賃金減額被害の実態

 

賃金減額被害の実態

-意見陳述より-

 4月19日の賃金減額撤回第二次訴訟第一回期日において、原告が行った意見陳述の内容を紹介します。同じような被害を受けた社員が多くおられると思います。我慢しないですぐに組合に加入しましょう。

1. 一気に1999年まで戻った給与水準

 私は(入社当初)、開発製造・情報システム部に所属し、工場オフィスオートメーションから全社にわたるオフィスオートメーション化を推進して来ました。企画から運用までパソコンからメインフレームまで幅広く経験して来ました。2009年までPBC評価は2を下回ることがありませんでした。2010年にPBC 3を付けられて以降2011年、2013年と3回も低評価によって賃金を減額されました。
 (これまでの業務として)数百億円の契約を行なったこともありますが、2004年でも昇給額は1万円、1999年から2010年まで12年間の昇給額は約5万円でした。
 それが2011年には10%減額、マイナス5万円、一気に1999年の給与に戻ってしまいました。現在の給与はあたかも降格になってしまった給与と同等です。会社は利益があるにも関わらず、就業規則を書き換え、何ら下げ幅の根拠説明もないままPBC3はマイナス10%、PBC 4はマイナス15%、PBC 3を連続するとマイナス15%の給与の減額を押し付けました。はじめ私は、他社でも行なっている1年のペナルティかと思っていましたが復活することなく減額は続いたのは驚嘆しました。懲罰でも期間があるのに、IBMの減額は期間が無く、懲罰より重い罰でした。これがハイパフォーマンスカルチャーの正体なのでしょうか。結果が公表されない相対評価はマネージャーの恣意でいかようにでもなります。

2. 情け容赦の無い減額

 減額は3回ありましたので、2010年時点から27%減額されて月収で15万円、年収は20ヶ月相当なので300万円の減額になっていました。あいだに1回の昇給がありましたが5千円です。これが意味することは、1回でも低評価をうけると浮かび上がれないことを示し、社員は大変な不利益を被ることです。私が元の水準になるのは昇給が続いても30年以上かかるのです。このような一方的に不利益を被ることは許せないことです。
 このような中、昨年8月、呼び出され、このままいてもあなたはまた低成績になるので(1)残りたいなら改善しろ、(2)他の部門を探して異動しろ、(3)他社へ自分を売込め、と圧迫面談され、このまま残りたい希望を告げても退職勧奨は数回続きこのままではロックアウト解雇になりますとも言われ、精神的に参ってしまいました。
 一度ターゲットになると生活基盤が崩れることは明らかです。崩した上でさらに重圧を加える方法がまかり通っています。私は、このような被害を体験して賃金減額は退職勧奨の始まり、その先はロックアウト解雇に続く一里塚と強く感じています。

3. 殺伐となった職場

 相対評価による賃金減額は職場環境に大変な不安を与えています。マイナスポイントがつかないよう絶えず周りを見る、上司への顔色をうかがい逆らわないようにする、言われたことを行なう、決めない、責任が及ばないようにはじめから断るなど殺伐とした状況になっています。昼でも黙々と仕事、笑い声の無い疲弊しきった職場が広がっています。
 言いだしっペが調整に走り回ります。しかし周りも助けるだけの余裕も無いため孤立し、辞める人もいます。会社全体がコストカットですので人の補充も無いため残った人で分担、それが負荷になってまた辞めるきっかけを作っていく連鎖は止まりません。今月も友人が仕事の負荷増大と退職割り増し金で辞めるそうです。優秀な人です。
 私は安心して活躍ができる職場環境が必要と切に思います。何の悪いこともしていない人が、突然、評価に伴う賃金減額により生活が破壊されるお手盛り制度は大きな誤りであり、被害を受けた人を早急に回復することが会社と労働者の信頼関係を回復する手段であるにもかかわらず、会社は依然として賃金減額を続けようとしています。私はこのような会社を許すことができず、第二次原告団に加わりました。裁判所におかれましては、会社に鉄槌を下していただきますよう、よろしくお願いします。

 

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