会社が個人PCを監視?

IBM BCGの驚くべき内容

 毎年、従業員に署名が義務付けられているBCG(Business ConductGuideline)は毎年少しずつ内容が変更されています。今年は以下の文言が追加されました。長くなりますが重要な部分のため以下にそのまま引用します。

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 IBMはいつでも以下のことを行う権利を留保します。(中略)・目的の如何を問わず、合法的な手段により、いついかなる場合でも、電子機器またはシステム(IBM資産かBYOデバイスかにかかわらず、コンピュータ、電話、その他のシステムを含むがこれらに限定されない)内の社員のコミュニケーション(電話による会話や送信、電子メール、テキスト、Slack メッセージやその他のコラボレーションプラットフォームのインスタントメッセージ、またはインターネットアクセスやインターネットの利用のすべてを含む)、記録、ファイル、およびその他のアイテムを、技術的またはその他の手段で検査、監視、傍受、復旧し、検証すること。
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 この中には「これらに限定されない」「すべてを含む」など検査や監視の対象を拡大する修飾語がこれでもかと重ねられています。
 この変更に不審を抱いた組合が検査や監視の対象について会社に書簡で説明を求めたところ、会社からの回答には「業務に使用しない(するべきでない)個人所有のデバイスも検査の対象となります」とあり、個人所有のデバイスやその上でのコミュニケーションが監視対象となることを認めました。
 会社の回答には「合理的な理由なく個人所有のデバイスの検査等は行いません」ともありましたが、BCGの本文にはそのような文言はなく、むしろ「目的の如何を問わず」「いついかなる場合でも」と会社の権利を無限定に認める内容となっています。
 つまりこの条項は会社が従業員のプライベートなインターネット発信や個人所有のPCやスマホを監視対象とできることを広範に認めさせようとする内容となります。これは、たとえ会社のいうように個別の手段が現行法に違反しないものであったとしても、重大なプライバシー侵害であり、会社と従業員の信頼関係を損なうもので、認めることはできません。
 組合はこの条項および他のいくつかの従業員の権利を損なうおそれのある条項については同意しない前提条件のもとでBCGへの署名を行うことを会社に通告しました。

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