組合要求が次々実現

TSS部門の緊急呼出当番手当も

 組合が団体交渉や法廷闘争、社会運動等でねばり強く要求を掲げ活動してきた結果、2020年の成果として次々と要求が実現しています。ここに一部ではありますがその成果をご紹介します。
 例えば、TSS部門で長年問題になっていた緊急呼び出し当番に対する手当の問題です。深夜・早朝にかなりの頻度で当番を強いられ、24時間の連続勤務が当然のように行われ、手当の新設が強い要求となっていました。

「待機手当」の新設

 お客様への「緊急コール」そのものには手当が設定されている一方、当番制が強いられてきた待ち時間については、会社はその時間を(実際には制約があるにもかかわらず)「自由時間」だとして手当を支払ってきませんでした。組合は、緊急呼び出し当番手当を新設し、手当を支払うことを2017年から要求してきました。
 そして、2021年1月1日付で改定された就業規則、正社員給与規程・第29条の2にて、ついに「待機手当」が新設され、当番1回につき2000円の手当を支払うことが盛り込まれました。(上図は申請画面)
 ただし、手当額としてはまだまだ低いため、今後は待機手当額の増額が課題となります。

MCCの運用開始

 緊急呼び出し当番の負担軽減も図られています。2020年3月21日よりマルチ・ベンダー・コンペンテンシー・センター(MCC)が正式運用を開始し、6月17日からは24時間運用が始まりました。MCCとはリモートサポート組織を統合した新部門で、現場のCEの代わりに問題判別や部品手配、アポイントなどを行う組織です。
 これまで24時間/365日の保守サービスにおいて、3交代制で対応していたのは障害受付センターと部品センターだけでした。一方で、現場のCEは日常業務の傍ら、早朝・深夜の緊急電話や障害対応の仕事を交代制ではなく連続勤務で対応してきたのが実態です。
 組合は団体交渉の場で、「現場のCEは24時間交代制ではなく当番制度を強いられており、これは会社として問題がある」と指摘してきました。今回のMCC発足により、実際にCEが緊急電話を受けたり出動する機会が大幅に少なくなりました。CEの当番制度自体は継続していますが、緊急呼び出しに対するテレフォンアシストはMCCで処理されるため、実際のCEに対する呼び出し回数が大幅に減り労働環境が改善しました。

サービス残業強要は懲戒

 TSS部門では、2時間以内は残業を付けさせない、月の残業時間を20数時間以内に抑えるという悪習が残っています。今でさえ正確な時間で残業申請すると難癖をつけ、承認されないまま放置するなど、不払い残業の問題が頻発しています。
 昨年の秋闘要求に関する団体交渉の場において、会社は「サービス残業を強要したらマネジャーは懲戒」との厳しい姿勢を示しました。今後はTSS部門内での徹底が必要です。

社用車運転は業務時間

 CEが社用車を運転して部品や工具等を運搬し、お客様先でサービスを終えた後の帰路での運転時間について、これまで部門内では「勤務時間ではない」と違法なガイドがされてきました。組合は社用車の運転時間を業務時間とするよう要求し、会社は勤務時間として扱うと回答しました。

出産・養育時休暇20日に

 1月1日付就業規則の改定では他にも組合要求が実現しています。正社員就業規則・第28条(特別有給休暇)が改定され、養育時の特別休暇が追加され、20日取得できるようになりました。
 改定前は配偶者の出産のとき3労働日でしたが、改定後は配偶者の出産時または1歳に満たない子を養育するとき20労働日が付与されます。

看護・介護休暇が時間で

 組合が取り組んできた社会運動の成果として育児・介護休業法が改正され、育児や介護を行う労働者が子供の看護休暇や介護休暇を柔軟に、時間単位で取得できるよう法律が改正されました。労働者からの申し出に応じ、労働者の希望する時間数で取得できます。
 これを受け育児・介護休業規程第5条(家族の看護休暇)と、6条(介護休暇)が改定され、家族の看護休暇は、1年につき5労働日に限り、「時間単位」で取得ができるようになりました。
 介護休暇は、1年につき対象親族が1人の場合には5労働日、対象親族が2人以上の場合には10労働日に限り、時間単位で取得することができるようになりました。

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