解雇自由化を許すな
自由法曹団主催でシンポジウム

 3月23日、全労連会館にて、自由法曹団主催のシンポジウム「首切り自由を許すな!!退職強要、解雇、雇止め、派遣切りとのたたかい」が開催されました。
 解雇については、IBMの「ロックアウト解雇」が取り上げられ、松木さんがどのように解雇されたかについて、説明しました。
 パネラーは高橋賢司立正大学准教授、今井幸次郎弁護士、生熊茂実JIMU中央執行委員長の三名です。
 第二次安倍政権に於いて「雇用関係」規制の改革が実施されようとしています。安倍政権では、アベノミクスの三本目の矢「成長戦略」において、その「一丁目一番地」は規制改革と位置づけています。「雇用関係」規制改革は6月にまとまる安倍政権の成長戦略の柱となっています。産業競争力会議、経済財政諮問会議、規制改革会議によって、強力な推進をしようとしていますが、そのメンバーは、閣僚、財界人、学者のみであり、労働者、消費者の代表は不在です。


2222号1面自由法曹団シンポ
熱心に聞き入る満場の参加者

 会議の中では、産業競争力会議がもっとも解雇自由化に積極的で、解雇ルールの合理化・明確化を行おうとしています。そこでは、「解雇自由の原則」、「金銭解決を含む解雇の手続き」を労働契約法に明記しようとしています。
 「解雇ルール」では、若手・中堅世代の雇用を増やすためという名目の元、解雇人数分の半数以上を20代から40代の外部から採用することを要件付与することも検討すべき、とされています。
 厚生労働省大臣への提出資料には「民間人材ビジネスを最大限活用したマッチング機能強化」という労働政策が盛り込まれています。
 これらの解雇ルールをIBMに当てはめて考えると、昨年7月から突然始まったロックアウト解雇(解雇自由化)、解雇をする一方で新卒・中途社員を雇用していること(外部からの採用)、転職支援コンサルタント会社が支援しますというオプションをつけて自主退職させようとすること(民間マッチング機能)など、すべてが当てはまります。
 IBMで闘っている「ロックアウト解雇裁判」については、「解雇自由化」を許さない裁判闘争が重要とされています。「国策としてのリストラ」に迎合しがちな裁判官の意識を変える取り組みを行うこと、憲法で保障された労働者の権利の重要性を正面から打ち出すこと、そして「非常なリストラ」が労働者にとっても社会にとっても大きな害悪であることを立証することが求められています。
 生熊氏はIBMのロックアウト解雇を取り上げ、「経営側の弁護士は、就業規則に普通解雇の条文があり、解雇は自由なのですと言います。そして、裁判で解雇無効となっても職場に戻さず、金銭で解決すればいいとまで考えているのではないか」と発言しました。
 IBMの解雇に向けての手法は、安倍政権下での「解雇規制緩和」の動向と軌を一にする解雇攻撃となります。「日本IBMはリストラの毒味役」で、雇用の自由化、解雇の金銭的解決へと向かっています。今後TPPに参加すれば「アメリカンルール」を強要されます。
 この潮流に対して闘うためには、個別裁判だけでなく、広く社会的な運動が必要であり、「賃上げと雇用安定こそデフレ脱却の要」となります。労働者が報われる社会にするために、今後も闘っていく必要があります。
 IBMは、現在「ロックアウト解雇」「退職強要・人権侵害」裁判で闘っています。みなさんのご支援をよろしくお願いします。

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