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相談窓口

IBM・キンドリル ついに最賃法違反

従業員軽視ここに極まる

 日本IBMとキンドリルジャパンの定年後再雇用制度となる「シニア契約社員」は月給17万円のみ。賞与も家族手当も住宅手当等、一切の手当はありません。
 一方、東京都の最低賃金は時給1041円です。これをシニア契約社員の1ヶ月の労働時間に当てはめてみましょう。就業時間は1日7.6時間です。この3月は労働日数22日ありますので、22日X7.6時間X1041円を計算すると、17万4千55円になります。つまり、3月の月給は最低賃金で計算した場合にくらべて4千55円不足することになります。これは最低賃金に満たない金額ということになり、最低賃金法違反になります。
 最低賃金制度によれば、会社が最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。さらに、会社が地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
 組合はこれまで再三にわたって、この3月には東京都の最低賃金を下回ることを会社に警告し、給与引き上げを要求してきました。そもそもシニア契約社員は単年度契約なので、今年1月の契約更新の時点で契約給与を引き上げる必要がありましたが、会社はこれを怠り、漫然と同じ契約内容を押し付けていました。
 会社はついに最賃法違反を犯しました。外資系と言えど日本社会の一員です。このようなCSR(社会的責任)を軽視する経営姿勢は直ちに改められるべきです。

【訂正記事】

 かいな第2402号(2022年3月22日発行)2面記事「IBM・キンドリルついに最賃法違反従業員軽視ここに極まる」において、2022年3月は、日本IBMとキンドリルジャパンのシニア契約社員の月給17万円を労働日数22日の労働時間(=7.6時間×22日=167.2時間)で割った時間額が、東京都の最低賃金1041円を下回るため、最低賃金法違反になる、という内容を報道しました。
 しかし、月給制の場合には、月給を年間労働時間の月平均で割った時間額が最低賃金以上であれば違反ではない、という法解釈(厚生労働省見解)が出されています。従って、上記の記事内容は、契約期間が1年の月給制である両社のシニア契約社員には該当しません。最低賃金法違反という報道は訂正させて頂きます。
 シニア契約社員の月給については、キンドリルジャパンは2023年1月から19万円に是正しましたが、日本IBMはいまだにまったく是正していません。いずれにしても両社のシニア契約社員の賃金は業務の内容に照らして低すぎる賃金であり、生活できるレベルではないため、引き続き是正を要求していきます。
 尚、上記の法解釈(厚生労働省見解)については、組合は、月給制であっても一月でも地域別最低賃金を下回れば最低賃金法違反とすべきであると考えます。

(かいな2420号[2023年2月20日発行]2面に掲載)

23春闘 物価高騰を上回る賃上げを実施せよ

 今こそ組合に加入し交渉を

 日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員の皆さん、23春闘アンケートへのご協力、誠にありがとうございました。頂いたご意見では、物価高騰と賃金・生活に関する切実な声と、足りない1回分の賃上げ(2020年から2022年の3年間に2回)に関する怒りの声を多く頂きました。
 23春闘では、なんとしても、物価高騰を上回る大幅賃上げをストライキを構えた交渉で勝ち取リ、くらしを守らなければなりません。
 従業員の皆さん、今こそ組合に加入し、賃上げ交渉に参加しましょう。組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。必要事項を記入し組合メールアドレスに送付して下さい。
 では、春闘アンケートに頂いたご意見を以下に紹介します。

物価高騰と賃金・生活について

・物価上昇分に給与が負けている。(40代)
・賃上げがゼロだったのでこの物価高で結果的に生活が苦しい。( 50代)
・定期昇給が廃止された2006年以降の低水準の賃上げを補える、かつこの1年の諸物価高騰を十分に補える水準の賃上げとボーナス支給を要求する。( 50代)
・電気・ガス料金を含む物価高騰による手当を支給してほしい。( 50代)
・在宅勤務手当、インフレ手当、どちらも出ないのは、おかしい。(IBM40代)
・キャリア採用で入社し勤続6年目にもかかわらず、未だに新卒1年目の本給より、本給が安い。(30代)

足りない1回分の賃上げについて

・会社が簡単に就業規則を破ることはあり得ない。それも労働者にとって一番大切な賃金のところである。(50代)
・昨今の物価高騰を鑑み、回数・額とも当該規模の会社ではあり得ない。(中小のブラック・カンパニーの水準)( 50代)
・赤字でもないのに就業規則に違反して賃上げを1回実施していない。社員が就業規則違反をすれば懲戒・減給などあらゆる罰を科してくるのに、あまりにも理不尽な仕打ちだ。( 50代)
・従業員にコンプライアンスを強く求めながら、会社自身は就業規則を破って平然としているのは納得できない。従業員にコンプライアンスを求めるのであれば、会社自身も自らを厳しく律するべきである。(60才以上)

在宅勤務手当について

・(日本IBM)在宅期間中の光熱費、上下水道代、通信費等何の補償もしてもらっていない。( 50代)
・(キンドリルジャパン)在宅勤務手当は1日200円では足りない。(50代)

定年後の労働条件について

・65歳まで安心して働ける様になってほしい。( 50代)
・定年後の再雇用制度の先行きがまったく見通せない。将来設計ができない。( 50代)
・定年後も年収上昇が見込めるか。(50代)
・能力のあるシニア契約社員に軽便な仕事しかさせないハラスメントが横行している。( 60才以上)

雇用について

・会社は若い人や仕事ができる人はどんどんIBMから転職している。不明確な成果主義で不明確な昇給制度だとIBMから離れていく。( 50代)
・キンドリルのグローバルの決算はずっと赤字であり、株価は低迷している。人員削減が行われる懸念がある。( 50代)

人事評価・人事施策について

・(日本IBM)障害者登録した時点でPIPにされた。( 50代)
・日本は英語ができる能力不足の人が昇進し英語が不得意な優秀な人が虐げられている。人事評価を見直すべき。( 40代)
・会社は社内業務よりお金を稼ぐ仕事を評価している。社内業務も正当に評価してほしい。( 50代)

 

「春闘闘争宣言行動」「国民春闘総決起集会」

 賃金あげろ!物価高騰から生活を守れ

 23春闘の行動が本格化しています。
 1月12日昼、国民春闘共闘・全労連・東京春闘共闘・千代田春闘共闘は、東京都内で「23春闘闘争宣言行動」として、厚生労働省前行動、丸の内デモ、経団連包囲行動(左写真)を行いました。
 また1月24日の夜、国民春闘共闘委員会と東京春闘共闘会議は、中野ゼロホールで「23国民春闘総決起集会」を開催しました。

経団連包囲行動10%の賃上げを

 1月12日昼、厚労省前行動と丸の内デモを行った後の経団連包囲行動には「賃金を上げろ!物価高騰から生活を守れ」と横断幕やプラカード、のぼりを掲げ500人が参加しました。
 経団連前で主催者あいさつに立った国民春闘共闘の小畑雅子代表幹事(全労連議長)は、コロナ禍、物価高騰のもとでも大企業は内部留保を着実に増やし続け505兆円になったことを指摘。「賃上げができないのではない。労働者に正当な分配がされていない」と述べました。さらに「長引くコロナ禍、それに追い打ちをかける物価高騰のもとで大幅賃上げ・底上げは私たち働く者にとって待ったなしの課題だ。10%以上・月額で3万円以上の賃上げを求めて労働組合の交渉力と団結力で春闘をたたかい抜いこう」と呼びかけました。
 続いて、産別の代表者が春闘をたたかう決意を表明し、JMITUの鈴木透副委員長は「今春闘は、40年ぶりの物価高騰の中で賃金をなんとしても上げる必要がある。そのため定昇と物価高騰分に加え、実質賃金を下降から上昇に変えるために大幅賃上げが必要だ。JMITUの春闘方針において、納得のいく回答を引き出すまで絶対に妥協しない構え、ストライキを軸とした行動でたたかうことを提起している」と述べました。最後にシュプレヒコールあげ行動を終了しました。

23国民春闘総決起集会ストライキでたたかおう

 1月24日夜、国民春闘共闘委員会と東京春闘共闘会議は、「たたかう労働組合のバージョンアップ」「低賃金と物価高騰から生活をまもる大幅賃上げ・底上げを」「軍拡・増税でなく社会保障の拡充を」をスローガンに掲げ、23国民春闘総決起集会(右写真)を開催しました。会場の中野ゼロホールには600人を超える参加者が集まりました。
 主催者あいさつに立った東京春闘共闘会議の矢吹義則代表は「いま政府がやるべきことは、実質賃金が低下し続けている労働者の賃金を引き上げるためのその方策を作ること。物価高騰から暮らしを守り経済を立て直すこと、が喫緊の課題である」と指摘。実質賃金を上昇に転じさせるため「たたかう労働組合の出番だ。ストライキを構え賃上げ交渉をしていくことが大切だ」と述べました 。
 続く基調報告で国民春闘の黒澤幸一事務局長は「最大の交渉力であるストライキを構えて春闘をたたかおう」と訴えました。続いて産別・職場の代表者による熱のこもった春闘の決意表明、集会アピール読み上げ・採択、行動提起が行われました。
 最後に閉会のあいさつで全労連の小畑雅子議長は「たたかう労働組合を進化させよう」と呼びかけ集会は終了しました。

23春闘では組合に加入し、大幅賃上げを実現しよう

 2023年の年頭にあたり、よき新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 JMITU日本IBM支部(以下、組合)は昨年秋からすでに23春闘の準備を始め、新年を迎えて23春闘の準備を本格化させています。物価高騰が収まる様子が一向に見えないなか、言うまでもなく、23春闘は例年にない非常に重要な春闘です。23春闘では物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げをなんとしても実現しなければなりません。
 日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員の皆さん、23春闘ではぜひ組合に加入していっしょに大幅賃上げを実現しましょう。一人でも多くのより大きな声が組合の力となるのです。

23春闘を取り巻く情勢

 新型コロナ感染がもたらした、生産減による物価上昇、人手不足・輸送力不足による物流運賃の上昇という状況があり、そこへロシアによるウクライナ戦争の長期化、異常な円安が重なり、電力・ガスや食料品、様々な生活必需品の値上げが続いています。
 昨年10月の消費者物価指数は前年同月比3.6%上昇、上昇幅は消費増税時を上回り、1982年2月(3.6%)以来40年8カ月ぶりの上昇となっています。電力やガスなどのエネルギー価格は、1980年以来の上昇となっています。円相場が1ドル=140円台後半になったのも32年ぶりの円安水準です。1世帯当たりの負担増は年間13.1万円となります。40年前のオイルショック時や31年前のバブル経済の時は物価が高騰しましたが、それ以上に賃金も上がっていました。今は賃金が上がらず、物価だけが上がっていく異常な状況となっています。

政府・財界頼みではだめ、組合に加入しよう

 岸田首相は1月4日の年頭記者会見で「今年の春闘について、連合は5パーセント程度の賃上げを求めています。是非、インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたいと思います」と述べました。
 一方、経団連の十倉会長は1月5日の経済3団体の新年祝賀会後の共同会見で「物価高に負けない賃上げを会員企業にお願いしている。これはもう企業の責務」だと語り、さらに、今回は物価上昇にともない賃金を引き上げる動きが久しぶりに見えているとし、「基本給の引き上げ(ベースアップ)を中心とした賃上げを企業に働きかけていく」との意向を示しました。
 政府・財界はインフレ率を超える賃上げの必要性を認めている点では一致しています。しかし、岸田内閣の経済政策の中身は、①「ジョブ型雇用」移行の指針づくりなど財界と一体となった成果主義賃金の推進、②転職・副業の受け入れ企業への財政支援、③解雇規制の緩和(無効解雇の金銭解決)などというものです。これでは賃上げどころか、雇用とくらしは破壊されてしまいます。
 岸田首相は同じ会見で「そして、この賃上げを持続可能なものとするため、意欲ある個人に着目したリスキリングによる能力向上支援、職務に応じてスキルが正当に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給の確立、GXやDX(デジタル・トランスフォーメーション)、スタートアップなどの成長分野への雇用の円滑な移動を三位一体で進め、構造的な賃上げを実現します。」と述べています。職務給と一体であるジョブ型雇用は仕事がなくなった時の退職勧奨とセット、リスキリングは退職勧奨・転職とセットにされ、無効解雇の金銭解決は解雇自由につながります。解雇自由、退職勧奨の自由を職場に持ち込ませてはなりません。
 従って、このような経済政策を推進しようとしている政府・財界頼みでは賃上げは実現しないのです。自身も企業であるマスコミは、利害関係から賃上げに関する報道で企業・政府への忖度があり得ます。企業にも政府にもはっきりと賃上げを訴え実現できるのは労働組合だけです。従業員の皆さん、ぜひ組合に加入していっしょに大幅賃上げを実現しましょう。

春闘の役割と産業別統一闘争の重要性

いっしょに行動し賃金を上げよう

 物価高騰は、食料品をはじめ、電気・ガスや燃料代など生活必需品の値上げが相次ぎ、40年前のオイルショックに迫る勢いです。オイルショック時は、物価が高騰しましたが、それ以上に賃金が上がっていました。物価高騰が続く中、くらしを守るための大幅賃上げは労働組合が実現すべき必須課題です。今年の春闘では、大幅賃上げの実現を目指し取り組みます。

賃金を上げるために

 海外ではコロナ禍、物価上昇のもとでも賃金が上がっています。労働組合に加入する人が増えて、「賃金を上げて」と声を上げ行動しているからです。
 日本の労働者も賃金や労働条件について会社と対等に交渉すること(団体交渉権)や、ストライキをすること(団体行動権)が憲法で保障されています。従業員のみなさんが組合で声を上げ、行動を起こせば、賃金は上げられます。
 次に、春闘が果たしてきた役割や産業別統一闘争の重要性について、JMITUの春闘パンフから紹介します。

春闘が目指したこと

 春闘は1955年、金属や化学など8つの産業別労働組合が話し合い、はじまりました。その後、60?70年代にかけて、全国的な闘いへと大きく発展しました。労働組合が春闘でめざしたのは次の2つです。
 第一は、それまでばらばらだった賃金交渉を全国の労働組合が春の時期に一緒に闘うという統一闘争を組むことです。
 第二は、「賃金の生計費原則」を前面にかかげ、企業業績や規模にかかわらず、すべての仲間の賃上げをめざすことです。

春闘が果たしてきた役割

 半世紀にわたる春闘によって、労働者・国民のくらしや職場は大きく改善しました。春闘が前進するなかで、「春になると賃金があがる」というルールがつくりあげられました。労働組合は、春闘をつうじて、すべての仲間に人間らしく生活する権利があり、経営者には労働者のくらしをまもる責任があることを明らかにしたのです。
 春闘は、労働組合が勝ちとった賃上げを地域の賃金相場に反映させることによって、労働組合のない職場の仲間のくらしをまもる役割を果たしてきました。また、中小企業での賃上げが全国で実現したときは、それを背景に下請単価も上がるなど中小企業の地位と発言力も高まりました。さらに、「国民春闘」をかかげ、最低賃金制度や年金・医療など社会保障制度を改善させてきました。

春闘解体の攻撃のなかで

 90年代以降、春闘解体の攻撃が強まるなかで賃金の生計費原則が否定され、「賃金は成果や業績で決まるという考え方が押しつけられています。それは、私たちが春闘をつうじて勝ちとってきた憲法25条の「生存権保障」(人間らしく生活する権利)や28条の「労働基本権」(賃金・労働条件は労働組合との協議をつうじて決定されるべき権利)の理念を真っ向から否定するものです。

産業別統一ストの重要性

 どんなに立派な工場や機械があっても、労働者が働かなければ、企業活動は停まり、企業は利益をあげることができません。ストライキは労働者の最も基本的な闘い方です。労働組合はストライキを背景にして初めて使用者と対等に交渉することができ、要求への切実な思いを経営者と職場内外にアピールすることができます。
 経営者は自分の企業だけ労働条件を上げれば競争に負けると考えます。産業別統一闘争、なかでも産業別統一ストライキで多くの企業でいっせいに労働条件を引き上げることを求めることで、各企業が同じ土俵で競争が行えるようなり、経営者の労働条件引き上げへの抵抗が弱まります。産業別統一ストライキ、全国一斉ストライキが要求実現への大きな力を発揮する理由はここにあります。
 とりわけ回答指定日に要求に応える誠実な回答を引き出すうえで、回答指定日翌日の統一ストライキは極めて重要な意義をもちます。
 当労働組合が所属するJMITUの統一スト(リレースト)は、ひとつの職場のストにも地域の仲間が激励にかけつけることで少数支部でも孤立せず、職場と経営者に組合の団結力をアピールすることができます。こうした産別の力を発揮する工夫と準備を行うことがストライキの効果をさらに大きくすることができるのです。

組合に加入しよう

 組合に加入して賃金を上げましょう。組合員が増えれば、賃上げ、労働条件改善を実現する力となります。さらに雇用をまもり、労働条件の不利益変更を抑止する力ともなります。

 

従業員代表選挙

組合推薦候補へのご支持ありがとうございました

 今年の従業員代表選挙は、日本IBMグループでは11月22日に、キンドリルジャパン・グループでは11月28日に投票が締め切られ、組合推薦候補は左表の通り、日本IBM本社第4ブロックで12月1日の再選挙の結果、当選させて頂くことができました。ありがとうございました。
 また今回の選挙では、当選できなかった組合推薦候補も相手候補に対して善戦したことがわかります。つまり、上表の対有権者数得票率が2%~6%ほど高ければ再選挙で当選していた可能性があるからです。当選まであと一歩というところまで押し上げて頂きました。
 改めまして従業員の皆様の組合推薦候補へのご支持に御礼申し上げます。

日本IBM本社従業員代表互選問題

 12月2日に行われた日本IBM本社従業員代表を選出する互選において不適切事案が発生しましたので、以下に紹介させて頂きます。
 互選は、オンライン会議で開催され、日本IBM本社第1~第5ブロックのブロック代表6名と、司会者1名(別会社の総務の人)が参加しました。
 立候補者の受付では、組合推薦の第4ブロック代表の吉野さんと、第5ブロック代表の2名が立候補しました。
 続く立候補理由の説明で、吉野さんが(ブロック代表選挙用の)立候補趣意書を元に立候補理由を説明したところ、「組合の人になってもらったら困る」という、吉野さんにとっては妨害行為となる不適切発言がありました。そして投票では、吉野さん以外は全員第5ブロック代表に投票し、結果は第5ブロック代表4.5票、吉野さん0.5票で、第5ブロック代表が従業員代表に決定しました。
この発言があった時、司会者は注意をせず、そのまま互選を進行しましたが、果たして、このような不適切発言に続いて行われた投票の結果が有効なのでしょうか。この発言が無ければ投票結果は変わっていたかもしれないのです。
 誰がこの不適切発言をしたかは現在不明ですが、発言者は司会者ではない、第5ブロック代表ではない、男性である、ということまでわかっています。

不正行為の情報提供を

 今回の日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員代表選挙で、ラインマネジャーからの立候補依頼、特定候補者への投票依頼などにあわれた従業員の方は、是非、組合トップページ(JMITU IBMで検索) の上部にある「従業員代表選挙不正行為通報」ボタンを押して、情報をご提供下さい。

組合推薦候補へのご支持を

 組合推薦候補は、労使対等原則(労働基準法第二条第一項)の立場に立ち、従業員代表に選ばれれば、労働条件の維持はもちろん向上を図ります。会社提示の制度変更提案には改善を求めます。
今後とも従業員代表選挙では、組合推薦候補を是非ご支持下さい。

23春闘討論集会・組織建設全国会議

物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げを

 

 11月26日・27日の2日間、「国民総ぐるみの春闘で大幅賃上げを実現し、物価高騰による暮らしの危機を跳ね返そう!」をスローガンに、JMITUの23春闘討論集会・第7回組織建設全国会議が静岡県熱海市で開催され、現地およびオンラインで全国から約100名が参加しました。
 春闘討論集会では、参加者がJMITUの23春闘の指針である「23春闘パンフ」を読み合わせた後、JMITU三木委員長から23春闘をとりまく情勢の説明と、春闘方針案の提起がありました。春闘方針案としては、生計費原則に基づき大幅賃上げを要求すること、産業別統一闘争と組織の拡大強化で要求を実現することなどを確認しました。

23春闘をとりまく情勢

 三木委員長は23春闘をとりまく情勢を次のように説明しました。
 新型コロナ感染の出口がまだ見えない状況にあって、コロナによる生産減、人手不足による物流の混乱、ロシアによるウクライナ戦争の長期化、異常な円安が重なり、電気・ガスや食料品、様々な生活必需品の値上げが続いています。10月の消費者物価指数は前年同月比3.6%上昇、上昇幅は消費増税時を上回り、1982年2月(3.6%)以来40年8カ月ぶりの上昇となっています。電力やガスなどのエネルギー価格では、1980年以来の上昇となっています。円相場が1ドル=140円代後半になったのも32年ぶりの円安水準です。1世帯当たりの負担増は年間13.1万円となります。40年前のオイルショック時や31年前のバブル経済の時は物価が高騰しましたが、それ以上に賃金も上がっていました。今は賃金が上がらず、物価だけが上がっていく異常な状況となっています。

賃上げは実現できる

 23春闘パンフの「第二章賃上げは実現できる」から一部を以下に紹介します。
 * * * * *
 23春闘は、なんとしても大幅賃上げを勝ち取らなければならないし、がんばれば必ず要求は実現できます。要求実現の条件は以下のとおりです。
・異常な物価高騰のもと、職場にも地域にも大幅賃上げを求める切実な期待が充満していることです。こうした職場・地域の思いに依拠してたたかえば、大幅賃上げをはじめとする要求を実現する大きな力となります。
・商店街や地域経済を活性化するためにも大幅賃上げが求められていることです。大幅賃上げで国民の消費購買力を高めることが不可欠です。
・日本の賃金の異常な低さが社会的な認識となり、大幅な賃上げを求める国民世論がひろがっていることです。異常な低賃金は、国内の消費購買力を弱め、経済成長の足かせとなっています。
・人手不足が引き続き深刻なことです。大企業はいぜん新規採用を拡大させています。中小企業でも優秀な人材を確保するために、若者にとって魅力ある賃金・労働条件が求められています。
・岸田内閣の経済政策には「賃上げ」が位置づけられています。しかし、その中身は、①「ジョブ型雇用」移行の指針づくりなど財界と一体となった成果主義賃金の推進、②転職・副業の受け入れ企業への財政支援、③解雇規制の緩和(無効解雇の金銭解決)などというものです。これでは賃上げどころか、雇用とくらしは破壊されてしまいます。政府頼みでは賃上げは実現しないのです。

賃上げ実現のために労働組合に加入を

 賃上げの実現は労働組合にしかできません。みなさん、労働組合に入っていっしょに大幅賃上げを実現しましょう。
※組合ホームページから23春闘アンケート回答のご協力をお願いします:「各種アンケートかいな」で検索できます。

2023年春闘アンケートはこちら

2023年春闘アンケート

冬ボーナス回答状況

今年も堅調なJMITU主要各社
IBM、キンドリルは今年も圏外

 今般の諸物価高騰の影響と、いまだに続くコロナ禍の影響で今年の冬ボーナスの水準が懸念される中、製造業、情報通信産業を主体とするJMITUの22年末一時金闘争は、11月18日現在、100支部分会が有額回答を引き出しています。うち主要各社(左表の上位15社)は今年冬も80万円を超える回答を引き出しており、昨年冬に続き堅調です。全体としても昨年冬の水準を上回っています。
 また、各地でストライキを軸にしたたたかいを背景にした団体交渉で上積み回答を引き出した報告が続いています。
 東京西部・超音波工業支部は、17日に半日ストライキをかまえて交渉にのぞみ、初回回答を8万円上乗せの第二次回答102万円を引き出しました。これは金額では過去最高です。このほか、栃木・レオン自動機支部が昨年妥結を0.4ヶ月12万円上回る3.0か月101万円、埼玉・芝浦電子支部が昨年を15万円上回る110万円、東京西部・リガク支部が昨年を11万円上回る104万円、大阪・北陽電機支部113万5千円など、各地で100万円を超える回答を引き出しました。また、文化シャッターは、15日の第3回交渉で9万円超上積みの73万3197円(2.6ヶ月)を引き出したほか、大興電子、三鷹精工、カイジョーなど、20年ぶりの水準を引き出しているところも少なくありません。日本ロール支部は、第二組合の年間協定を上回る過去最高の回答(71万円)を引き出しました。
 一方、日本IBMでは、ボーナスの年間支給額がご存知の計算式で決定されるため、賃上げ日が5月1日だった今年の冬ボーナスの組合推定平均支給額(会社本体バンド7以下一般職平均)は、夏ボーナス時と同額の79万2千円(2.0ヶ月)で、昨年冬より1万6千円アップでした。
 また、キンドリルジャパンでは、ボーナスの年間支給額は同じ計算式で決定されますが、賃上げ日が7月1日だった今年の冬ボーナスの組合推定平均支給額(会社本体バンド7以下一般職平均)は、夏ボーナス時より1万2千円アップの79万2千円(2.0ヶ月)で、同様に昨年冬より1万6千円アップでした。
 日本IBM、キンドリルジャパンともに、支給額は昨年冬よりアップしましたが、この上昇率では今般の諸物価高騰を補うには極めて不十分な水準です。昨年冬に続きすでに上位15社の圏外に去ってしまいました。

パート・有期雇用者へのボーナス支給進む

 さらに、パートタイム・有期雇用労働法の施行で社会的に注目されているパート・有期雇用者へのボーナス支給もJMITUでは進み、今年冬にも次々と回答を引き出しています。例えば、東京南部・東京測器研究所支部が正社員の60%から70%に改善させたほか、大阪・田辺鉄工所支部では継続雇用者37万6千円、栃木・日本板硝子支部では嘱託・契約社員2.0ヶ月、千葉・小川商店支部ではパート6万円という回答を引き出しています。

 

【証人尋問】定年後再雇用不当労働行為事件

調査せず「適切に運用」と言い切る」

 10月28日、組合が日本IBMとキンドリルジャパンを相手取って東京都労働委員会に申し立てている定年後再雇用不当労働行為事件の証人尋問が行われました。
 この事件では組合が、日本IBMから会社分割でキンドリルジャパンに移籍したシニア契約社員の低すぎる給与に関して、会社が労使交渉に誠実に応じなかったことに対する救済を求めています。
 今回の証人尋問は、定年後再雇用賃金差別裁判(原告2名が東京地裁に提訴、現在係争中)の原告1名(以下、Aさん)の定年前後の待遇の相違に関する質疑応答を中心に行われました。
 定年後再雇用者の定年前、再雇用後の待遇の相違については、パートタイム・有期雇用労働法についての厚生労働省の通達で「法14条2項の説明内容のうち、待遇の相違の内容及び理由に関する説明をする際に比較の対象となる通常の労働者は、職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲等に最も近いと事業者が判断する通常の労働者であること」と定められています。さらに「職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲等に最も近い労働者」を判断する基準が定められています。
 今回、日本IBMの元人事・労務担当(以下、証人)が会社側証人に立ち、組合側弁護士(以下、弁護士)の尋問を受けました。そして、その証言から、定年前後の待遇の相違とその理由に関する十分な説明も無く、シニア契約社員をバンド3に格付けし、生活保障を全く考慮していない低賃金で雇うという、シニア契約社員制度の不当性が明らかになりました。
 以下に質疑応答の内容(要旨)を紹介します。

仕事を月給17万円相当に引き下げる

 証人は、シニア契約社員が月給17万円相当を超える仕事をしていた場合には、賃金をそれに見合うように引き上げるのではなく、仕事の方を月給17万円相当に引き下げる、と証言しました。
弁護士 現実に、もしね、実態の仕事をしている人が、重要度を含めて、バンド3以上のことをやっていたら、先ほど「正す」という言葉を使われたんですね。
証人 はい。
弁護士 「正す」というのは、どう言うことをいうことになりますか。
証人 基本的には、その会社の設計制度に合わせるように仕事を軽くする、縮小する、そういうことが含まれます。
弁護士 仮に、「じゃあ、これは本当はバンド3の仕事じゃなかったら、じゃあ(バンド)6とか7で賃金をあげます」とか、そういう正し方は、そうすると、そもそもない?
証人 それは、制度設計を根底から揺るがすので、基本的には運用レベルでの訂正になります。
弁護士 だから、「正す」という言葉は、逆にオーバーしていた分はやらなくていいよ。
証人 「そんなに任せちゃだめですよ」ということを部門にいうわけです。
弁護士 バンド3の仕事の範囲内でいいんだよと。
証人 おっしゃるとおりです。
弁護士 これが正す?
証人 これが制度だから。はい。

正社員との比較による待遇差の説明なし

 証人は「シニア契約社員制度は適切に運用されている」と団交で繰り返し回答していましたが、その根拠となるシニア契約社員と正社員との比較をしていなかったと証言しました。
弁護士 組合は、Aさんと同一部署の正社員として4人を特定して、Aさんとの待遇の相違の内容及び理由の説明を求めていますよね。
証人 はい。
弁護士 会社は、Aさんとこれら4名の正社員との待遇格差について、先ほど、「バンドがあまりにも違うから」ということをおっしゃっていますが、実際、仕事が同じなのかどうなのかというのを、具体的に所属長に確認はしたんですか。
証人 他の人との比較ということは、先ほど申したとおり、調べる以前の問題だと考えていますので、「この人とAさんどうですか」という調査はしてないですね。バンド7、8の人と3の人がそもそも違うということは、我々としても、先ほど言ったように、運用としては適切だと思ってましたので、その比較はやっておりません。
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 組合側証人のAさんへの尋問の後、公益委員がAさんに質問し、シニア契約社員がしている仕事は定年前から継続している仕事であることに驚きを隠せない表情になりました。つまり大幅なバンドと給与のダウンを念頭に置いてのことと思われます。

IBM従業員代表選挙

組合推薦候補に投票を

 11月1日、日本IBMで従業員代表選挙が公示されました。従業員代表は「時間外および休日労働に関する協定書」いわゆる36協定、「裁量勤務制度に関する協定書」などの諸協定の締結、ならびに改訂される就業規則の締結を担います。任期は今年12月1日から来年11月30日までの1年間です。
 労働基準法は、こうした労使協定等の労働者側の締結当事者を、労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は労働者の過半数を代表する者と定めています。この法的要件のため、日本IBMグループには私たちJMITU日本アイビーエム支部(以下、組合)という立派な労働組合がありながら、従業員代表を選出しているのです。
 現状では従業員代表選挙に組合から立候補せざるを得ません。

会社のYESマンが従業員代表になることの恐ろしさ

 会社のYESマンの従業員代表は、労働条件の不利益変更が含まれていても会社からの制度変更提案に同意してしまいます。会社はこれまで、会社のYESマンの従業員代表の同意を得て、組合との事前協議も十分に行わずに諸制度の改悪を強行してきました。
 実際に行われた制度改悪の象徴が、賃下げを可能にする格付規程の改悪です。その結果が、会社がパワハラ4点セットを使って行ってきた人員削減と人件費削減なのです。
 皆さん、立候補趣意書の推薦人欄を確認しましょう。ここにラインマネジャーの名前が記載されていれば、その候補者は会社側の人から推薦されているのですから、会社のYESマンの可能性があります。もし会社のYESマンが従業員代表になれば、会社提案になんでも同意しかねない恐ろしさがありますから、投票にあたっては十分に注意する必要があります。

組合推薦候補に投票を

 組合推薦候補は、右趣意書のとおり、労使協定の締結や就業規則等の改訂に際して、労働条件を向上させるよう会社に意見し、協議することをお約束します。
 従業員の皆さんにとって重要なのは組合推薦候補の当選です。ぜひ、組合推薦候補者への投票をお願いします。

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