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相談窓口

IBM・キンドリル ついに最賃法違反

従業員軽視ここに極まる

 日本IBMとキンドリルジャパンの定年後再雇用制度となる「シニア契約社員」は月給17万円のみ。賞与も家族手当も住宅手当等、一切の手当はありません。
 一方、東京都の最低賃金は時給1041円です。これをシニア契約社員の1ヶ月の労働時間に当てはめてみましょう。就業時間は1日7.6時間です。この3月は労働日数22日ありますので、22日X7.6時間X1041円を計算すると、17万4千55円になります。つまり、3月の月給は最低賃金で計算した場合にくらべて4千55円不足することになります。これは最低賃金に満たない金額ということになり、最低賃金法違反になります。
 最低賃金制度によれば、会社が最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。さらに、会社が地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
 組合はこれまで再三にわたって、この3月には東京都の最低賃金を下回ることを会社に警告し、給与引き上げを要求してきました。そもそもシニア契約社員は単年度契約なので、今年1月の契約更新の時点で契約給与を引き上げる必要がありましたが、会社はこれを怠り、漫然と同じ契約内容を押し付けていました。
 会社はついに最賃法違反を犯しました。外資系と言えど日本社会の一員です。このようなCSR(社会的責任)を軽視する経営姿勢は直ちに改められるべきです。

3・10早朝ストライキ決行

日本IBMは5月賃上げを実施せよ
 キンドリルジャパンは5月賃上げせよ

 3月9日の両社の回答は、5月賃上げをすると言っていた日本IBMが5月賃上げを本当にするのか、しないのかすら、曖昧な回答に後退しています。さらに、キンドリルジャパンに至っては、はたして今年の賃上げをする気があるのか、それすら曖昧な回答です。とても納得できる回答ではありません。
 私たち日本IBM支部は3月10日の早朝9:00~10:00にストライキを実施します。日本IBMとキンドリルジャパンは、従業員の生活を考えたまともな賃上げをするべきです。
 本社前でのストライキの模様は以下のリンクより中継をご覧いただけます。
 https://www.youtube.com/channel/UCuVkXviVKdgKkBIJYRZiEeQ

以上

日本IBM5月賃上げを確約 キンドリルも賃上げせよ

3・9回答
 両社とも有額回答せよ 不当回答なら10日早朝スト

 春闘アンケートの結果、日本IBMとキンドリルジャパンの従業員は生活実感が苦しいと感じている人が8割を超え、賃金に大きな不満を抱いていることが分かりました。
 これを踏まえ、組合は2月24日に春闘要求を提出し団体交渉を行いました。この中で日本IBMは5月に賃上げすることを確約。キンドリルジャパンに対しても賃上げを迫っています。
 3月9日の回答指定日に有額回答が無い場合は組合は第一次ストライキを実施します。さらに、交渉状況に応じた数次のストライキを計画しています。今からでも遅くありません。ぜひ、あなたも組合に入り、ストライキに参加しましょう。

賃上げ要求内容

 組合の今年の賃上要求は2段階からなります。まずは、独自に年齢別社内月額最低本給を導入。10年以上にわたり満足な賃上げが実施されておらず、年齢に応じた生活設計が狂っている状況を受け、あらゆるジョブファミリーの従業員(正社員、契約社員、臨時雇用者、派遣社員含む)の月額給与の年齢別下限を設定(下表参照)。この額を下回っている場合はこの額以上に引き上げることを要求しました。
 その上で、この間の諸物価の高騰を受けた生活防衛のため、全従業員の月額本給賃上げの平均が5万円の引き上げとなるよう要求しています。

春闘重点要求の紹介

組合に加入して要求を勝ちとろう

 1面に続き春闘重点要求の中から主要な要求を以下にご紹介します。

争議解決の要求

 パワハラ降格争議、定年後再雇用賃金差別争議、AI不当労働行為争議の解決を要求しました。このことで、社内から従業員の使い捨て七つ道具(パワハラ4点セット+賃金三重苦)を無くし、シニア契約社員の労働条件を改善し、社内の賃金制度を透明化することを狙っています。

職場環境に関する要求

(1)組合事務所、倉庫設置の要求キンドリルジャパン本社内に組合事務所ならびに倉庫を設置すること。
(2)キンドリルジャパン本社設備に関する要求有線LANを使用可能にすること▼イーネットのATMを設置すること。
(3)移転後のキンドリルジャパン本社に関する要求
 交通の便がよい場所にすること▼組合事務所、倉庫、掲示板を設置すること▼座席は全社員分の数を固定席として確保し、部門単位で配置すること▼カフェテリア、食堂を確保すること。

手当に関する要求

(1)コロナ禍での強制的な在宅勤務に伴う自宅水道光熱費および通信費は本来、会社が負担するべき業務の経費です。会社は速やかに在宅勤務手当として1ヶ月あたり8千円を、2020年3月に遡及して支給すること。
(2)コロナ禍のため満足に自宅の就労環境を整備できずに在宅勤務に入らざるを得なかったことを考慮し、自宅環境整備手当として一時金5万円を支給すること。
(3)従業員がコロナ禍の中で、せざるを得ない出勤もしくは外出によって新型コロナウィルスに感染した場合は、当該従業員が感染前の健康状態に戻るまでに、本人とその家族が自己負担した隔離、自宅待機、入院、検査、治療などの一切の費用(公費負担分を除く)を会社が補償すること。

働き方改善の要求

(1)スキルアップのコースの時間は業務時間外に設定される場合が多い。このような正式な労働時間の外(夜間や休日など)で実施されているラーニングを、全社で正式な労働時間の中で実施させるよう改善すること▼ラーニングの時間は、実時間をWorkdayに入力するよう促進すること▼これによって時間外勤務が発生した時は時間外勤務手当を支払うこと▼これによる人事評価上の不利益な扱いをしないこと。
(2)会社は、平日時間外や休日にもメールをチェックしているなど、発生していながらWorkdayに入力されていない時間外勤務を、従業員がWorkdayに入力するよう促進すること▼会社は請求された時間外勤務手当を確実に支払うこと▼これによる人事評価上の不利益な扱いをしないこと▼ラインが従業員に正式な労働時間の外(夜間や休日など)に勤務することを指示していない場合に、従業員が正式な労働時間の外に勤務しなかったことによる人事評価上の不利益な扱いをしないこと。
(3)上記のように従業員は休む間も無く働いている状況を受け、労働時間の正常化を果たす上でも、現在の世界の流れに従って、週休2日制への移行時に月曜日から金曜日に付加された36分(元は土曜日の3時間)を削減し、賃下げなしで1日の労働時間を午前9時から午後5時までの7時間、週35時間に短縮すること。これにともない稼働率の上限値を64.9%とすること。
(4)「勤務間インターバル」の規定を就業規則に追加すること。1)深夜勤務時の次の勤務開始までのインターバルを最低11時間とすること。これは裁量労働制と年俸制勤務者を含む。2)1)の結果、次の勤務開始時刻が通常の勤務開始時刻(フレックスの場合はコアタイム開始時刻)よりも遅くなった場合は、その時間は勤務したことにすること。

賃下げなしの65歳までの定年延長の要求

 特別支給の老齢厚生年金の段階的引き上げが完了することに伴い、賃下げなしの65歳までの定年延長を要求しました。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、組合に加入して要求を勝ちとりましょう。組合員数の拡大は、賃上げ、労働条件改善を実現する力となり、さらに雇用をまもり、労働条件の不利益変更を抑止する力ともなります。
 とりわけ会社分割のような大きな動きがあった後には必ず人員削減が行われるのが通例ですので、今のうちに組合に加入されることをお勧めします。皆さんお一人おひとりの加入が組合の力です。
 当労働組合には日本IBMグループだけでなくキンドリルジャパン・グループの皆さんも加入することができます。

スト権投票本日開始 あなたもストに参加しよう

 いよいよ春闘が始まりました。要求内容については、皆さんにご協力いただいた春闘アンケートが非常に重要なデータとなります。これらをもとに、組合は2月19日に中央委員会を開催し、春闘要求内容を決定しました。
 特に、昨年9月の賃上げ無視については多くの人が不満に思っているため、改めて春闘と時期を同じくした4月1日付の賃上げを要求します。
 まず、組合はストライキの実施賛同を得るためのスト権投票を実施します。賛同いただける方はぜひともスト権投票にご参加ください。
 賃上げ要求金額などの具体的な要求内容については、以下にご紹介する集計がベースとなりますので、まずはこれらをご紹介いたします。

賃上げ要求額について

 賃上げ要求額は、平均54,815円となりました。日本IBMでは、昨年5月に一昨年9月分の賃上げが遅れて実施されましたが、ふたたび昨年9月分の賃上げが無視されました。従業員への賃上げが生活実態に追いついておらず、大幅賃上げの要求が強くなっています。

生活「苦しい」83%

 賃上げ要求の背景にある生活実感調査については、「かなり苦しい」「やや苦しい」の合計がなんと82.8%になりました。2018年以降で最も悪い結果です。
 近年の賃上げがほとんど無かったことに加えて諸物価の高騰が従業員の生活を苦しめています。
 さらに雇用保険料の引き上げが4月と10月に実施されます。4月の賃上げが絶対に必要です。

職場の不安・不満

 不安・不満では、56.9%の人が「賃金」と回答。続けて「雇用・リストラ」51.7%、「企業の将来」48.3%となりました。
 この4年間で賃上げ要求が一番高くなっています。

春闘の役割と産業別統一ストの重要性

組合に加入して賃金を上げよう

 春闘は1955年、金属や化学など8つの産業別労働組合が話し合い、はじまりました。その後、60~70年代にかけて、全国的な闘いへと大きく発展しました。労働組合が春闘でめざしたのは次の2つです。
 第一は、それまでばらばらだった賃金交渉を全国の労働組合が春の時期に一緒に闘うという統一闘争を組むことです。
 第二は、「賃金の生計費原則」を全面にかかげ、企業業績や規模にかかわらず、すべての仲間の賃上げをめざすことです。

春闘が果たしてきた役割

 半世紀にわたる春闘によって、労働者・国民のくらしや職場は大きく改善しました。春闘が前進するなかで、「春になると賃金があがる」というルールがつくりあげられました。労働組合は、春闘をつうじて、すべての仲間に人間らしく生活する権利があり、経営者には労働者のくらしをまもる責任があることを明らかにしたのです。
 春闘は、労働組合が勝ちとった賃上げを地域の賃金相場に反映させることによって、労働組合のない職場の仲間のくらしをまもる役割を果たしてきました。また、中小企業での賃上げが全国で実現したときは、それを背景に下請単価も上がるなど中小企業の地位と発言力も高まりました。さらに、「国民春闘」をかかげ、最低賃金制度や年金・医療など社会保障制度を改善させてきました。

春闘解体の攻撃のなかで

 90年代以降、春闘解体の攻撃が強まるなかで賃金の生計費原則が否定され、「賃金は成果や業績で決まる」という考え方が押しつけられています。それは、私たちが春闘をつうじて勝ちとってきた憲法25条の「生存権保障」(人間らしく生活する権利)や28条の「労働基本権」(賃金・労働条件は労働組合との協議をつうじて決定されるべき権利)の理念を真っ向から否定するものです。
 同様に日本IBMでも、成果主義、業績主義の人事給与制度をベースに、パワハラ4点セット(パワハラ低評価、パワハラPIP、パワハラ賃下げ、パワハラ降格)と、賃金三重苦(低水準の賃上げ、低水準のボーナス、在宅勤務手当の不支給)を合わせた従業員の使い捨て七つ道具による人員削減、人件費圧縮が行われてきました。これはまさに春闘の成果の否定であり、従業員の生計費切り下げを長期化、深刻化させています。そして同じことは、日本IBMの人事給与制度を受け継いだキンドリルジャパンでも要警戒です。すでに会社発足初日から、給与規程に定められている昨年9月1日付賃上げの実施が見送られています。

産業別統一ストの重要性

 どんなに立派な工場や機械があっても、労働者が働かなければ、企業活動は停まり、企業は利益をあげることができません。ストライキは労働者の最も基本的な闘い方です。労働組合はストライキを背景にして初めて使用者と対等に交渉することができ、要求への切実な思いを経営者と職場内外にアピールすることができます。
 経営者は自分の企業だけ労働条件を上げれば企業間競争に負けると考えます。だから産業別統一闘争、なかでも産業別統一ストライキで一斉に多くの企業で労働条件を引き上げる、そのことで同じ土俵で競争が行えるようにすることで経営者の労働条件引き上げへの抵抗が弱まるのです。産業別統一ストライキ、全国一斉ストライキが要求実現への大きな力を発揮する理由はここにあります。
 とりわけ回答指定日に要求に応える誠実な回答を引き出すうえで、回答指定日翌日に統一ストライキを構えることは極めて重要な意義をもちます。
 当労働組合が所属するJMITUの統一スト(リレースト)は、ひとつの職場のストにも地域の仲間が激励にかけつけることで少数支部でも孤立せず、職場と経営者に組合の団結力をアピールすることができます。こうした産別の力を発揮することで統一ストの効果をさらに大きくすることができるのです。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、組合に加入して賃金を上げましょう。組合員数の拡大は、賃上げ、労働条件改善を実現する力となり、さらに雇用をまもり、労働条件の不利益変更を抑止する力ともなります。
 とりわけ会社分割のような大きな動きがあった後には必ず人員削減が行われるのが通例ですので、今のうちに組合に加入されることをお勧めします。皆さんお一人おひとりの加入が組合の力です。
 当労働組合には日本IBMグループだけでなくキンドリルジャパン・グループの皆さんも加入することができます。

賃上げ無視を許すな

 今こそ組合に加入し交渉を

 日本IBM及びキンドリルジャパングループの皆さん、春闘アンケートに多くのご協力をいただき、誠にありがとうございました。中でも昨年9月の賃上げが無視されたことに関する怒りの声を多くいただきました。
今年の春闘では、先進国の中で日本だけ賃金が停滞していることを受け、財界や政府も巻き込んだ大幅賃上げの機運が高まっています。
 IT関連産業においても、同業他社が4月に一気に大幅賃上げになりそうな情勢の中、このまま指をくわえてみているだけでは、私たちの賃金水準は置いて行かれるばかりです。
 賃金は黙っていては上がりません。歴史上、最も効果的なたたかいはストライキを構えた賃上げ交渉であることがわかっています。これは個人ではできません。労働組合だけにストライキ権が認められているからです。
 今こそ労働組合に皆が団結し、交渉することで賃上げを勝ち取りましょう。組合ホームページから組合加入届のPDFをダウンロードし、必要事項を記入し組合メールアドレスに送付いただくだけで組合に加入することができます。
 さて、春闘アンケートにいただいた声を以下にご紹介します。

生活と賃金について

・9月の賃上げ見送りはおかしい。( 50代)
・9月の昇給未実施で納得している社員はいないと思う。( 20代)
・もっと公平に賃上げを行うべきだ。(50代)
・給料が上がる見込みがほとんどない。( 40代)
・生活必需品が値上げになるが、給与は上がらない。( 40代)
・10年間賃金が上がっていない。(50代)
・消費税増税や物価にあわせて給与を一律に上げるべき。(40代)
・再雇用賃金が安すぎる。( 50代)
・福利厚生面で他社に劣っている。(30代)

在宅勤務について

・在宅勤務手当が支給されないことで、企業としての不誠実さを感じる。( 40代)
・在宅勤務手当がないまま、このまま時が過ぎるのを待っているようだ。( 40代)
・在宅勤務手当の不支給は実質的な賃下げと同じだ。( 50代)

雇用について

・社員を減らすことしか考えていないので、安心して働けない。(50代)
・中堅の退職が目立ち、若年層からみれば、会社に見切りをつけたのではないかと思案してしまう。( 30代)
・優秀な人からどんどん退職していくのではないか。(20代)
・このままだと高給企業への育成所のようになる。( 20代)
・いつ自分がいる部署が無くなるか分からない不安。(50代)

人事施策について

・社員を引き付けるビジョンが見えない。( 50代)
・自分たちの待遇の将来がいいように思えない。( 40代)
・人材を流出させ続ける愚かな人事施策に未来は無い。( 50代)
・上司からどのように成長して欲しいかのビジョンが語られない。( 20代)
・所属長とのコミュニケーションもなくチェックポイントが進められていることに違和感を覚える。( 30代)
・ビジネス・コンダクト・ガイドラインは人事だけは対象外だ。( 50代)
・経営者が逮捕される前のような品のある会社に戻ってほしい。( 50代)

パワハラ降格の恐るべき実態!!

 裁判第2回尋問でも明らかに

 1月24日、パワハラ降格裁判の第2回尋問が東京地裁527号法廷で行われました。すでにかいな2398号1面で報じた昨年12月27日の第1回尋問は、原告2名のうち1名に関する尋問でしたが、今回の第2回尋問は、もう1名の原告、森谷さんに関する尋問です。
 森谷さんは、営業報酬管理業務を行うSC&T(セールス・カバレッジ&トランスフォーメーション)に2012年12月から所属し、バンド7として営業報酬管理業務を担当していました。そこへ2013年10月、のちに森谷さんをバンド6に降格する牧陽子担当(以下、所属長)が森谷さんの所属長に着任しますが、その後の経過に関する尋問で、今回も日本IBMが実施しているパワハラ降格の恐るべき実態が明らかになりましたので、以下にお伝えします。

部門内は人員削減の嵐!

証人席の森谷原告(左)と原告側の並木弁護士(右)

 SC&Tでは2014年頃から業務の日本IBM関連会社への移管が計画され、人員削減が行われ始めました。所属長は、人員削減のターゲットとした従業員との退職勧奨面談を頻繁に行い退職・異動に追い込む、退職勧奨に応じない従業員に対しては仕事を取り上げて追い込む、ということを繰り返しました。
 その結果、SC&Tの人員数は、2014年1月に17名であったところ、2018年9月には8名まで削減されました。(この8名は他部門との統合後の、旧SC&Tの業務従事者の数です)
 この期間の、転入6名を加えた計23名の動きは、退職がなんと10名、転出が3名(うち2名は転出後に2018年9月までに退職)、出向が2名、残留は森谷さんを含む8名でした。

退職勧奨の始まり

 2015年10月9日から同年11月10日までに所属長との退職勧奨面談が4回行われ、所属長は森谷さんに「あなたに任せる仕事がないから他の異動部署を自分で探すように。退職した場合には退職金の割り増しがあるから退職してはどうか。仕事がないのだから異動先を探すか辞めるしかない。なんで辞めないのか?」ということをしつこく繰り返し述べました。

退職を拒否したら仕事を取り上げ

 これに対して森谷さんは退職を一貫して拒否しましたが、所属長は同年10月30日に理由の説明もなく森谷さんの担当顧客を全て取り上げ、同年11月13日に森谷さんの所属チームの週次会議から森谷さんを外しました。これで森谷さんの仕事は全て取り上げられました。

プレゼン課題の強要

 2015年12月1日から翌年2月10までに、所属長から何を目的としたプレゼンかの説明は無いまま、所属長が指定するテーマのプレゼンを5回実施させられました。所属長は森谷さんのプレゼンに対して、抽象的なダメ出し(依頼した主旨に合っていない、資料の作り方が悪い、要点がぼやけている、等)、理不尽なダメ出し(意味が全然わからない、等)、些末な点へのダメ出し(字が小さすぎる、等)を繰り返しました。
 このように、改善点を具体的に挙げるなど教育目的のコメントは無く、プレゼンは初めからダメ出し目的であったことは明らかです。

PIP、そして降格へ

 プレゼンでの所属長のダメ出しを受け、2016年3月7日に所属長とその上司との、再度の退職勧奨面談が行われ、森谷さんがはっきりと退職を断ったところ、所属長の上司が今後の改善計画の提出を求めました。何についての改善計画かの説明は無いまま、森谷さんが同月10日に改善計画を提出すると、所属長はダメ出しをして再提出を指示しました。
 そして、これに関して同月16日にセットされた面談で、所属長は改善計画には触れずに、PIPを実施する旨を通告し、同月18日から同年5月20日までに所属長とのPIP面談が9回行われました。所属長はPIP面談でもプレゼンの時と同様、森谷さんの資料に対してダメ出しをするばかりで、さらに退職勧奨を執拗に行いました。
 以上の経過を経て、2015年のPBC評価は「3」、PIPは目標未達成とされ、2016年7月1日付でバンド6へ降格されたのです。
   * * *
 このような退職勧奨に応じない従業員に対する仕事の取り上げ、課題強要、低評価、PIP、賃下げ、降格はパワハラです。また、退職勧奨に応じない従業員に対する度重なる退職勧奨は退職強要であり違法です。これらは断じて許されません。

パワハラPIPの実態  裁判の尋問で明らかに

 2021年12月27日、パワハラ降格裁判の第1回尋問が東京地裁527号法廷で行われました。この尋問で日本IBMが実施している恐るべきパワハラPIPの実態が明らかになりましたので、以下にお伝えします。

恐怖のパワハラPIP

 PIPとは、パフォーマンス・インプルーブメント・プログラム(あるいはプラン)の略で、業績改善プログラムとも呼ばれ、上司の判断により実施されます。野原担当を尋問する原告側の水口弁護士
 今回のケースは日本IBMで人員削減プログラム(RA:リソース・アクションと呼ばれています)が走り出した直後に行われました。PIPの期間は1ヶ月。その間に行われた面談は6回にのぼります。
 その内容は第1回面談からひどいものでした。PIPで達成すべき目標はまったく伝えられず、「あなたはこの会社でやっていけるのか」「この会社には向いていないのではないか」「あなたに合ったいい仕事が他にあるのではないか」などの退職勧奨。それに対し、退職する気は無いと返答すると、「家族に相談してみろ」「このままだと待遇がどうなるかわからないぞ」と脅されたのです。
 第2回面談では「IBMは今後は衰退していく。このまま勤めていても将来がないだろう」などの暴言の数々。
 第3回面談では「このままだと辞めてもらうか降格になるかどちらかになる」「辞めることを考えないか」と何度も責め立て、断ると「じゃあ辞めるか降格されるかどちらがいいか選べ」「退職しないのであれば降格処分にする」と乱暴な言い方で退職強要されたのです。
 PIPの達成目標が伝えられたのは第3回面談の後で、残った期間では到底達成不可能なものでした。
 その後も退職強要を繰り返されたあげく最後の第6回面談では目標未達成だったことを理由に「改善が見られなかったという評価になる」と伝えられ、バンド6に降格されたのです。
 被害者は、PIPを受けている時点で組合加入しなかったことを後悔し、もっと早く加入していれば、降格させられることもなかったことでしょうと言っています。

みんなで考えよう 労働時間の短縮で人間らしい生活を

 JMITUは残業削減を含めた一日の労働時間を正面にすえ「本格的な労働時間短縮闘争に挑戦しよう」と提起しました。
 今、若者を中心に「働き過ぎを何とかして」「自由な時間が欲しい」という切実な声が上がっていること、そして日本の労働組合がその声に十分に応えきれていない現状があるからです。
 労働者のいのちとくらしをまもるという責務をもつ労働組合として、なんとしても日本の長時間労働を改善したいという提起なのです。

健康で文化的な生活とは

 憲法25条には「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあります。では、「健康で文化的な生活」とはどんな生活のことでしょうか。物質的な豊かさ=貧困がないことは「健康で文化的な生活」の絶対条件です。しかし、それだけでは不十分です。絶対に欠かせないもの、それは自由な時間です。自分や家族・恋人との時間、友人たちとの交友の時間、スポーツや音楽・趣味などができる時間が必要です。物質的な豊かさがあり、さらに自由な時間が十分にあって初めて「健康で文化的な生活」といえるのであり、「自由な時間」は憲法で保証された基本的人権です。ところが、日本の労働者の多くは「健康で文化的」とは程遠い生活を強いられています。その原因が労働時間が長いことです。
 実際、日本の長時間労働は世界的に見ても異常です。フランス1420時間、ドイツ1305時間、スウェーデン1424時間、オランダ1365時間などに対し、日本の労働者の年間総労働時間は、1706時間(パート労働者含む)で、EU諸国と比べ日本の労働時間は年間300~400時間も多く、日本の労働者はEUの労働者より年間2~3か月も多く働いているのです。

1日7時間・週35時間が世界の流れ

 8時間労働を定めたILO第一号条約が採択されたのは1919年。いまから100年以上も前です。ILO条約とは国際的な労働基準を定めた条約のことです。
 ILO第1号条約は工業における労働時間は「交替労働、不可抗力による残業により特定日に8時間以上働かせる場合でも3週間の平均が1日8時間・1週48時間を越えてはならないとしています。EU諸国ではすでに1日7時間・週35時間労働が流れです。フランスの法定労働時間は週35時間です。ドイツは「1日8時間、もしくは平均週48時間(1日の上限は10時間)」が法定労働時間の規定ですが、産別組合の力の強いドイツでは、さらに短い労働時間が全ての企業に適用されています。ドイツの金属産業の労働時間は週35時間です。ちなみにフランスでもドイツでも法定労働時間を越えて働かせると罰金刑が課せられます。世界の労働時間は1日7時間・週35時間労働が流れであり、さらにその先を目指しているのです。

労働時間が長いのは日本人が勤勉だから?

 「日本の労働時間が長いのは日本人が勤勉だから」という人がいます。しかし、江戸時代の職人は4日働いて1日休む習慣があったそうです。農村部でも冬の間は湯治に行くなどしてゆっくりと過ごし、農繁期の9か月間でも30日くらいは仕事をしない日がありました。昔の日本人は意外にゆとりのある生活をしていたのです。
 そのくらしが変化していくのが明治時代です。「富国強兵」の掛け声のもと、労働者の働く時間がまたたく間に長くなったのです。

労働時間短縮でいのちと健康をまもる

 日本の労働時間の特徴のひとつは、無制限な残業が蔓延していることです。長時間残業はときに過労死という悲惨な事態を引き起こしています。過労死根絶のためにも長時間の残業を削減することは重要です。
 過労死の主な原因である脳・心臓疾患になる最大のリスクは、睡眠・休息時間の不足です。1日の睡眠時間が十分にとれなくなると脳・心臓疾患のリスクが急速に高まります。厚労省は月の労働時間が200時間を越えると過労死のリスクが高まるとし、1日の所定労働時間を8時間、月の残業時間の上限を45時間と定めています。ところが労働基準法には「特別条項」という規定があって、臨時的な特別の事情があれば、年間720時間、単月では100時間までの残業を認めています。
 月100時間の残業とは、この状態で亡くなると、ただちに過労死に認定される「過労死ライン」です。
 JMITUは、時間外労働において、1日2時間・週6時間・月20時間・年間150時間、特別条項は原則結ばないという統一要求をかかげ、時間外労働の削減をすすめていきます。さらに特別条項の廃止などの労働基準法の改正を求めています。

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