新たな降格施策に待った 前年PBC2の人にも

業績改善プログラムを用いた降格の新しい動きがありますので事例を交えて紹介します。

退職強要から業績改善プログラムへ

Aさんは、最近所属長、上長から続けざまに呼び出され、業績について様々な難癖をつけられたれた挙句「戦力外通告」なる言葉で退職を強要され、当人がこれを断ると、業績改善の話を持ち出されたそうです。
退職強要して応じればそれでよし、応じなければ「業績改善プログラム」を行い結果として目標(ハードルが高い)を未達成として降格を強要する、というのはここのところよく見られるパターンです。組合ではこのような(育成もせずに降格ありきのやり方)問題について相談を受けた場合、極力阻止していますが、機敏に対応しなければ「間に合わない」ことがあります。

PBC評価2も対象?

さて、Aさんのケースは、このような従来の流れに加えて、新たな特徴が見られました。
第一は対象範囲、第二は管理フォームの変化です。
Aさんの前年度PBC評価は2でした。業務に期待される評価として平均的・堅実な実績であって、特に「改善を要する」とはこれまでみなされなかったものです。(従来業績改善プログラムの対象とされてきたのは直近の評価が3もしくは4のケース)今後評価2に対しても大々的に業績改善を展開しようというのでしょうか。

降格ありきのフォーム

業績改善管理フォームを見ると、これまでと様式が変化していることがわかります。
「上記改善計画が達成されなかった場合の対応の可能性(職掌変更、職位・所属変更、降格など)」という欄が新設されています。他の「最近3年間のPBC評価」や「過去の業績改善進捗管理の実施状況」が3回分書けるように欄が新設されました。このようなことから、繰り返し業績改善の目標を与えてはその達成状況の一部を取り上げて「未達」とし、繰り返し社員を追い詰めていく用意ができていることが見て取れます。
会社との団交の中で人事担当者は業績改善フォームが降格等を実施する際の「エビデンス」であることを再三公言しています。

組合結集で打破を

このようなものを持ち出されてひとりで対抗するのは大変なことです。理不尽なことに抵抗する意思を持ち、組合に結集するならば、このような攻撃をはねのける展望が開けます。

協調できる職場環境の実現を

折りしもウェブでは、坪田人事担当取締役発「なりたい自分を思い描く1ヶ月」というキャリアプランのよびかけ記事が掲載されています。
今回発端となった業績改善プログラムの内容もそのようなプログラムの中で、あるいは通常業務の一環として実施すればすむ話です。当人を萎縮させるような重圧下でやって効果の上がることではありません。
このような職場の雰囲気を変える必要があります。いまIBMの価値観が叱咤激励で語られても、社員尊重の文脈で語られる場面はありません。

今、世の中では、無権利状態に置かれた人たちの間で、組合が見直されています。IBMでは50年もの間、組合を維持してきました。利益優先のあまり、働くものがないがしろにされている今日、ぜひ法律でみとめられた組合という機能を活用してもらえればと切に思っています。できたら一緒になって、みんなで協調してがんばれるような職場環境の実現へ一歩を進めましょう。

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