日本IBMジョブ型リストラ コロナ便乗止めよ

 日本IBMが「パフォーマンスマネジメントの一環」などと称して「あなたの仕事は無くなる」「あなたの働きぶりに問題がある」などの理由をつけ、「今後のキャリアをどうするのか」という面談を繰り返し、社外のキャリアへと誘導する事実上の退職勧奨を行っている問題について、組合は2020年12月28日に厚労省内で記者会見を行いました。
 JMITU中央本部の三木委員長は「多くの中小企業が雇用を維持しようと努力しているのに、大企業がコロナに乗じてリストラをするのは許されない。日本経済の立て直しのためには雇用を守ることが重要だ」と強調しました。

ジョブ型評価の悪用

 コロナ過による緊急事態宣言でテレワークを推進する企業が増えています。ところが、テレワークでは従業員の働きぶりが目に見えなくなるため、査定評価方法の一環として多くの企業で「ジョブ型」評価制度の導入が進んでいます。
 「ジョブ型」とは当該従業員の担当する仕事、すなわちジョブ記述を定め、成果を測りやすくした上で結果を評価しようとするものです。ところが、ジョブ記述を決めて評価するため、結果として仕事が個人個人で固定化されるようになります。
 日本IBMはこの個人のジョブが固定化される仕組みを悪用しています。会社の都合で組織構造を変え、仕事を改廃する際、本来は経営責任である配置転換や再教育を、従業員個人の自己責任にすり替え、あたかも自己責任であるかのように「あなたの仕事は無くなる。今後のキャリアをどうするのか」などと面談を繰り返し、社外のキャリアを選択するように誘導しています。
 組合は2020年末の日本IBMの人員削減数は400人に上ると推定しています。会社はこの「パフォーマンスマネジメント」は2021年に入っても続くと団体交渉で述べていますが、本当は人員削減なのであればその理由と削減回避努力内容や、目標人数、人員選定の客観的な基準などを誠実に従業員に説明するべきです。

違法性の問題

 日本IBMではテレワークの拡大により勤務時間管理がルーズになり、事実上の24時間365日労働が広がっています。ジョブ型評価制度の結果、そうしないと評価が悪くなってしまうからです。
 その上、本来は経営責任である「仕事を命じる」「配置転換をする」「再教育をする」ということが自己責任にすり替えられ、本当は人員削減なのに、自己責任としてキャリアを考えさせされ、何度もリモート面談を受けさせられるのはハラスメントに直結する問題になります。

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