委員長挨拶 2010年日本IBMグループ 新入社員のみなさんへ

2010年4月1日 日本IBMの入社式が本社(箱崎)で開催される。
日本IBM グループは、約130名 (本体80名、グループ会社50名)の新入社員を迎えることになる。

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日本IBMグループ 新入社員のみなさんへ
                       
                            全日本金属情報機器労働組合
                                 日本アイビーエム支部
                             中央執行委員長 橋本 雄二

厳しい就職活動を勝ち抜き日本IBMグループ会社へ入社した皆さん、まずはおめでとうございます。皆さんが数ある会社の中からIBMグループを選択した動機は様々かと思いますが、それぞれが夢と希望に胸を膨らませていることでしょう。仕事と余暇を充実させ、豊かな社会生活を過ごしていただきたいと思います。そして誰一人として落ちこぼれることなく、一日も早く仕事を通じて社会へ貢献できることを心から祈念しています。
全世界のIBMの労働者数は40万を超えていますがIBMは2007年からGIE(Globally Integrated Enterprise)を展開し労働市場のシフトを開始しています。インドなどの低賃金のグロース・マーケットを中心に増加傾向にあるものの、一方高賃金のメジャー・マーケットのアメリカ、日本、EU諸国の労働者はいつもリストラのターゲットにされ、昨年米IBMでは約1万人の人員削減が実施されました。日本IBMも例外ではありません。2008年秋、用意周到に準備された会社ぐるみの苛烈な退職強要に引き続き、今年も低評価社員をターゲットに人員削減が継続されています。
新入社員のみなさんは長く安心して働ける職場を希望しているのではないかと思いますが、昨年入社された何名かの社員は退社に追い込まれたと聞いています。今年はさらに、日本IBMは従来の3ヶ月間の「試用期間」を6ヶ月間に引き延ばし、新入社員に対しプレッシャーをかけ一段と高いハードルを設定してきています。今日目出度く入社されたみなさんも、一年後には失職の憂き目にあう可能性も十分に考えられます。

2008年秋の「リーマン・ショック」以降、完全失業率、有効求人倍率は過去最悪を記録、日本の雇用情勢や労働環境はその厳しさを一段と増してきています。今こそが労働組合の存在価値、存在意義を発揮する時であり、また真価が問われる時でもあります。日本IBM支部労働組合は昨年5月、結成50周年を迎えましたが、労働条件を改善し働きやすい明るい職場をつくり、労働者の権利である生活と雇用を守るため日々努力しています。
想像できないかもしれませんが私たちの職場には多くの問題が山積しています。「パワーハラスメント」「低評価査定」「降格・減給」「サービス残業」「業績改善プログラム」「退職強要」の問題等々・・・。しかし、私たち一人ひとりは弱い人間です。これらの問題は一人では何も解決しません。団結・連帯し、職場の仲間と力を合わせてこそ一つ一つの問題を解決していくことができるようになるのです。皆さんがそのことを自覚し、組合の存在の重要性をよく理解され、一日も早く組合加入を決意されることを願っています。
雇用の流動化が進む中、多くの社員が定年までIBMで働く気概をもって活躍することを期待して、今日の入社式をお祝いいたします。

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