退職勧奨、PIP、賃金減額、いじめやハラスメントなどで困っていませんか?そんなときは組合に相談しましょう。上の「ご意見ご感想」リンクをクリックしてメールで送るか、平日なら右のボタンで相談窓口へご連絡を。
相談窓口

PBC低評価から始まる
  減給・降格・退職勧奨・解雇

あなたはPBC評価に納得できますか?

 2013年3月1日付でロビン・スース人事担当が社内Webにて発表した「Performance Managementについて」の施策に基づき、組合が考えるPBC制度(成果主義)の矛盾と、そこから生み出されるPIP対象者およびPIP目標未達成者に対する減給・降格・退職強要・解雇への道筋の問題点を指摘し、この間組合に寄せられたご意見をご紹介します。引き続きみなさんのご意見をお待ちしております。

▼PBC評価に透明性なし▼

 会社はPBCの実際の評価分布を開示することを頑なに拒否しています。私たちの賞与や給与調整に直結する人事評価システムをどうして開示できないのでしょうか。それは賃金抑制のために作り出された成果主義の正体が露呈してしまうからと推測します。すなわち、日本IBMの成果主義に透明性はないと断言できます。
 2012年度のPBC面談において、低評価になった理由について、上司が次のような説明をしていることが分かりました。どれをとっても首をかしげたくなるものばかりです。「何ら理由を示さず低評価」「時間管理について注意する必要がある」「PBC評価3が2年連続した場合はPBC評価4になるのがIBMのルールだ」「インビテーションメールの宛先を間違えたことがある」「他部門社員とのやりとり方法が気に入らない」「スピード感や正確性が足りない」等。これらの作り上げられたといっても過言ではない理由で低評価がつき、賃金差別を受けるだけに留まらず退職勧奨を受けることになります。

▼減給対象者2千人以上▼

 ロビン・スース人事担当発「2013年度のPerformance Managementについて」の発表では、PBC評価3、4の従業員に対し業績改善プログラム(PIP)を実施します。PIPの結果次第で5%~10%の減給調整をします、という労働条件の変更に関する一方的通告です。
 しかし、この発表内容には信じがたい内容が多く含まれています。「会社は、業績が芳しくない社員を対象として、その業績を改善していただくため、業績改善プログラム(PIP)を実施しています」としていますが、相対評価で下位15%になっただけで「業績が著しくない社員」と判断をする根拠は何なのでしょうか。毎年、低評価を理由に退職勧奨が行われ、2008年4Qのみでも1300人が退職しています。次から次と成績不良者が作り出されているのです。
 また、「社員のPerformance Improvementを通じて会社全体の業績の改善、ひいては組織全体の活性化・健全化を目指す考えです」としていますが、過去5年間をみても会社業績の改善とPIP実施の因果関係を示すデータがあるとは思えません。
 更に「全てのバンドの社員に対して、現在の給与水準が現在の職務や業績およびマーケットに比べて高すぎると判断された社員については減額調整を行い」としていますが、マーケットとは何を指すのか会社は回答しません。
 実態の見えないPBC評価制度で評価され、PIPに放り込まれ、減給、退職勧奨そして解雇へと追い込まれるのが実態なのです。
 このようなことになる前に組合に加入し対抗するしか方法はありません。PBC低評価のみなさん、組合加入を検討してみませんか?

組合に寄せられたPBC評価・PIPに関するご意見をご紹介します。
(組合のWebアンケートより)

●もともと評価を50%にするという一文を追加させられているため、最初から評価が「3」しかつけてもらえない。 1年に3回もPIPをさせられて仕事をするヒマがありません。(本社・30代・女性)
●1HはTargetに到達できず、PIPを書くように言われました。内容としては数字を達成するということで記載したと思います。しかし、2HにEnterpriseに異動となり、全体として数字の結果は悪かったと思います。ただ、その中でPrimary(TCV)149%達成(年間通じても101%以上)しているにも関わらず、この評価は無いと思います。2nd Lineの決定だと言われましたが納得いきません。 High Performance Cultureと言って、数字でしか評価しないような事を会社は言っているのにも関わらず、149%達成した社員をこういう扱いをするなんて、信じられません。(本社・40代・男性)
●評価は所属長の上長が決めたと言われた。能力不足のため低評価なのか聞いたところ、そうではなく、所属長の上長に嫌われているからとのこと。全く納得できない。IBMにいても未来がないので、転職活動している。 全く不可解な理由でPBCが付けられている。恐らくPBCを低くしてやる気をなくさせ、転職させようという趣旨なのだろうが、このようなことをしていたらただでさえ悪化しているIBMの評判がさらに落ち、優秀な人材が入社せず、業績悪化を招くだけではないか?(本社・30代・男性)

中央団交報告


即刻パワハラやめよ!
低評価撤回せよ!
シニア契約社員の賃金上げよ!

 組合は、2月15日に会社と団体交渉(団交)を行い、パワーハラスメント(パワハラ)の即刻停止、PBC低評価の撤回、および、高齢者雇用安定法改正への対応(シニア契約社員、シニア・プロフェッショナル制度)に対する改善を求めました。しかし、またもや会社の回答は不誠実なものであり、会社がパワハラに対する自浄機能を失っていることが明らかになりました。

■即刻パワハラやめよ■

 3年間にわたり、上司と元上司2人がかりで1人の社員を取り囲み、些細なミスをあげつらい、圧迫面談を毎週続けていることに対して、被害にあった社員が、団交や抗議書を通じて「パワハラはやめて欲しい」と再三再四要求してきました。しかしその面談は中止されることが無いため、今回の団交で即刻停止を要求しました。
 社員からパワハラを受けているとの訴えを受けた場合、被害者の人権を尊重することを第一に考えるべきです。しかし、会社の回答は「まずは調査をする。訴えが事実かどうかわからない間は、面談は止められない」というものでした。この「事実調査が先なので、申し出があったからといってすぐに止めることができない」のは、パラハラだけでなく、セクハラ(セクシャル・ハラスメント)の場合も同様とのこと。昨年の元最高顧問の事件のみならず、社内の事件に対しても、会社として自浄能力が無く、人事部の存在意義も無い会社であるということが露呈しました。

■案件紹介件数ごまかし■

 次に、稼働率が低いためPBC評価が4となった社員について、スキルに合致するプロジェクトを所属長が紹介できなかったことを指摘すると、会社は紹介回数を回答してきました。
 回答書では10件紹介したとありましたが、当社員によると、紹介されたのは4件のみ。そのうち1件は「バイリンガルでかつ金融業界の将来をお客様と語れるだけのスキルを有するコンサルタント」というスキル違いの募集。他の1件は、お客様が即戦力のプロジェクト・メンバーを求めている案件でした。
 とてもまじめに紹介しているとはいえないものです。このように、会社の回答は非常に不誠実でした。

■ワーキング・プアに■

 高齢者雇用安定法改正への対応では、会社から選ばれた社員(BAND8以上であることが必要)のみがなれる「シニア・プロフェッショナル」と基本的に希望者がなれる「シニア契約社員」制度ができました。後者については、週5日勤務で月額17万円、ボーナス無しで年収204万円になります。仕事は定年前に行っていた仕事ではなく、給与に見合った補助的な仕事になるとのことです。
 週5日勤務してもいいし、4日や3日などを選択してもいいのですが、勤務日数の割合に応じて、月額は減額されます。逆に、週5日の勤務希望であっても、それだけの仕事が無い場合、短い勤務でしか契約できないこともあることが判明しました。
 年収200万円ということは、いわゆるワーキング・プアであり、年金や生活保護世帯よりも可処分所得が少なくなるということです。退職金も401Kになり、実際にいくら貰えるかは、社員自身の運用実績によります。このままではIBMから餓死者が出ることになりかねません。 
 会社は「月額17万円の根拠は、必要な生活費から算出したのではなく、依頼する仕事のレベルから決めた」と回答しました。他社の動向も参考にしたとのことです。他社との比較では、「イコール・オア・ベター」ではなく、「ワースト」を目指しているかのようです。
 夫婦二人世帯で普通に暮らしていくためには、月額30万円が必要と試算されています。最低限の生活を守れるように、これからも会社に増額の要求を続けていきます。
 そのためには組合にさらに大きな団結力が必要です。是非みなさんも組合に加入して、自分自身の生活を守っていきましょう。

第2回ロックアウト裁判 原告側の意見陳述

相対評価、解雇理由にならない

 2月18日午前10時より、東京地裁第103号法廷にて、ロックアウト裁判の第二回口頭弁論が開かれました。
 今回は、原告側の意見陳述をおこないましたので、代理人の意見陳述書を紹介します。
 なお、次回口頭弁論は4月15日(月)10時30分からで、場所は今回と同様、東京地裁103号法廷です。 IBMにおけるロックアウト型解雇の全容に迫りたいと思います。
 大法廷の傍聴席を満席にして、この裁判が世間から注目されていることをアピールしていきたいと思いますので、ご支援よろしくお願いいたします。

平成24年(ワ)第29095号 地位確認等請求事件
原告  鈴木裕治 外2名
被告  日本アイ・ビー・エム㈱
意 見 陳 述 書
東京地方裁判所 民事第36部 合議A係 御中
2013年2月18日
原告ら訴訟代理人 弁護士 今泉義竜
1 求釈明に対する被告の不誠実な対応
 原告らは、前回法廷で、組合員に対する大量解雇予告が労働組合に対する不当労働行為の可能性があるとして、非組合員に対して行った解雇予告の実数を明らかにするよう被告に求めた。
 しかし、被告は解雇予告した非組合員の実数を明らかにすることを拒んだ。
 解雇予告した人数という客観的事実について明らかにすることになんら不都合はないはずである。被告の対応は真実の究明を徒に遅らせようとするものと言わざるを得ない。本件解雇の正当性を判断する上で、被告で行われている能力不足解雇の全体像は必ず明らかにされなければならない。
 次回、解雇理由に対する反論とともに、改めて、具体的に求釈明を行う予定である。
2 相対評価の低さは解雇理由にならない
 解雇理由の主張・立証責任は被告にある。しかし、これまでの被告主張の内容は抽象的で具体性に乏しく、解雇理由を裏付けるものとして提出された証拠もPBC評価とPIP結果のみである。
 そもそもPBC評価それ自体被告の恣意的な主観的評価に過ぎず、それをもって解雇を正当化する根拠とはなり得ない。
 百歩譲ってPBC評価を一つの指標とするとしても、被告も認めるとおりPBCは相対評価に過ぎず、PBC3、4が付けられる労働者は最大15%必ず発生する。
 相対評価である以上、必然的に下位評価の労働者が発生することは避けられらない。だからこそ、低評価であること自体をもって解雇の合理性・相当性が認められることはないというのがこれまでの確立した裁判例である。
 なお、被告は2008年に成績下位15%を対象とした大規模退職勧奨・退職強要を行い、全従業員1万4000人のうち1300人、約10%もの労働者を退職に追い込んだ。本件解雇は、それに引き続くものとしてなされたものである。
3 解雇規制への挑戦
 被告がやろうとしていることは、会社が低評価を付けた者について自由に解雇できるという前例を作ることである。
 この流れは、被告日本IBMだけで起きていることではない。低評価後のPIP、そして追い出し解雇という同様のやり口がされた通信社ブルームバーグの事件は、昨年10月に御庁にて解雇無効の判断がされ、高裁でも会社の追加立証を許さず即日結審となったところである。
 アメリカ系企業を中心とした正規労働者の解雇規制への挑戦に対し、日本の労働法制に基づいて毅然とした対応をとることが裁判所に求められている。
以 上

解雇や退職強要行うな !!
春闘要求決定し提出

 組合は2月16日に日本IBM支部中央委員会を開催し2013年春闘要求を決定し、21日会社に対して16項目の要求書を提出しました。特に10点を重点要求とし、これらに対する回答には必ずその根拠となる理由を記載することを求めています。
 またすべての労働者の雇用を守り処遇改善を実現するため、①解雇、退職強要をやめさせよう②PIP・減給・降格をやめさせよう③すべての仲間の賃上げを実現させよう④組合に団結しよう、の四つのスローガンで要求の前進をはかることを採択しました。
 2013年春闘の重点要求は次のとおりです。
①解雇や退職勧奨を行わないこと。
②労働条件変更は、組合と事前協議を行い労使合意のもとに実施すること。
③解雇を撤回すること。
④部門解散に伴う整理解雇を撤回すること。
⑤脅迫的な自己都合退職強要を禁止すること。
⑥PBC不当評価是正とPBC結果による賃金格差、差別を無くすこと。
⑦減給・降格を撤回をすること。
⑧バンド8以上の組合員を認めること。
⑨PBCによらず、全従業員に定期昇給を実施すること。全従業員にベースアップを行うこと。
⑩65歳までの定年延長をすること。定年延長実施を理由に定年前の賃金引下げ、賃金制度の見直しを行わないこと。

◆リストラ・人減らし「合理化」・パワーハラスメントに反対する要求◆

 社内で雇用への不安が急速に広がっています。組合は雇用を守ることを強く要求します。

(以下要求から抜粋)

 会社は、利益増大のために継続的に徹底した人員削減を進めるという雇用責任を放棄した経営姿勢をとっている。職場は殺伐とし、メンタル疾患患者を大量に発生させ、その人たちを退職に追い込むという人道的問題が続出している。さらには退職に応じない者を解雇するという暴挙に出ている。これらの人権侵害を直ちに止め、社会的責任を果たせる企業となるために、以下を要求する。

●恫喝、高圧的発言などによって労働者に対して退職強要を行なうことを直ちにやめ、退職を拒否した労働者に対してその後の退職勧奨は一切行わないこと。
●会社は解雇、退職強要に関わったライン、および、指導した経営層と人事担当をBCG、インテグリティーに則り処分すること。
●一切のリソースアクションプログラムの実施をしないこと。
●米IBMからのアサイニーに対し日本の労働に関わる法律、慣習等を教育し理解させ日本の法律を遵守させること。
●労働条件の一方的不利益変更に繋がる「業績改善プログラム」を直ちにやめること。(以上抜粋)

◆賃金に関する要求◆

 日本IBMの人事施策は、全従業員に対し処遇を改善するという賃金制度すら存在しません。組合はPBC評価に関係なく全従業員の賃上げ実施を要求します。

(以下要求から抜粋)

 賃上げは、生活を維持し向上させるために必要なものであり、2006年からの連続ゼロ昇給は断じて許されない。PBC重視ではなく、労働者の安定した生活設計を保証するためにも、以下の内容を要求する。
●一律6万4000円の本給あるいは月額本棒のベースアップを行なうこと。年収700万円のモデルケースで試算すると、政府が公言している今後2%のインフレ分、消費税や復興税などの増税負担分、2006年から定期昇給ゼロ分の家計赤字額を合計すると64000円となる。
●「昇給ゼロ」「減給」をなくし、PBC評価によらず、全社員の賃上げをすること。
●全ての臨時雇用者・派遣労働者も賃上げをすること。 (以上抜粋)

 3月6日が春闘統一回答指定日になっています。会社に対し雇用を守り、全従業員の賃上げを行うように強く要求します。

中央団交報告

PBC低評価撤回せよ!
高年法対応内容提示せよ!

 組合は、1月30日会社と団体交渉(以下、団交と記載)を行いました。
 主な議題は、PBCの低評価撤回と、2013年4月から改正される高年齢者雇用安定法(以下、高年法と記載)対応のための日本IBMにおける人事制度変更内容を明らかにさせることでしたが、会社は相変わらず不誠実な対応に終始しました。

▼PBC評価分布提示せよ▼

 まず、PBC評価の分布について追求しました。組合の集計では、評価3または4の割合が昨年よりも増えていますが、会社回答は「例年と同じ」つまり、評価3・4の社員はあわせて15%しかいないことになります。 一方、評価1または2+の社員は、あわせて50%弱いるとのこと。残りが評価2です。
 みなさんの職場でのPBC評価分布はいかがでしょうか?
 組合では、本当に会社回答通りの分布になっているのか、みなさんにPBC評価のWebアンケートをお願いしています。会社に要求を出す裏付けとなる統計資料は力となりますので、是非ご協力ください。会社回答が正しいものなのか、組合では今後も団交で追求していきます。

▼低評価に根拠なし▼

 次にPBCで低評価を受けた社員について、その根拠を追求し、評価の是正を求めました。
 「PBC評価3が2年連続した場合はPBC評価4になるのがIBMのルールだ」と所属長が発言したことに対しては、会社は「結果としてそうなることもあり得る」と言いながらも、制度としてそのようになっているとの回答はできませんでした。
 その他、低評価の理由として「Invitationメールの宛先を間違えたことがある」「他部門社員とのやりとり方法が気に入らない」などの説明が所属長からされており、一度のミスや所属長の気分で低評価にしたのではないかと追求しました。
 「スピード感や正確性が足りない」という理由で3となった社員のケースでは、仕事の期限に遅れたことは無く、前工程の改善無くしては正確性を保てない業務内容のため、事実と評価が乖離していることを追求しました。
 同じ組織の社員と数分話をするだけでも、都度所属長の許可が必要と言っておきながら、当の所属長は朝10時を過ぎても出社せず、朝から業務ができない状態にされたにもかかわらず、PBC低評価だった社員のケースでは、所属長の資質を問いただしました。
 所属長より「仕事が増えるから」とプロジェクトから呼び戻されたにもかかわらず、戻ったら仕事が無く、稼働率が低いという理由でPBC低評価を付けられた社員のケースにおいて、所属長の発言について会社に問いただしました。
 組合はすべてのケースにおいて、あらためて事実関係を確認するよう要求しました。

▼65歳定年にせよ▼

 次に高年法改正にどのように対応するのかを追求しました。組合は「定年を65歳にする」と変更すれば、完全に高年法改正の趣旨にも合致した人事制度になるではないかと提案しました。
 しかし会社は「定年を65歳にする考えはありません」と回答するにとどまり、後日書面での回答となりました。そこで会社が提出した高年法に対応した人事制度変更内容は、60歳で定年を迎える社員を単年度の契約社員とします。
 大きく2つの制度に分け、一方では週5日勤務して月額17万円、年額204万円という安い賃金の「シニア契約社員」、もう一方では、会社が特に残って欲しいと思うバンド8以上でPBC評価の高い社員用に、会社からの指名で、条件のよい「シニア・プロフェッショナル」として契約が行われるとしています。このように会社は、すべての人事施策において、格差を付けています。
 組合は、今後の増税やインフレなど家計費増に対して、生活ができる賃金とすることを要求し、団交を続けていきます。

ここが危ない BCG 同意は慎重に!!

 今年も全社員がBCGへの同意を求められる時期になりました。多くの社員が「早くBCGに同意するよう」にと所属長から迫られているでしょう。しかし自らの雇用を守ることを考えると、安易にBCGに同意してはいけません。
 組合では以下の4点を留保することを、会社に伝えてあります。

▲チャネルの選択▲

 「2.1 問題点の提起と違反の報告」では、社員が社内の非倫理的行為やその可能性に気づいた場合は、会社が指定するチャネル(所属長や人事、弁護士など)を通じて、会社に知らせることを求めています。しかし大歳元社長の盗撮事件で分かるように、会社はすでに自浄能力を失っています。
 また4000億円の申告漏れに代表されるように、会社ぐるみの不正行為が疑われる場合には、会社が指定するチャネルを通じて報告すると報復を受ける可能性があります。組合は、会社が指定するチャネルを通さず、第三者機関に直接訴ええることがあり得ることを通知しました。

▲録音・録画で証拠保全を▲

 「3.1 職場環境」では、マネージメントやIBMの弁護士の許可を受けずに、録音・録画することを禁止しています。しかし社内で退職強要・パワハラが相次ぐなか、これらの証拠を取得しないことには、自分の身を守れません。
 JAL契約社員雇止裁判でも、退職強要発言の録音が損害賠償請求の証拠になりました。また組合との交渉のなかで、会社は証拠がないものについては、「そのような事実はあるとは聞いていません」「確認できていません」と一方的に否定してきます。組合は退職強要・パワハラその他の不法行為の証拠を残すために、社内で録音・録画することがあることを通知しました。

▲盗聴・検閲や所持品検査▲

 「3.2 IBMの情報と財産 アクセスおよび使用に関するIBMの権利」では、社内施設への私物の持込を一切禁止していることを建前にして、社員のカバンや携帯電話へのアクセスを認めています。またE-MailやPC、USBへの検閲も許しています。
 大和事業所内で自殺した社員は、荷物で膨れたカバンで出社していましたと遺族から話がありました。しかし、返却されたカバンの中身はペン一本、紙一枚でした。
 組合は会社による盗聴・検閲行為を一切認めないことおよび、合理的な条件が満たされない場合の所持品検査を認めないことを通知しました。

▲報告の正確さ▲

 「3.5 情報の報告、記録、および保管」では、社員に対して、正確な報告を求め、不正確・不完全な報告を行うことを禁止しています。
 一見、正しいことに思えますが、IBMでは、組合員以外で正しく時間外労働手当を請求できる社員はどの程度いるでしょうか。
 残業代裁判では、組合加入前に長時間残業を行った人が、所属長の圧力でe-Attendanceに定時に出社・退社したと入力したことをとがめてきました。
 組合は社員が勤務時間を正確に記録しなかったことを以てBCG違反とすることに反対することを通知しました。
 このようにBCGは一見、素晴らしい倫理的な項目が並んでいますが、実は社員の雇用を脅かす内容が隠されています。社員の皆さんはBCGの恐ろしさを自覚したうえで行動してください。

日本IBMロックアウト解雇裁判傍聴のお願い

ロックアウト解雇裁判の第2回口頭弁論が以下の日時にて行われます。 皆様の傍聴のご支援をよろしくお願い申し上げます。

    日本IBMロックアウト解雇裁判第2回口頭弁論
    日時:2月18日(月) 10:00
    於 :東京地裁 103号法廷
    その後、報告集会が裁判所隣の弁護士会館1005会議室で行われます。
    こちらも合わせてご参加くださいますようご案内いたします。

なお、同日朝8:30から裁判所前で事前宣伝行動を行いますので、こちらのご支援もよろしくお願い申し上げます。

取り戻す春闘! 取り戻す賃上げ!

 組合の春闘アンケートから3万7千円から5万7千円の昇給を望む声や「雇用・リストラ」等を不安・不満に思う声が浮き彫りになりました。
 ここでは春闘の歴史と意義を振り返り、2013年の要求へつなげます。

|春になると賃上げ|

 春闘は1955年、金属や化学など8つの産業別労働組合が話し合い始まり、その後、60~70年代にかけて、全国的なたたかいへと大きく発展したのが始まりです。
 労働組合が春闘でめざしたのは次の二つです。
 第一は、それまでばらばらだった賃金交渉を全国の労働組合が春の時期に一緒にたたかうという統一闘争を組んだことです。
 第二は、「賃金の生計費原則」を前面にかかげ、企業規模などにかかわらず、すべての仲間の賃上げをめざしたことです。
 半世紀にわたる春闘によって、労働者・国民のくらしや職場は大きく改善しました。春闘が前進するなかで、「春になると賃金があがる」というルールがつくりあげられました。労働組合は、春闘をつうじて、すべての仲間に人間らしく生活する権利があり、経営者には労働者のくらしをまもる責任があることを明らかにしたのです。
 春闘は、労働組合がかちとった賃上げを地域の賃金相場に反映させることによって、労働組合のない職場の仲間のくらしをまもる役割を果たしてきました。
 また、中小企業での賃上げが全国で実現したときは、それを背景に下請単価も上がるなど中小企業の地位と発言力も高まりました。さらに、「国民春闘」をかかげ、最低賃金制度や年金・医療など社会保障制度を改善させてきました。
 90年代以降、「春闘解体」の攻撃がつよまるなかで、賃金の生計費原則が否定され、「賃金は成果や業績で決まる」という考え方が押しつけられています。
 それは、わたしたちが春闘をつうじてかちとってきた憲法25条の「生存権保障」(人間らしく生活する権利)や28条の「労働基本権」(賃金・労働条件は労働組合との協議をつうじて決定されるべき)の理念を真っ向から否定するものです。

|雇用を守れ|
|昇給を行え|

 いま、日本IBMでは半数の従業員しか昇給しない制度になっています。昨年は、全員の昇給が停止されました。そのような中、組合は春闘アンケートを実施し、従業員がどのように考えているのかまとめました。
 その結果、多くの従業員が3万7千円から5万7千円の昇給を望んでいます。これは、別表にあるように家計の負担が増えるため、ごく当然の要求です。また、不安・不満に思うことを3つ上げてもらったところ、ほぼ全員が「雇用・リストラ」を上げ、、2番目に「査定・評価」、3番目に「賃金」「企業の将来」を上げています。
 このことから、会社の人事施策が崩壊している姿がみえてきました。今後組合は、従業員からの声を吸い上げ、2月21日、会社に対し要求書を提出します。

2217号_1面資料

不当労働行為 都労委報告

速やかな救済命令求める

 2013年1月16日に東京都労働委員会(以下、「都労委」という)でIBMの不当労働行為(団体交渉拒否)に対する第2回目の審査が行われました。
 今回は前回の組合の主張を補充し、都労委に速やかな救済命令を求めました。

◆団交拒否を改めて主張◆

 昨年のロックアウト解雇に対して、3人の原告が東京地裁に解雇無効を訴えて提訴したことはご存知だと思いますが、会社は解雇以外にも、不当な行為を繰返しています。
 会社は解雇予告通知を出した社員に対して「指定日までに辞職届けをだせば、自己都合退職を認め、退職加算金を支払う」と通知してきました。
 この突然で一方的な会社の措置に対して組合は、指定日以前に団体交渉を開くよう要求しました。別の議題で指定日以前に団体交渉が予定されていたにも関らず、会社はロックアウト解雇を団体交渉の議題にすることを拒絶しました。
 組合は会社が解雇について話合いを拒絶したことは、団交拒否だとして、不当労働行為の救済命令を求めて都労委に申立てを行いました。
 昨年12月11日の1回目の審査では事情聴取が行われましたが、第2回目審査で、組合は「自己都合退職前の団交拒否が不当労働行為である」旨の主張を補充しました。
 組合は速やかに問題を解決するため、査問(証人調べ)なしでの救済命令を求めています。また会社も「査問なし」には同意していますが、都労委は「査問を行うか否かは、会社の対応を待って決定する」と慎重な姿勢を示しています。
 第3回目の審査は、3月5日に予定されています。

◆組合に結集し雇用守ろう◆

 組合は東京地裁でのロックアウト解雇撤回裁判と合わせて、会社による横暴な解雇阻止のために闘っていきます。たとえ今が良くても、いつ皆さんも同様の解雇予告通知を受取らないとも限りません。他人事と考えずに、組合に結集してみんなで雇用を守りましょう。

解雇自由化への道許すな !!
ロックアウト解雇裁判で意見陳述

 2012年12月21日10時から東京地方裁判所103号法廷でIBMロックアウト解雇裁判の第1回口頭弁論が開かれました。100人程度が入る大法廷が満員になり、10人ほどの人が入廷できませんでした。世間の関心の深さを伺わせました。
 ここで原告3人と組合側弁護士が意見陳述を行いました。

▼理不尽な解雇▼

 最初にAさんは2008年に当時の所属部門の月間最優秀賞を受賞し、2009年にはチームリーダから感謝状と盾を授与されるほど評価されてきたことを話しました。
 それにもかかわらず、2012年7月に具体的な理由を告げられることなく解雇された理不尽さ、異様な長時間労働のために患っていたうつ病がさらに悪化したこと、収入を断たれたため食費を一食300円以内に切詰めていること、同居して面倒をみている両親に心配をかけていることを訴えました。

▼人員削減へ偽装解雇▼

 続いてBさんは自ら経験したロックアウト解雇の乱暴さを訴えました。さらに業務能力不足を口実にして解雇予告通知を出しながら、退職加算金と再就職支援を用意して自己都合退職に誘導する手法に疑問を呈し、人員削減のための偽装解雇の可能性を示唆しました。またBさんが以前から、「同じ課で働いている請負社員が偽装請負ではないか」など、社内の不正を追求してきたことが解雇の原因ではないかと指摘しました。

▼不当労働行為発言▼

 Cさんは、当時の上司が「組合に入っていると不利な査定がなされるという事実を知っていますか?」「何か(組合)活動をしていますか?」など、不当労働行為に当たる発言を繰返したことを暴露しました。

▼解雇自由化への道▼

 最後に組合側弁護士が意見陳述を行いました。弁護士は一連の解雇の特徴として、「解雇理由が皆共通であり、抽象的であること」「Aさんを除く原告が、極めて短い期間で、自己都合退職か解雇かを選択させられたこと」の二点をあげました。
 そして本件解雇の本質として、2011年に940億円という莫大な経常利益をあげているために社員を整理解雇できない会社が、大量の社員を自由に削減するために画策した解雇であること、リストラの「毒見役」を自認している会社が行った、「解雇権乱用法理」に対する挑戦であり、解雇自由化への道を開こうとするものであることを指摘しました。
 第2回期日は2月18日10時から、同じく103号法廷で開かれ、会社側の反論準備書面が提出されます。

▼解雇自由化の防波堤▼

 組合はこの裁判を、解雇自由化を食い止めるための防波堤と考えています。いつ皆さんも同様の解雇通知を受取らないとも限りません。他人事と考えずに、組合に結集してみんなの雇用を守りましょう。そのためにも多くの社員の皆様に裁判の傍聴をお願いします。

第 2 回 期 日
日時:2月18日(月)10時
場所:東京地裁103号法廷

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