安易な同意署名は厳禁!――退職金制度改訂について

本日、会社は組合との団体交渉において、2010年1月からの退職金制度改訂について通知してきました。概略は以下の通りです。

  • 対象者:キャッシュバランス型(CB=確定給付年金)と、確定拠出型(DC)を組み合わせた退職金制度に加入している方(2005年12月31日までに入社し、誕生日が1953年1月1日以降の方)。
  • 制度の改定内容
    • キャッシュバランス型(CB=確定給付年金)への積み立て拠出を2009年12月までで終了。2010年以降は利息のみ付与。
    • 現在のCB+DCでの拠出率10%を、8%に削減。
    • 定年扱い退職者の退職金のうち「20年保証・終身年金」部分について受給開始を「退職後すぐ」から「60歳」に遅らせる変更。
    • 退職一時金の導入。
      • CB残高の5%を付与(※1)。ただし2013年以降の退職者に限り適用。(※2)
      • (拠出額合計-DC拠出額)がプラスの場合追加で積み立て。利息はCB部分同様、年率2-6%の範囲で、10年もの国債の利率を基準に付与。
    • 定年扱い退職者がCB部分の退職金を全額一時金で受け取る選択をする場合、CB部分+退職一時金の10%を増額付与。(※3)
    • 確定拠出型(DC)への拠出上限額を51,000円に拡大。
    • [現在50歳以上で勤続5年以上の方]については:
      • 2年間は現行制度に据え置き。
      • この期間はDCへの拠出上限額も25,500円となる。
      • またこのため上の(※2)については2015年以降、(※3)については2012年以降の適用となる。
    • 2009年8月末時点の仮想CB残高が300万円に達しない人については、(※1)にかわり一律本給を2%昇給(Reference Salaryの1.4%相当)
      • CB残高の5%を退職一時金として付与することの利益が少ないため、と説明していますが、この部分は個人で意識しない限り退職後の蓄えにはできません。

会社は、

  • この制度改訂に同意いただければ、現在凍結している昇進・昇給についても凍結解除を検討する
  • すでに受給中の方の給付水準を守るためにも今回の制度改訂は必要

と述べていますが、会社が年金資産へ積み上げる金額を減らしたとしても、別のかたちで社員に還元される保証はまったくありません。

会社は一刻も早く法的に必要となる2/3以上の対象従業員の署名を集め、厚生労働省に提出して制度改訂を成立させたいと狙っています。そのために各ライン単位で、あるいは各対象社員に対して説明(会)を実施し、署名を求めてきます。組合としては、回覧形式での署名は受け入れられないので、各個人が別々に(個人単位で)署名ができるように要求していますが、社員の皆さんも

  • 改訂案についてわからない点があれば所属長を通して人事に質問する。
  • 改訂案がよく理解できるまでは安易に同意署名しない。もちろん会社の負担減について反対であれば、改訂案の内容が理解できても同意署名しない。

の二点を徹底していただくようにお願いいたします。特に50歳代の方はこの制度が適用されて、不利益になる前に退職しませんか、などと声をかけられる場合も想定されますので、安易な同意は禁物です。もし、強制的に同意させられるように感じた場合は、すぐにメールフォームにて投稿していただくか、お近くの組合員にご相談ください。組合なんでも相談窓口担当者リストもご参照ください。

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