賃金決定の主導権を取ろう 団交報告

-Compensation Essentialsから-

 コンペンセーション・エッセンシャルズという研修を受けましたか?これは全世界のIBMの賃金の考え方を解説したものです。英語ですが、基本的な考え方は日本IBMにもすでに適用され、運用されています。非常に重要なメッセージが含まれていますので解説します。

おとなしいと損

 一般的に、賃金決定には3つの原則がなければなりません。客観性・透明性・公平性です。これらが無いと必ず従業員に不満が出るからです。ところが日本IBMの状況はどうでしょうか。ほとんど闇の中で決められ、まったく分かりません。
 しかしこの研修では賃金の透明性についてのIBMの考え方を左上表(組合にて翻訳)のように説明しています。所属長はあなたの仕事の給与レンジを説明し、あなたの給与はそのどこに位置しているのか説明しなければなりません。あなたにはその説明を受け、徹底的に話し合う権利があります。
 おとなしいと損です。今からでも遅くありません。9月の給与調整結果について所属長に面談を申し込み、徹底的に話し合いましょう。

日本は無視

 この研修では賃金交渉にあたって法的に労働組合との合意が必要な国についても明らかにしています。右下図の20ヶ国でIBMは労働組合と合意しています。しかし、日本は無視されています。

 日本の労働基準法では労使間の賃金交渉は労働組合の存在が前提となっているにもかかわらず、日本が入っていません。

会社との協議内容

組合 この研修はどういう位置づけのものなのか。
会社 今回、IBMワールドワイドで改めて報酬体系を理解してもらえるような教材を展開している。中身についてはこれまで説明してきたことと矛盾無いと思っている。
 透明性についても触れられている。この職種のこのバンドならこの線の給与水準であることを各国で明らかにするとあった。
 日本ではまだツールの用意ができていないが、自分の給与の位置はマネジャーに聞けばわかる。これまでも説明してきたが、マネジャーは部下に給与の位置を説明することになっている。
 そのツールは自分で見れるものになるのか。
 マネジャー向けだ。
 従業員のモチベーションを高めるためには、個々の従業員が自分で見れたほうがいいのではないか。
 ご意見としてはぜひ参考にさせていただきたい。
 この研修をきっかけに給与方針が変わる心配はないのか。
 現状が変わるということは無い。
 日本独特の「ボーナス」は大丈夫か。
 日本独自のボーナスや手当などに変化はない。
 労働組合との合意が必要な国が列挙されているが、日本が入っていない。
 日本では合意が必要とは考えていない。

賃金決定の主導権を取ろう

 労働法上、労働組合の組織率が従業員の過半数を上回っていれば、会社は組合との合意が必要になります。
 残念ながら現状では私たち労働組合の組織率は過半数に足りていません。
 そのため、従業員代表選挙が行われ、会社が推薦した人が代表となって労働条件が改悪されてきました。
 会社が一方的に賃金を押し付ける今の状況を脱し、賃金決定の主導権を従業員が取り返すために、過半数組合を作る必要があります。さあ、あなたも労働組合に入りましょう。

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