)年末一時金は、住宅・自動車ローンの返済や月々の生活費の赤字補てんなど、私たちの生活にとって必要不可欠なものです。とりわけ、物価高騰のもとくらしをまもる一時金への期待は切実です。継続雇用者やパート・有期雇用者も正社員と生活するために必要な支出に違いはありません。JMITUは非正規雇用や継続雇用の仲間を含むすべての労働者の生活をまもる年末一時金闘争に取り組みます。
(9)岸田首相は、健康保険証の廃止とマイナカードへの一体化を強行しようとしています。しかし、これは高齢者や障がい者などマイナカードをつくることが困難な人を排除する事実上の皆保険制度の解体です。JMITUは健康保険証廃止の中止を求めます。また、岸田政権は、5年間で43兆円もの大軍拡・増税をすすめています。JMITUは、軍事大国化と9条改憲に反対し、憲法を政治や職場にいかすために奮闘する決意です。経営者のみなさんのご理解とご協力を要請します。
(10)2023年秋季年末闘争は、次の日程にもとづき、統一した取り組みと行動をすすめるとともに、産業別交渉を強化するなど産業別組織としての対応を強めます。秋闘要求統一要求日9月20日(水)回答指定日10月4日(水)年末一時金要求統一要求日10月24日(火)回答指定日11月7日(火)

以上、2023年秋季年末闘争の取り組みについて、誠意ある対応を要請いたします。

JMITU秋闘統一要求書の紹介(2)

前号に続き、組合が日本IBM、キンドリルジャパンに提出する「安全・衛生に関する統一要求書」を以下に紹介します。
1.職場の総点検
労働安全衛生法令にもとづき、作業環境や労働者の健康状態などについて労使で点検すること。また、JMITUと当該企業代表による安全パトロールを通常6ケ月ないし1ヶ年に1回実施すること。これらの結果にもとづき、違反事項や改善すべき事項をただちに改善すること。
2.安全衛生方針と安全衛生体制の確立
①労働安全衛生法令にもとづく安全衛生方針を作成し、職場に周知徹底すること。安全衛生方針は、派遣など非正規雇用者や関連子会社従業員など、職場ではたらくすべての労働者を対象とすること。安全衛生方針の作成や実施にあたっては、JMITUの意見・要求を反映させること▼②子会社、派遣労働者、請負労働者など様々な雇用形態や指揮系統のもとではたらく労働者が混在する場合は、一体となった安全衛生管理体制を確立すること。
3.安全衛生委員会について
①安全衛生委員会を事業場単位に設置し、最低月1回開催すること▼②労働者側委員は民主的な手続で選出すること▼③労働者側委員に日常業務に優先して委員として活動できる時間と権限を与えること。また、講習会への参加など必要な安全衛生教育の機会をつくること▼④労働者側委員に対し、安全衛生について責任者と交渉し、調査や改善を要求する権限を与えること▼⑤新しい工程や機械・設備、また新しい材料や化学物質を導入する場合は、安全衛生委員会で事前に協議すること▼⑥会社は、事業場の安全衛生管理に係るすべての情報を安全衛生委員会に提出すること。
4.安全衛生教育
安全衛生管理者、新入社員や職種変更・配置転換による新入者、一般作業者および特殊作業者のそれぞれに対する安全衛生教育を実施すること。
5.健康診断等について
①事業場で働くすべての労働者を対象に、雇い入れ時と1年以内毎の定期健康診断を実施すること(深夜労働従事者には年2回)▼②生活習慣病の検診についても定期検診に加えること▼③2次検診を含め、健康診断時の賃金およびこれにかかわる費用を保障すること▼④異常の所見があると診断された場合は、必要に応じ作業転換など就業上の措置を行うこと。
6.労働時間の適正管理と過重労働の改善
別紙統一要求書にもとづく労働時間短縮要求を前提に、労働者の健康を確保する観点から、①テレワークや裁量労働制適用者などを含め、労働者の労働時間(出退勤時刻)を客観的な記録を基礎として確認し管理・把握すること▼②時間外労働を含め、終業から次の始業時刻までの時間は最低11時間確保すること(その場合に所定の始業時刻から勤務開始時刻までは勤務したものとみなすこと)▼③やむを得ず、時間外労働が月45時間を越えた場合は、産業医の保健指導など、過重労働に対する健康管理の対策を講ずること。
7.ストレスチェック
①ストレスチェックの結果を労働組合に報告・協議し、職場の環境改善に役立てること▼②「ストレスチェック」の結果を理由にした、低評価や退職強要をしないこと▼③労働者が50人未満の事業場でも実施すること。
8.異常気象と自然災害、感染症から労働者の安全をまもる要求
①異常気象などの情報や警報が出された場合には、労働者の安全を最優先し、早めの予防措置をとること。自然災害発生時の対処方法についての方針を定めること。とりわけ、障がいを持つ労働者、妊娠中の労働者、育児・介護などが必要な労働者等については特段の配慮を行うこと▼②災害等による自宅待機や早退・遅刻について、正規・非正規にかかわらず賃金を100%保障すること▼③事業所内の建物の耐震性や危険箇所がないか総点検し必要な措置を行うこと▼④冷房・送風設備、空調のきいた休憩所の設置、飲料水等の確保、適切な休憩時間等、猛暑による熱中症予防を行うこと▼⑤災害などへの緊急対応として通常業務以外の業務を命じる場合や、時間外・休日労働を行う場合については、労働者の安全性と健康を確保する立場から、労働組合の合意を得ること▼⑥インフルエンザ等の感染症に本人並びに家族が発病し、またPCR検査やワクチン接種などで休業する場合は、賃金を100%補償すること

日本IBM支部全国大会開催

JMITU日本IBM支部の第70回全国大会が、7月29日に南部労政会館において開催されました。新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年から3年連続でリモート会議システムを活用したオンライン開催となっていましたが、今年は4年ぶりのリアル開催となり、会場にかけつけた地方在住の組合員との再会を喜びあいました。全国大会は、これまで1年間の活動総括を行い、今後1年間の運動方針を議論し決定する組合の最高の意思決定機関です。まず、2023年度の活動総括として、ストライキを軸とした賃上げ闘争および成果、IBMが実施した人員削減を中心としたリストラとの闘い、裁判と東京都労働委員会申し立てという両輪での争議の状況を報告しました午 。後からは2024年度の運動方針を討議し、組合員の行動参加促進のための施策や規約変更に関する討論を行い、運動方針案を採択しました。大会ではこの1年間の組合への新規加入者の紹介および定年退職を迎える組合員の表彰も行われました。最後に、今年の大会スローガンである「物価高騰を上回る大幅賃上げを勝ち取ろう!」を満場一致で採択し、全国大会は閉幕しました。

新役員の抱負

全国大会から組合は2024年度に入り、新しい役員体制で取り組んで参ります。ここに各人の今年度の活動に向けた抱負をご紹介します

委員長 大岡義久
物価高騰に配慮しない会社の姿勢に対し、私たちは団結することで賃上げを実現しましょう。また争議の解決を目指します。

副委員長 河本公彦
65歳までの定年延長、シニア契約の給与増額及び賞与支払い等を要求し闘っていきます。

副委員長 安田和
物価高騰が続き、みんなの暮らしは苦しくなる一方なのに、会社には従業員の生活を顧みる姿勢がみられません。少しでも働きやすい職場に変えていくために取り組みたいと思います。

書記長 笹目芳太郎
いまだに続く物価高騰に追い付いた賃上げ、従業員側に有利な争議解決、の実現を目指して、たたかいを続けます。

書記次長 中川賢
退職勧奨、人の転出による要員不足で仕事が回らず、残った人は過重労働。この状況を何とかして変えていきたいと思います。

中央執行委員 三浦裕之
「復職大勝利本人」タスキでまだまだこれからも、高年齢就業確保措置に対する対策を強力に推し進めます。

中央執行委員 森谷俊之
パワハラのない安心して働ける職場と介護離職しない職場を目指します。

中央執行委員 吉野浩介
全社員が安定した生活を送ることができるように、また「心の余裕」を持って仕事することができるように、頑張ります!

中央執行委員 西尾光平
シニア契約社員の待遇向上に貢献する為、また長くデリバリー部門に在籍してきており、デリバリー部門の働く環境の改善にも貢献したい。

中央執行委員猿渡隆史
使用者が仕事を供給し、従業員が労働に従事するという当たり前の企業活動を、この会社は放棄しています。この点を是正します。

中央執行委員 西郡正彦
会社に物価高騰に負けないくらいの昇給を粘り強く要求し安心して働ける会社になるよう活動してまいります。

中央執行委員 佐久間康晴
定年後再雇用賃金差別が高齢化によって職場でも身近な問題になってきました。これを機に組織拡大を目指します。

中央執行委員 平川清茂
理不尽なパワハラと闘い、安心して仕事のできる職場環境の実現に向け頑張ります。

中央執行委員 古畑智哉
会社の不透明な評価制度と闘い、一人でも差別的な処遇がないように公平・公正な評価の実現を目指します

JMITU秋闘統一要求書の紹介

組合が日本IBM、キンドリルジャパンに提出する秋闘統一要求書の中から「安心して働きやすい職場を求める統一要求書」を以下に紹介します。

1.すべての労働者の均等待遇を実現する要求

(1)賃金・一時金、手当、特別休暇、退職金等の労働条件において、性別、雇用形態、国籍などによる格差をなくし、均等待遇を実現すること。また、実行していない場合、その理由を説明すること。(2)「均等待遇」を口実にした正社員の賃金・労働条件の引き下げを行わないこと。

2.長時間労働を規制する要求

(1)必要な生活時間の確保とジェンダー平等を実現するために、1日の所定労働時間を7時間30分(すでに実現している場合は7時間)にまで短縮すること。(2)時間外労働の限度時間を1日2時間・週6時間・月20時間・年間150時間までとすること。臨時的・突発的に、限度時間を超える必要性が生じた場合には、労働組合とその都度、事前協議し36協定を再締結すること。労使の合意のうえ、特別条項を設ける場合であっても、月45時間・年間360時間までとし、限度時間を超える場合は都度、労働組合と事前に協議し同意を得ること。(3)限度時間を超える場合の割増率を50%以上とすること。(4)裁量労働制、テレワークや在宅勤務などあらたな労働時間制を導入する場合は、労働組合と事前に協議し同意のうえ行うこと。(5)長時間労働の是正をすすめるために、職場の業務量の実態に見合った人員増をおこなうこと。(6)人手不足を背景にした業務繁忙で年次有給休暇が取得しづらい環境を改善し、年次有給休暇取得の権利を保障すること。そのためにも、職場の有給休暇取得状況を開示して改善に向けた具体的な協議を行うこと。

3.労働者の雇用・権利をまもる要求

(1)「無効解雇の金銭解決制度」に反対し、「労働者の雇用をまもる」という経営責任を明確にすること。労働者の解雇・退職勧奨など雇用に関する施策については、労働組合と事前に協議し同意を得ること。(2)本人の希望にもとづき、有期雇用者・派遣労働者の正社員化を促進すること。正社員化にあたっての賃金・労働条件は労働組合と事前に協議すること。(3)無期転換労働者の賃金・労働条件は正社員と同一とすること。(4)「職務給(ジョブ型人事制度)」など名称にかかわらず、査定・成果主義を持ち込まないこと。賃金制度を導入・改定する場合は、労働組合と事前に協議し同意を得ること。

4.65歳までの定年延長と継続雇用者の賃金・処遇の改善要求

(1)賃金を引下げることなく65歳まで定年を延長すること。(2)定年延長を実現するまでの間も、継続雇用者の賃金について60歳到達時の賃金を維持すること。また、特別休暇や住宅手当・家族手当など正社員との均等待遇をはかること。(3)継続雇用者の無年金期間中の生活と65歳以降の生活に配慮し、60歳到達時の退職金を2千万円以上に引き上げること。(4)労働者が65歳以降も雇用継続を希望する場合、選別は行わず、賃金・労働条件、労働環境、働く条件を維持したうえで雇用すること。

5.ハラスメントをなくす要求

(1)ハラスメント防止法を踏まえ、別紙「協定モデル」にもとづき、ハラスメント防止のための制裁処分や相談窓口の設置、被害者の救済措置および再発防止などについて労使協議し協定化すること。(2)ハラスメントの温床となっている過重労働と人員不足の解消、過剰なノルマ(目標)の設定や成果・業績主義を改善すること。6.青年の要求(1)奨学金を返還している労働者について月々の返還金を支援する制度(代理返還など)をつくること。*「代理返還」とは、日本学生支援機構の奨学金を受けていた労働者に対し、企業が返還額を機構に直接送金することにより労働者を支援する制度。代理返還した金額を損金処理することにより法人税減税が見込める。また、自治体によっては「奨学金返還支援制度」を創設する事業主への助成措置がある。

 

6月29日5次スト決行

賃上げ・ボーナスの上積み回答なし
全従業員の賃上げデータの回答なし

 今23春闘では、組合は、5月24日に4次ストライキを決行した後も、要求を緩めることなく、日本IBM、キンドリルジャパン両社との賃金闘争を続けています。

賃上げもボーナスも実質賃下げ

 下表の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)が今年5月現在、21ヶ月連続のプラスと、物価高騰がいまだに高い水準にあるなか、既報の通り、組合推定で両社の賃上げ率、ボーナス増加率は、生鮮食品を除く総合指数の上昇率(対前年同月)を下回り、実質賃下げでした。
 そこで組合は5次ストライキを構え、5次回答指定日を6月27日として、両社に以下を要求しました。
①両社は、組合が求めている物価高騰を考慮した、加えて年齢別本給下限額を踏まえた、組合員個別の賃上げ額の上積みを行うこと。(要求賃上げ率は10%および個別に+α)
②両社は、組合員個別の6月賞与支給額を、昨年より10%増となるよう上積みすること。
③両社の昨年9月の賃上げ無視で賃上げが1回分足りない状況(2020年から22年の3年間に2回)を解消するため、日本IBMは、就業規則通り今年9月に賃上げを行うこと、キンドリルジャパンは、7月と今年中にもう1回賃上げを行うこと。
④両社は、集団的労使交渉に必要な情報として全従業員の賃上げデータ(平均賃上げ額、平均賃上げ率など)を回答すること。

両社とも前進回答なし、5次スト決行

 しかし、両社とも6月27日の5次回答で前進回答は無く、組合は6月29日、両社の箱崎本社前で8時45分から宣伝行動を実施し、9時から5次ストを決行。9時から9時30分までは箱崎本社前でスト行動(写真上)を実施しました。今回も前回と同様、9時から17時36分のあいだに設定した複数の時間(今回は6つの時間)の中から組合員が時間を選択して参加する形で本社前・在宅にてストを決行しました。
 組合は、今後23春闘から23秋闘に移っていく過程でも、両社との賃金闘争を継続します。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、今からでも遅くありません、ぜひ、あなたも組合に加入して賃金を上げましょう。ストライキ、賃金交渉に参加しましょう。組合員数の拡大は、賃上げ、労働条件改善を実現する交渉力の拡大となります。また組合加入は雇用をまもる力、労働条件の不利益変更の抑止力となります。
 組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロード、必要事項を記入し組合メールアドレス宛に送付して下さい。

キンドリルの財務状況は大丈夫なのか

リストラの前に組合に加入しよう

 キンドリルの2023会計年度のドル建て業績(下表)によると、グローバルの売上高は、対ドル円安・ユーロ安などの影響で対前年度7%減、CC(コンスタント・カレンシー)では対前年度0%増でした。日本の売上高は、対ドル円安の影響で対前年度13%減でしたが、CCでは対前年度5%増でした。
 一方、グローバルの純利益は前年度に続き赤字でした(赤字額は対前年度33%減とはいえ)。さらに、22・23会計年度ともに現金および現金同等物を上回る負債があり、23会計年度の負債は前年度とほぼ同額です。

純利益は会社発足以来の赤字

 つまり、キンドリルの純利益は会社発足以来の赤字です。そしてまた負債が会社発足以来ほとんど減っていません。
 しかし、下表にて地域別の純利益(赤字額)が非開示で、さらにキンドリルジャパンの決算(商法決算)が従業員に発表されていないため、リストラ(人員削減)の対象になりそうな地域は隠されており、この秘密主義は異様にも映ります。

会社分割の狙いは不採算事業の切り離しと料金収入

 これでキンドリルへの会社分割の狙いは、不採算事業の切り離しと、キンドリルからの料金収入(IBM製ソフトウェアのライセンス料・保守料金、IBM製ハードウェアの代金・保守料金など)であることが明らかになりました。
 2020年10月のIBM MIS(マネージド・インフラストラクチャー・サービス)事業の分社化発表の後、IBMがMIS事業が赤字であることを従業員に一切知らせないまま、日本でも5条協議で組合が説明を求めたキンドリルの財務状況を一切説明しないまま、会社分割を強行したことは、だまし討ちと言っても過言ではありません。

近い将来のリストラはあるのか

 今のところ、組合にキンドリルジャパン・グループでのリストラの情報は入っていませんが、キンドリルジャパン・グループでもリストラには警戒を要します。それは、これまで日本IBMから分社化された会社では必ずと言っていいほどリストラが行われてきましたし、またキンドリルジャパン・グループは日本IBMグループの人事給与制度を受け継いでいるからです。
 団体交渉でキンドリルジャパンの会社側担当者は、日本IBMから受け継いだPIP(業績改善プログラム)は、人員削減目的で実施しないと明言しました。ただ、今はそうでも、経営者の判断ひとつで方針はいつでも変わりますから、パワハラ4点セット(パワハラ低評価、パワハラPIP、パワハラ賃下げ、パワハラ降格)や退職勧奨を使ったリストラが行われる可能性は十分にあります。

組合に加入しよう

 キンドリルジャパン・グループの従業員の皆さん、ぜひ、あなたもリストラが始まる前の今のうちに、組合に加入して、リストラから雇用と賃金をまもりましょう。
 組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロード、必要事項を記入し組合メールアドレス宛に送付して下さい。


業績データの出典は、下記リンク先のQuarterly Resultsのセクション「2023 4Q」のEarnings Releaseです。
https://investors.kyndryl.com/financials/quarterly-results/default.aspx

地域別の純利益は非開示あるため、代わりに地域別の利益がAdjustedEBITDAという指標で表示されています。

EBITDA(イービットディーエー)とは
EBITDAとはEarnings Before Interest, Taxes, Depreciation andAmortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業、あるいは設備投資が多く減価償却負担の高い企業などの収益力を比較・分析する際にしばしば用いられます。

*1 キンドリルの会計年度は4月1日から翌年3月31日までの1年間
*2 CC (Constant Currency) は為替変動の影響を除いた数値
*3 Principal Markets is comprised of Kyndryl’s operations in Australia/New Zealand, Canada, France, Germany, India, Italy, Spain/Portugal and the United Kingdom/Ireland. Strategic Markets is comprised of Kyndryl’s operations in all other geographic locations.
*4 Represents net amounts not allocated to segments.

 

6月29日5次スト計画

5次回答
 誠実な集団的労使交渉を行い
 賃上げ・ボーナス回答を上積みせよ

 労働組合がある企業では、賃上げ額(および賃上げ率)、ボーナス支給額は通常、以下の賃金交渉の過程を経て決定されます。
①労働組合が春闘では全従業員の平均賃上げ要求額(および平均賃上げ要求率)を、夏季・年末一時金闘争では従業員平均のボーナス要求額を使用者(会社)に提示します。
②労働組合の要求額を元に、労働組合と会社との団体交渉が行われ、会社が労働組合に賃上げ・ボーナス回答を提示します。
③労働組合は会社の賃上げ・ボーナス回答に不服な場合、会社に上積み回答を要求してストライキを決行することがあります。会社はストライキを受けて上積み回答するかどうか決定し、その結果を労働組合に提示します。
④一連の団体交渉とストライキの結果、労働組合が賃上げ・ボーナス回答を了承した時は会社にその旨を通知し、賃金交渉が妥結します。

両社との集団的労使交渉は不成立

 以上の賃金交渉の形態は集団的労使交渉ですが、日本IBM、キンドリルジャパン両社には他の企業と決定的に違う点があります。それは、上記②の過程で会社が提示する賃上げ・ボーナス回答が、全従業員の平均賃上げ額、平均ボーナス支給額ではなく、組合員個別の賃上げ額、ボーナス支給額である点です。そのため、組合と両社との間では全従業員の賃上げ・ボーナスに関する集団的労使交渉は成立しないのです。
 そもそも集団的労使関係とは、従業員を個人ではなく1つの集団とみなし、企業と対等な関係を構築する考え方であり、労働者は労働組合を組織することで、従業員に対して圧倒的に立場が強い企業と対等の交渉、つまり集団的労使交渉を行うことができるのです。このことは日本国憲法第28条が定める労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)で保障されています。
 したがって、労働組合に加入している労働者は「会社対個人」の関係を「会社対労働組合」の関係に持ってゆくことができますから、当労働組合の組合員は「会社対個人」の関係の中では言いにくい賃上げ・ボーナスに対する不満や要望を、「会社対労働組合」の関係の中で堂々と主張することができるのです。

今23春闘の最新情勢

 組合は、両社と全従業員の賃上げ・ボーナスに関する集団的労使交渉を行うため、今23春闘要求書でも例年通り、集団的労使交渉に必要な情報として全従業員の賃上げ・賞与データ(平均賃上げ額、平均賃上げ率、平均ボーナス支給額など)を回答することを両社に要求しています。
 今23春闘の最新情勢は、組合が6月29日に5次ストを構えて、5次回答指定日を6月27日として両社に要求を出し、回答待ちの状況ですが、その要求項目の中にも、全従業員の平均賃上げ額、平均賃上げ率などの回答要求を入れています。
 従業員の生活を直撃している物価高騰が収束するどころか、いまだに高い水準にとどまるなか、両社は全従業員の平均賃上げ額、平均ボーナス支給額を回答することで誠実な集団的労使交渉を行い、賃上げ・ボーナス回答を上積みすべきです。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、今からでも遅くありません、ぜひ、あなたも組合に加入して賃金を上げましょう。ストライキ、賃金交渉に参加しましょう。組合員数の拡大は、賃上げ、労働条件改善を実現する交渉力の拡大となり、さらに雇用をまもる力、労働条件の不利益変更の抑止力ともなります。
 組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。必要事項を記入し組合メールアドレスに送付して下さい。

TLS部門の深い闇

年収が減る可能性のある報酬プランを強要

 物価高騰の折、もしも現在よりも年収が減る可能性のある報酬プランを強要されたら、あなたはどうしますか?「部門の方針だから」「グローバルからの指示だから」仕方がない・・と言って黙って受け入れてしまうでしょうか?こうした報酬プランを有無を言わせず一方的に従業員に強要し、従業員の生活を顧みない部門がTLSです。今回はこの部門の深い闇の一例をご紹介します。

オンコミッション制度非適用部門に強制適用

 Nさんの所属部門であるTLSソリューションデザインには、U担当のもとに営業職と非営業職の部員が所属しており、Nさんは非営業職の部員です。このTLSソリューションデザインでは、年初の部門会議において、所属部員の給与制度が今年から営業職、非営業職の区別なくオンコミッション(営業報酬)制度に変わるという話しがありました。しかし、今回のオンコミッション制度の適用方針は、今まで適用されていなかった部門に現在より年収が減る可能性のある給与制度の適用、つまり労働条件の不利益変更を強要しようとしており、従業員の生活を軽視した方針であると言わざるを得ません。また、レベニューのような営業目標を持たない非営業職にオンコミッション制度を適用することは不適切です。

理由を示さない不十分な説明

 U担当からは、次の2回の部門会議において、所属部員の給与制度が今年からオンコミッション(営業報酬)制度に変わるという話しがありました。
■1月24日の部門会議
 U担当が、所属部員の給与制度が今年からオンコミッション制度に変わることを伝えただけで、それ以外の説明はありませんでした。
■2月2日の部門会議
 U担当が、営業職5名と非営業職4名から成る所属部員9名全員がオンコミッション制度に移行する、段階的に今年2月から3月にかけて営業職5名と非営業職1名が、5月から6月以降にNさんを含む非営業職3名がオンコミッション制度に移行するという方針を伝えましたが、非営業職にオンコミッション制度を適用する理由の説明はありませんでした。また、所属部員の営業職の1人が、オンコミッション制度の仕組みの説明と、オンコミッション制度では営業成績によって現在よりも賞与が減り、そのため年収が減る可能性があるという説明をしましたが、この説明は、説明者が個人的に作成した資料を自身でオンライン会議画面に表示しながらの説明であり、会社が作成した正式な資料を配布した上での説明ではありませんでした。

会社の一方的な労働条件の不利益変更を絶対に許さない

 組合はNさんへのオンコミッション制度の適用に関して、書簡にて会社に以下の1.2.の要求への文書回答を要求し、現在、団体交渉にて協議中です。
1.オンコミッション制度に関する質問に文書回答すること。
非営業職にオンコミッション制度を適用する理由を含め詳しい説明が無い、また会社が作成した正式な資料に基づいた説明が無い、などの問題点がありますので、下記の要求に文書回答することを要求します。
(1)非営業職にオンコミッション制度を適用する理由を回答すること。
(2)非営業職にオンコミッション制度を適用する際、営業職のレベニューのような明確な目標が無いなか、目標をどのように設定するのかを回答すること。
(3)オンコミッション制度が適用されると時間外勤務手当を請求できなくなるのかを回答すること。
(4)会社が作成した正式な資料として、オンコミッション制度の仕組みの説明資料、および非営業職であるNさんにオンコミッション制度を適用した場合、適用前後の年収の変化を含め労働条件はどのように変わるかの説明資料を提示すること。
2.Nさんへのオンコミッション制度の適用を実施しないこと。Nさんはオンコミッション制度の適用を受ける意思がないことを通告します。オンコミッション制度の適用にあたっては、その実施内容を組合と団体交渉で事前協議し、合意のもとで実施することを要求します。また、Nさんへのオンコミッション制度の適用について組合と協議中に、オンコミッション制度の適用を強行することは、組合活動に対する支配介入になります。このような行為を行わないよう要求します。

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 組合と協議中にもかかわらず、TLS部門はオンコミッション制度への移行を強引に進めています。今後の展開については「かいな」にて続報させていただきます。

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