秋闘1次要求の紹介

 賃上げ以外の重点要求について

 1面に続き秋闘1次要求の中から、当支部が日本IBMとキンドリルジャパン双方に提出した賃上げ以外の主要な重点要求を以下にご紹介します。

争議解決の要求

(1)定年後再雇用賃金差別争議を解決すること
 改正高年齢者雇用安定法に基づいて作られた日本IBMとキンドリルジャパンの再雇用制度である「シニア契約社員」制度は、月給が17万円と低すぎる上に賞与も手当も無く、これではとても生活できません。
 さらに、10月1日から東京都の最低賃金が1072円に改正されましたので、定年後再雇用の月給17万円は労働日数が21日以上ある月では最低 賃金違反になります。
 現在、2人の組合員がシニア契約社員の月給17万円、年収204万円は不当であるとして東京地裁に提訴し争っています。さらに組合が東京都労働委員会にシニア契約社員の賃金交渉における不誠実団交の救済を申し立て争っています。
(2)AI不当労働行為争議を解決すること
 AI(ワトソン)を利用した人事評価・賃金決定に関する組合の情報開示要求に対して、会社が団体交渉に誠実に応じないのは不当労働行為に当たるとして、組合は東京都労働委員会に救済を申立て争っています。

手当に関する要求

(1)本来、業務のための水道光熱費および通信費は会社が負担するべきであり、会社は在宅勤務手当を支払うべきです。
 キンドリルジャパンでは組合要求への回答が前進し、10月1日から開始したフレキシブルワーク制度により1日200円の在宅勤務手当が支給されるようになりました。しかし、組合要求の1ヶ月あたり8千円にはまだ不足しているため、組合の要求どおり1ヶ月あたり8千円を2020年3月に遡及して支払うこと。
 一方、日本IBMは未だに在宅勤務手当を支払っていないので、日本IBMは速やかに在宅勤務手当として1ヶ月あたり8千円を2020年3月に遡及して支払うこと。
(2)会社は、在宅勤務に関して業務上必要なオフィス用品/PC周辺機器、通信環境の新規整備などについて半期単位にて一定額(オフィス用品/PC周辺機器については300USドル相当、新規Wi-Fiについては月に20USドル相当)の補助の制度を提供していると説明しています。
 しかし、上記制度のカタログに掲載されていない物品を購入して自宅の就労環境を整備するための自宅環境整備手当として、一時金50000円を支給すること。
(3)フレックスタイム制勤務対象者の出勤時間は午前8時から10時、終業時間は午後4時30分から6時30分となっています。しかし、これでは通勤時の満員電車を避けることができないので、出勤時間、終業時間の範囲を広げること。

働き方改善の要求

(1)IBMコンサルティング部門(旧GBS部門)では、Think Fridays( 17~ 18時)、夜学、土曜日にIBM-Way Day(3000名程度が参加している)等、スキルアップの時間は業務時間外に設定される場合がほとんどです。このような正式な労働時間の外(夜間や休日など)で実施されているLearningを、全社で正式な労働時間の中で実施させるよう改善すること。
(2)現在の世界の流れに従って、週休2日制への移行時に月曜日から金曜日に付加された36分(元は土曜日の3時間)を削減し、賃下げなしで1日の労働時間を午前9時から午後5時までの7時間、週35時間に短縮すること。これにともない稼働率の上限値を64.9%とすること。
(3)勤務間インターバルの適用については就業規則に規定が無いなど実体がともなっていません。勤務間インターバルについてライン管理職向けの勤務ガイドで周知する(すでに実施中)だけでなく、以下の内容の勤務間インターバルの規定を就業規則に追加すること。
1)深夜勤務時の次の勤務開始までのインターバル(裁量労働制と年俸制勤務者を含む)を最低11時間とすること。
2)1)の結果、次の勤務開始時刻が通常の勤務開始時刻(フレックスタイムの場合はコアタイム開始時刻)よりも遅くなった場合は、その時間は勤務したことにすること。

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勤務間インターバル宣言

 株式会社ワーク・ライフバランスが募集した「勤務間インターバル宣言」に日本IBMは参加しています。
https://work-life-b.co.jp/workinterval
「私達は、勤務と勤務の間に11時間休息を取る、勤務間インターバル制度に賛同します。」

(勤務間インターバル宣言企業一覧からの抜粋)

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