新組合加入者の声 組合に加入し、団結して闘いましょう

2008年10月から始まった米国IBM主導による指名解雇同然のリストラにより、多くの私たちの仲間が退職に追い込まれ、会社のリストラに加担した上司・経営陣を恨んで退社していきました。しかし、脱法的な「退職勧奨」攻撃に屈せず、会社の方針と闘うために組合に加入した人も多くいます。新規に加入した人の中から、今回、三名の方に組合に加入した経緯を語ってもらいました。

箱崎事業所 Aさん

「P=R-C」 これは誰でも知っている利益を計算するときの式です。Pはプロフィット。Rはレベニュー、つまり売り上げ。Cはコストです。さて、我々の賃金はどこから出ているのでしょうか。話を単純化すれば、答えはC、つまりコストから出ています。会社はPを最大化するように常にレビューを強化していいます。ではPとは何でしょうか。利益。そうです。その利益は最終的に株主に還元されます。日本IBMは米国IBMの百パーセント子会社ですから、利益は最終的に米国本社に還元されます。これを別の言葉で言うと、搾取と言います。ご存知のように、数年前より米国本社は日本法人に対して利益を最大化するオペレーションを強化しています。言葉を変えれば、日本法人に対する搾取を強化する政策を取っているわけです。日本IBMのリストラの特徴は搾取量を確保するためにCを削減するところにあります。会社がどんな状況にあろうが搾取量は確保する。それが本質です。経営陣が一切経営責任を取らないのもうなずけます。社員は設備機械と一緒としか考えていません。そこには会社は社会的な公器という考え方は一切ありません。リストラ以外にもPを増大させることができます。それはCの効率を上げ、剰余価値を増やすことです。一般的なやり方としては、(1)賃金の引き下げ、(2)労働時間の延長、(3)労働強化、(4)労働生産性の増大があります。日本IBMがCを削減する為の施策として、ここ数年給料の伸びはありませんし、ボーナスも複雑な公式を使って分からなくしています。裁量労働制が導入され、際限の無い労働時間を強いられている人が増えています。私たち社員は定石通りのやり方で搾取を強化されていることに気がつきます。今こそ社員が団結して戦う時が来ています。一人ひとりの力は弱くても団結の力によって会社のやり方を変えさせることができるのです。労働組合は法によって守られながら会社と闘うことが可能です。一人でも多くの方が参加されることを願っています。

箱崎事業所 木村さん

決意した11月17日付けで組合に加入しました。突然の退職勧奨に対して一人で対抗することの限界を感じたからです。私の身に生じたことを時系列的に書きます。10月28日:K担当による第一回目の退職勧奨(文字通り肩たたき)。会社の業績が悪い、貴方は会社への貢献度が低い、特別早期退職プログラムがあるのでこの際考えてはどうか、等。きっぱりと断る。11月6日:K担当から、印刷物一枚を手渡される。12月31日付けと来年1月31日付けの場合の退職一時金と年金月額、および割増金の記載あり。六十歳で通常定年退職した場合の金額も紙物で出すよう要求。11月13日午前:M事業部長(理事)から、話がしたいと言われる。「退職の話ならお断りしたはず」と言うと、「宿題の件もあるから・・」と言う。会議室に連れて行かれる。W理事が既に部屋で待っており、W、M両理事と二対一。ここでも「六十の定年まで働く。今は退職する気はまったくない。」と断る。午後になってW理事から「今のままではPBCは3だ。規定により賞与/定期棒の減額措置。更に改善が見られない場合は降格、職務変更、解雇も有り得る。」のメール。翌14日朝:K担当に抗議する。また別室に連れて行かれ、三度目の勧奨。結局六十歳での定年退職の場合の金額は示されないまま。14日昼に組合に相談、午後は主治医にも相談。17日:組合に加入。12月3日:組合の記者会見に参列し、退職勧奨(もう既に強要になっている)の実態を語る。3日夜:W理事から「N執行役員との面談を4日に行う。」と連絡あり。断りのメールを返す。4日:会見の様子がマスコミで報道される。この日昼前、W理事から「断ると解雇もありうる。」のメールが来る。面談の一時間前にK担当から「面談は取り止めになった。」と連絡あり。マスコミの報道を知って慌てて取り止めたことは明らか。何故、解雇もあり得る、とまで強く迫りながら掌返すように止めたか?違法行為であることを認識していたからに他ならない。確信犯である。許されざる不当労働行為だ。徹底的に追及する。闘う組合、日本アイ・ビー・エム労働組合で、定年までの一年半を闘い抜く覚悟です。

Nさん

昨年末に加入しました。たまたま私は被害に会わなかったものの、職場で行われていた退職強要の話を聞き、かいなを読んで驚いたのがきっかけです。私が、業績が良かった古き良き時代の日本アイビーエムに入社してから二十年以上たちます。ここへきて今更、憲法で保障された権利である労働組合の存在の必要性を認識しなおし、会社で働くということについての考え方を変えることにしたのです。実際に退職強要を受けなかった人にとっても様々な形で影響があり、職場環境が悪化した事は事実です。次は自分に声がかかるかもしれません。組合に入ってから今回会社がいかに暴力に等しい退職強要を行ったか様々な実態を知ることとなりました。会社の横暴のために心身ともに追い詰められている人たちを支援するために、労働者として当たり前の組合活動をするべきだと感じました。この機会に、今まで勉強したことがなかった、どのような場合に企業が従業員を解雇することができるのか、色々学んでみました。難しくも複雑でもない内容ですし、管理職であればなおさら当然常識として知っておく必要がある内容です。しかし、今回実際に行われた退職強要と嫌がらせの実態を聞いてみると、ラインマネージャー達がいかに日本の基本的な法律と判例を知らずに上からの指示に従い、無自覚な行動でアメリカ人エグゼクティブのいいなりになって加害者となったか、が明確にわかります。各人の罪の意識を小さくするために退職強要のシナリオ・やり方は事細かに指示され(ロールプレイも含め)、そのとおりにまじめに実行したライン達は無知で罪深いと思います。コンプライアンスを重視している会社だったはずなのに、彼らは労働法の基本すら知らないようです。かいなを読んでいる皆さん、数字を押し付けられ違法な退職強要までやらされるようなライン管理職になることをあなたは望みますか? それより、組合員になりませんか? この危機的な経済状況の中で自分たちの雇用を守るには労働組合に入るべきです。日本の社会・法律を知って新たに大きな世界に足を踏み入れることができます。労働組合は、同業種だけでなく様々な業種の組織と繋がっており、文字通り労働者の団結・連帯の世界があります。アイ・ビー・エムの組合は皆さんをお待ちしています。

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