日本IBMでは11月に入り本格的な人員削減が行われています。組合には3連休明けの11月4日から退職勧奨に関する相談が入り始め、4日からのわずか1週間に退職勧奨に関する相談が集中的に入って来ています。
これを裏付けるかのような海外メディアの情報(要旨)は次の通りです▼IBMは2025年11月4日、今四半期に人員削減を実施すると発表。IBMは声明で「世界全体の従業員の(率にして)1桁台前半に影響が及ぶ措置を実施する」とした。
今回の人員削減の規模感
記憶に新しいところで2023年、2024年の人員削減を思い出してみましょう。
2023年には、IBMは2022年第4四半期の決算発表と同日の1月25日、従業員の1.5%にあたる約3900人の人員を削減する方針を発表しました。2024年には、IBMは1月24日、2023年第4四半期の連結決算を発表し、その中で23年と同規模の人員を削減する方針を発表しました。このように2023年、2024年の人員削減の規模は両年とも全世界で1.5%程度であり、両年とも上記のような短期間に退職勧奨に関する相談が集中することもなかったわけです。
一方、上記の海外メディアが報じた今回の1桁台前半という率は、たしかに幅はありますが、上記のような短期間に退職勧奨に関する相談が集中する傾向から、2023年、2024年の1.5%程度よりかなり大きく、コロナ禍の中で行われた2020年第4四半期の人員削減の規模感に匹敵すると推測されます。そうしますと、今回の人員削減の規模感は4~5%、従業員約9千人と推定される日本IBMでは400~500人規模と見てもけして多すぎることはないでしょう。
今回の特徴もジョブ型リストラ
今回の人員削減の特徴も近年と同様、ジョブ型リストラです。
ジョブ型リストラとは、ご存じのように、職務に人を割り当てる「ジョブ型雇用」において、担当していた職務が終了・廃止・縮小されたことなどを理由に、その職務に就いていた従業員が削減されることです。日本に従来からある「メンバーシップ型雇用」は「人に仕事をつける」雇用形態であるのに対し、ジョブ型雇用は「仕事に人をつける」雇用形態です。
今回組合に寄せられた相談でも、業務のシステム化、自動化(Chatbotによる問い合わせ対応の自動化など)が計画されていて現行の人員数は必要なくなる、スキルミスマッチでプロジェクト・アサインのない期間があり稼働率が低い、などと退職勧奨面談で言われたケースがありました。
しかし、そもそも従業員に仕事をアサインする責任は会社にありますから、現行の仕事が終了・廃止・縮小されても、仕事のない期間が生じないよう会社が責任をもって仕事をアサインすべきです。
今すぐ組合に加入しよう
従業員の皆さん、今退職勧奨にあっている方、今雇用の不安に直面している方は、今すぐ組合に加入して、人員削減から雇用をまもりましょう。
さらに、将来退職勧奨にあうこと、将来雇用の不安に直面することは、いつだれに起こるかわかりませんので、その前に今すぐ組合に加入して、人員削減から雇用をまもりましょう。
組合へのご連絡は3面の「組合なんでも相談窓口」までお願いします。ウェブからは組合トップページ上部にある「ご意見ご相談」をクリックし、記入、送信して下さい。