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がん検診の自己負担増

がん検診の自己負担増

健保補助激減

 40歳以上が5年に1度のサイクルで受診可能な国立がんセンターのがん検診という制度があります。IBM健保組合からは、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の受診時に補助金が出ます。2007年から始まったこのプログラムを利用して、2009年に国立がんセンターの「がん総合検診」を受診した際の自己負担金は3万6,850円でした。
 ところが、5年後の今年2014年の「がん総合検診のご案内」メールを見てその自己負担金の増額にびっくりしました。リピーター料金でもなんと5年前のほぼ3倍の 9万7,950円になっていたのです。(表参照)
 代わりに減らしたのが健保の補助金で、自己負担率は5年前の27%から78%に激増しました。
 健保組合は、「医療費節減に寄与する検診プログラム等の疾病予防事業に重点をおいて実施してまいります」と事業計画で説明していますが、がん検診を促進することは費用対効果に見合わないと判断したのでしょうか。厚生省によると、がんは、昭和56年からずっと日本人の死因の第1位で、年間30万人以上が、がんで亡くなっており、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されているとのことです。
 みなさんのご意見をお待ちしております。

かいな2247号2面-2 個人負担金の比較(国立がんセンターでの例)

【団交報告】減給割合に根拠なし

減給割合に根拠なし?【団交報告】
給与レンジ公開の約束も守らず

 組合は5月23日に会社と団体交渉(以下、団交)を行い、主に賃金減額について追及しました。

減給幅の根拠説明せず

 懲戒処分の一つとしての減給処分の場合、最大10%かつ期間も1ヶ月や3ヶ月など決まっていて、期間が終われば元の給与に戻るのに、IBMの行う賃金減額は最大15%であり、その減額の効果が定年まで続くことに対して、会社を問いただしました。
 そもそも、なぜ懲戒処分の場合10%以内と決められているかについて、法の趣旨を確認しましたが、出席していた会社代表は、誰ひとり答えられませんでした。
 また、2005年に、賃金減額を行う際には「給与レンジを公開する」と会社は約束しましたが、組合が約束を実行するように要求しても、会社は「給与レンジは会社の機密事項なので公開できない」と言うだけでした。
 そして、「減額%がなぜ10%、15%なのか、その根拠を示せ」と迫りましたが、会社は答えることができませんでした。 「減額割合の根拠が示されていないということは、去年、今年は15%であっても、将来30%、50%と減額幅が大きくなるおそれもある」と指摘しました。
 しかしそれに対する会社回答は、今年の減額対象者と減額割合は今年の発表であり、将来の減額をどのようにしようとしているかについては何も言えないというだけでした。

PIPの位置づけ不明瞭

 組合がPIPの用紙に、「降格」や「減給」もありうると書かれていることから、PIPの位置づけについて質問すると、会社は「PIPだけで決まるわけではないが、PBCの評価に於いて、PIPに取り組んでいたことも加味される」というような不明瞭な回答でした。
 また、組合は「PIPの目標としてPBCの目標が入っている、あるいはPIPに設定した目標をPBC目標として追記する点について、PBCは1年間で達成する目標で、PIPの期間は60日ないし90日であり、不適当ではないか」と追及しました。
 それに対する会社の回答は、「PBCの目標のうちで重点的な項目をPIPに入れるとか、PBCの目標も年度途中に書き加えられることもある」とのことでした。

MBAの昇給対象不透明

 MBA(市場に応じた職種毎の競争力に基づく昇給)の昇給対象者は、PBC2以上で給与水準に達しないものを対象とするとなっていますが、自分が給与水準のどの位置にいるかは非公開で、さらに所属長による対象者の選定も入るため、自分が対象者になるかどうか知る方法がないことがわかりました。

退職強要の果てが解雇

 会社は、「退職強要と業績不良による解雇は関係が無い」と繰り返しますが、「では業績不良による解雇をされた人の中で、退職強要はされていない人がいるか」と質問すると、「少なくとも組合員の中には該当する人がいない」と答えました。
 会社が回答した範囲で判断する限り、退職強要を断ったため、解雇されたという図式を否定する材料はありません。
 退職強要に至る道筋は、部門予算からヘッドカウントが算出され、余った人数に対して、社内の異動先が無かった人について、「社外でのキャリア」を見つけてもらう、という名目で行われます。
 両者の関係から推測すると、部門予算が足らず、退職強要をしても削減目標人数に達しない場合、成績不良という名目での解雇が発生することになります。6月は四半期末であり、上半期の末でもあります。
 断っても退職を勧められたら、すぐに組合にご相談ください。組合は引き続き追及をしていきます。

業績良好でも、賞与は伸びず

業績良好でも、賞与は伸びず
グローバルの悪い業績を日本にも反映

 昨年度のJAPAN IOTの業績は良く、社長も賞賛していましたが、社員の賞与に反映されるのでしょうか。
 現在はPBC評価によって、賞与金額が大きく異なるため、2012年と2013年のPBCが同じ人を基準に前年との比較をしてみます。
 会社業績スコアは昨年の異常に低い19から、今年は60とやや回復したので、今年の賞与に多少の期待を抱きます。
 ところがグローバルの業績が悪いため、PBC1以外の社員には、GDPに当たる部分は分配されず、結果的に昨年とほぼ同じか少し少ない金額となってしまいます。昨年といえば、会社業績スコア19であり、社員から、「会社業績スコア19なら、経営陣こそロックアウト解雇するべきだ」と怒りの声があがったほどの低水準でした。それと同じ金額しか支払われません。一昨年の会社業績スコア59でGDPありの時とは大きな違いがあります。
 団体交渉における組合からの質問に対して、4月末で退職した前給与担当者は、「JAPANの業績が悪くて、GLOBALに助けられたこともあったはずだ」(だからGLOBALの業績が悪い場合もJAPANは影響を受ける)と回答しました。しかし組合から再度「会社業績スコア19でGLOBALに助けられたとは思えない」と反論すると、給与担当者は答えられませんでした。
 会社業績スコアの算出方法を公表していないため、いくらでも操作できるのです。今年は「GDPが出ない→会社業績がよいのに賞与が減ったら社員の不満が募る→昨年と同じ水準を出そう→(支給額からスコアを逆算すると)会社業績スコア60」になったと邪推されても仕方のない金額です。
 ブラック川柳の投稿でも、「増収を賞賛するなら金をくれ」というのがありました。会社業績が伸びても、自分の収入が伸びないなら、社員はやる気をなくし、会社は活力を失うばかりです。会社は社員の頑張りに報いる施策を真剣に考えるべきです。

「指導」という名のいじめ

「指導」という名のいじめ
 T担当のマネジメント能力を問う

 ITS品質技術のT担当は部下のAさんに対して、「サービス仕様書」の標準化タスクにおいて、とうてい達成できないような内容を「指導」と称して課しています。
 まず、当タスクは、もともとほかのタスクメンバーが作りかけていたものであるにもかかわらず、その結果は使わず、全部Aさん自身で作成するようにとの指示をしています。また、前任者が立てたスケジュールより前倒しにするよう指示しました。
 また、タスクのWBS作成には、ほかにアサインされた業務も含めてブレークダウンし、全作業項目のスケジュールを作成するよう指示しました。
 標準化は、一製品だけでなく、同時にほかの二製品にも横展開させるというものでした。
 しかも、これらの指示をしたあと、週末をはさんだ翌労働日には、「横展開」の内容についてAさんが確認すると、それは当初あげていた三製品「以外の」ものについて作成することだ、と舌の根も乾かないうちに解釈を変更してきました。
 ただでさえ無茶なスケジュールを、WBSにブレークダウンし、その通り実行するよう指示し、さらに次々に範囲を拡張する、というT担当の「指導」は、Aさんが指示通りタスクを実行できなかった、という状況にしたいがための「押し付け」であり、部下育成どころか「いじめ」の構造そのものです。まさにT担当自身のマネジメント能力が疑われる状況です。
 しかも、T担当はタスクと関係ない仕事の話をタスクミーティングの中でするなど、情報管理上問題と思われる行為にも至っています。
 しかも、Aさんが会社に提出した主治医からの診断書には「下痢の症状はストレス性のものと思われる」と書かれており、必要以上のプレッシャーを与えることは部下に対する安全配慮義務違反といわざるを得ません。
 組合は、T担当がこのようなマネジメントとしてあるまじき行為を即刻取りやめるよう強く求めます。

【IBM中央団交報告】責任をなすりつけ逃げる会社

責任をなすりつけ逃げる会社
団交軽視の姿勢を厳しく追及
IBM中央団交報告

 組合は、5月15日に会社と団体交渉を行いました。

都労委命令実行せず

 まず昨年の都労委の救済命令を実行していないことを追及しました。会社は「命令を実行しなければならないことは真摯に受け止めていますが、承伏しかねるところもあります」と逃げをうちました。
 組合は「真摯に受け止めようが、実行していない事実は都労委にも報告しないといけない」とさらに追及しました。会社は「人事のトップと法務のトップとで検討した」と回答しましたが、いつ何を検討したのかについては全く答えられませんでした。
 次に都労委から出された「紛争の拡大回避」の要望書の解釈について質問しました。会社は「書かれているとおりです」と回答しましたが、組合は「今後、解雇や賃金減額を行うと、争議が起き紛争が拡大する。都労委の要望を無視することになる」と警告しました。

9時出社強要問題

 視覚障害を持つAさんの問題について、所属長のT氏がパワハラによる退職強要を繰返していることを追及しました。
 Aさんが障害のために朝の通勤ラッシュに耐えられないことを知っているにもかかわらず、T氏が9時出社を強要し、Aさんが9時に遅れると「遅刻」と表現していることについて抗議しました。会社は「産業医が書いたことです」と産業医に責任をなすりつけようとしました。組合はこれに納得せず、フレックス勤務対象のAさんが10時前に出社しているにもかかわらず「遅刻」と表現したT氏に対して、厳正な対応を要求しました。

健保組合と関係なし

 健康診断の一部オプション有料化について、会社は「健保組合の決定であり、会社の施策ではない」とこちらも逃げの姿勢でした。組合は「会社から健保組合に業務を委託している」ことを指摘しましたが、会社は「健保組合とは何の法的関係もありません」と嘘を重ねました。組合は文書で抗議するとともに、次回の団交に健保組合責任者の出席を要求しました。

ロックアウト解雇も、部門長に責任押し付け

 ロックアウト解雇についても、会社は「解雇を決めたのは部門の責任者である。人事は解雇予告通知を出すまで知らなかった」と、こちらも部門長に責任を押し付けようとしました。しかしこの回答は、前任の団交責任者の回答と明確に異なります。組合はこの点を追及するとともに、会社の主張に沿い、部門長の責任も追及していきます。

給与担当者4回連続欠席

 賃金減額の交渉に先立ち、給与担当者が4回連続で団交を欠席している点を「団交軽視である」と追及しました。会社は「欠席したのは個人的理由である」と回答しましたが、その後の調査で、この給与担当者が退職していることが判明しました。会社の虚偽の報告についてさらに追及していきます。また7月1日付け賃金減額も強行しないよう要求を続けます。
 さらにJapan IOTは業績もよく、社長も賞賛しているので、昇給対象の拡大や一時金の増額についても検討するよう要求しました。

PIP書式なぜ変更?

 またPIPの書式が変更になったことについても追及しました。本体から「目標が達成できなかった場合、解雇・減給・降格がありえる」という箇所がなくなり、別紙に移っていました。さらに別紙からも「解雇」の二文字が消えていました。
 会社は変更理由を「多くの人が関わるので帳票をシンプルにしただけです」と説明しましたが、組合は「就業規則に則った処置があると書かれているが、これは解雇ではないか」と追及し、会社は否定しませんでした。
 個別のPIPについて、BさんがPBCと全く同じ内容をPIPに書かれたことを追及しました。これはBさんの所属長が、Bさんの改善点を具体的に指摘できないことを示しています。また、Cさんは「PIPの内容をPBCに追加された」ことを抗議しました。会社は「このご時勢、PBCの内容が未来永劫変わらないことはない」と主張しましたが、組合は「3月に決まったPBC目標が、PIP開始と同時に5月に書き換えられるのはおかしい」と反論し、PIPが業績の「改善」のためのものではなく、退職強要の道具であることを再度、確認しました。
 会社は責任回避のため、これまで以上に産業医や部門長に責任を押し付けようとしています。
 組合は会社の欺瞞に惑わされること無く、産業医や部門長と同様に会社の責任を追及していきます。

家庭破壊を訴える

家庭破壊を訴える
ロックアウト解雇裁判口頭弁論

 5月15日10時30分より、東京地裁823号法廷にて、「ロックアウト解雇撤回第三次提訴」裁判の第3回口頭弁論が開かれました。

子供の態度に傍聴者の涙を誘う

 原告のAさんが意見陳述を行い、解雇されたことにより、Aさんの小学生のお子さんが喜んで通っていた進学塾を辞めなければならず、希望していた私立中学校への進学もあきらめることになり、さらにバレエやピアノなどのお稽古も辞めなければならなかったことを訴えました。このことは、解雇が、未来のある子供に重大な影響を及ぼしていることを如実に現しています。
 このような状況の中で、Aさんのお子さんは、小学生ながら殊勝にもアルバイトをして家計を助けたいと言っていたそうで、傍聴者の涙を誘いました。
 奥さんもパートを増やしたことで体調を崩し、ロックアウト解雇が家族の幸福や未来を壊すことを具体的に表していました。
 次回の口頭弁論は7月17日午前10時30分から今回と同じ823号法廷で開廷されます。是非傍聴に来ていただき、原告を応援してください。

裁判後の報告集会

裁判後の報告集会

 

「給与担当者」またまた退職

賃金減額裁判、証人尋問候補

「給与担当者」またまた退職

 団体交渉の給与担当に1月に就任したばかりのA氏が、4月末日で退職したことが判明しました。3月13日の団交が最後の出席でした。その後は連続欠席していますので、実質2ヶ月半の在任でした。前任者のB氏も在任期間4ヶ月で退職しています。さらに前任で昨年の賃金減額を強行したC氏も4月末日で退職しました。C氏は社長直属のスタッフに異動していましたので、異例の退職です。これで団体交渉の給与担当者が続けて三代も退職したことになります。前代未聞の出来事です。
 会社は相対評価で下位15%の社員に対して、10%~15%という不法な賃金減額を昨年に行いました。それに対して、組合と一部組合員が東京地裁および都労委に賃金減額の取消しを求めて提訴しています。会社は今年も賃金減額を強行しようとしています。組合は第三者機関への更なる提訴を検討しています。給与担当者は当然、証人尋問の最有力候補です。この不法な賃金減額を、証言台に立って正当化しなければなりません。正当化できなければ、負けた責任を押し付けられます。誰でも嫌がる役目です。会社は給与担当者のなり手がいなくなるような施策(賃金減額)を行うべきではありません。次の給与担当者が首を洗って、証言台に立つことのないようにしてあげて欲しいものです。

 

【団交報告】まともな回答せず不誠実対応

【団交報告】?まともな回答せず不誠実対応
給与調整や都労委命令無視で

 組合は、4月18日に会社と団体交渉(以下、団交と記載)を行い、不明瞭な昇給基準や労働委員会の命令無視などについて追及しました。

不明瞭な昇給基準

 増税や物価上昇、社会保障費の負担増などから、今年は日本の社会として賃金の底上げの賃上げが必要な状況なので、PBCの成績による上げ幅の差を作ることまでは否定しないけれども、すべての従業員の賃上げが必要だと追及しました。会社側からは、一部社員の昇給をもって賃上げしてしているという、かみ合わない回答だけでした。
 また昨年はMBA(市場調整型昇給プログラム)の昇給だけでしたが、MBAの昇給基準は、PBC2以上で国、職種、給与水準で決定されるはずですが、基準を満たしていても昇給しない人もいました。この問題に対して、会社側は合理的な説明ができませんでした。

命令無視も問題なし?

 会社は、昨秋に出された都労委の命令を未だに履行せず、いつやるかも提示できていません。「もし社員が上司の命令を5ヶ月も放置して、その間の報告もしなければ、業務命令違反で懲戒の対象となるでしょう、それと同じことだ」と詰め寄りましたが、「履行しないとは言っていない」の一点張りでした。
 また、先日都労委から出た「これ以上紛争拡大をしないように」との要望書(本号第2面に掲載)について、紛争拡大を防ぐために会社側は何をすべきと考えるかと質問しましたが、これについても回答ができませんでした。

稼働率目標の危険

 多くの部門で稼働率がPBCの目標になることが多く、その稼働率を達成するためには残業が必要になる問題について問いただすと、会社側は、「調査します」というだけで具体的な回答はありませんでした。
 そもそも稼働率を上げればそれだけ労働時間が長くなり、残業代が発生します。それでも企業が成り立つのは、サービス残業をさせているからにほかなりません。そこで、ラインと人事が1ヶ月現場を見れば実態がわかると指摘しました。

賃金減額下限は最低賃金?

 今年の賃金減額発表で、40代なのに本給が初任給よりも下がった社員がいるが、賃金減額の下限はどこに設定しているかと質問しました。それに対する回答は、「法律に抵触できないので、最低賃金よりも下げることはできない」というものでした。最低賃金ということは、都道府県によって異なることになるがという質問に対しては、回答がありませんでした。

シニア契約社員の実績は

 シニア契約社員の実績について質問すると、制度が始まって以来の累計で、定年退職者60人中12人とのことでした。
 健康診断のオプションの有料化について、受診月が3月までと4月以降で不平等になっていることについては、引き続き調査するということで、明確な回答はありませんでした。

去年の好業績に金一封を

 一時金として金一封を出すという組合の提案について、前回の団交で「いい方法だね」と会社代表は言っていましたが、検討結果がどうなったか問うと、「『いい』ということじゃなく、そういう考え方もあるんですねということです。金一封というのは、去年の業績に対してなんですよね。まだ決まっていませんので」とのことでした。どのように検討されるか、これからも追及し続けます。

【裁判・審査報告】都労委・中労委で全面勝利へ前進

【裁判・審査報告】
都労委・中労委で全面勝利へ前進?
最高裁判所の書記官も理解を示す

会社の暴走行為に待ったをかける要望書出る――東京都労働委員会

 4月11日に東京都労働委員会第4回期日が開かれ、号外でもお伝えした通り、公益・使用者・労働者の三者委員連名での「要望書」が出されました。
 組合は3月13日に「組合員に対して、組合と協議を尽くすことなしに、退職勧奨または退職強要を目的とする面談、解雇予告、賃金減額を行ってはならない」という「実効確保の措置勧告申立て」を行っていました。実効確保とは「不当労働行為の審査手続き中に、放置すれば救済の実効が阻まれるなどのおそれのある場合、労働委員会が当事者に対して必要な措置をとるよう勧告できる制度」です。組合がロックアウト解雇の強行は不当労働行為であるとして都労委に申し立てを行っているにもかかわらず、会社がさらにロックアウト解雇を行ってきたため、やむを得ず対抗措置として申し立てたものです。
 それに対して今回「まだ調査中なので命令は出せないが」、公益・労働者・経営者(使用者)の代表の合議にて、「本件が当委員会に係属していることを鑑み、紛争の拡大を招くような行為を控えるなど、格段の配慮を払われたい」という要望書が出されました。
 要望書は公益・労働者・経営者の三者委員が、組合の主張に理解を示し、命令が出るまでこれらの不法行為を行わないよう釘をさすものです。会社の暴走行為に事実上の「待った」をかけたことを意味します。
 組合は、実効確保しつつ、全面勝利(全部救済命令)をめざして闘いを進めます。

会社の証人申請を認めず――中央労働委員会

 4月30日に中央労働委員会の第4回期日が開かれました。中労委は会社側の証人申請を認めませんでした。
 この事件は、2012年9月のロックアウト解雇時に会社が団体交渉を拒否したことが不当労働行為にあたるとして、組合が申立てを行ったものです。都労委では当時の団交責任者の坂上氏が証言台に立ちましたが、組合側弁護士の鋭い追及により、団交拒否に正当な理由がないことを事実上認めてしまいました。
 その結果、都労委は2013年8月に全部救済命令を出し、組合の全面勝利となりました。
 会社は都労委の命令を不服として中労委に再審査申立てを行い、その第1回期日において当時の団交責任者の証人申請を行いましたが、2013年末で退職してしまったため、会社は今年になって都労委と同様に坂上氏を証人申請しました。
 しかし、坂上氏に都労委と同じ尋問をするのは無駄であるため、公益委員は会社に新事実の有無を確認しました。会社側弁護士はこの確認に対し「新事実が出ることも十分あり得ます」と他人事のような回答をしたため、公益委員が「新事実があれば、具体的に示すように」と何度も促しました。しかし会社側弁護士は何も示すことができず、苦し紛れに「過去の経緯を明らかにしたい」と訴えました。
 これに対して組合側弁護士が「過去の経緯は関係ない。当日の団交拒否に正当性があるか否かだ」と応じたこともあり、公益委員は「現時点ではA氏の証人尋問は不要である」と判断しました。そして「新事実があるなら陳述書を提出するよう」に求め、会社はこれを了承しました。
 しかし、今回の期日で全く示せなかった新事実が、果たして見つかるのでしょうか?

都労委の要望書を説明――最高裁判所要請行動

 4月23日に組合は最高裁判所前での宣伝行動(本社前と同様のチラシの配布とスピーカー宣伝)に引き続き、「退職強要・人権侵害裁判」の上告受理を求めて、最高裁判所内での要請行動を行いました。
 要請行動にて組合は、まず都労委から要望書が出たことを書記官に伝えました。そしてその要望書が出された理由となるロックアウト解雇や退職強要、賃金減額の遠因となっているのが、東京地裁・高裁における退職強要・人権侵害裁判の不当判決であり、その不当判決を是正するために上告を受理するよう要望しました。
 最高裁判所の書記官も、IBMのリストラが米国本社の指示・命令であることを理解しているようです。
 組合は上告受理と逆転勝利判決を目指して、最後まで闘っていきます。

【かいな特別号外】 都労委、日本IBMに要望書

都労委、日本IBMに要望書
組合員のロックアウト解雇・賃金減額に“待った”
「紛争の拡大 控えよ」

2012年7月からロックアウト解雇を始めた会社は、今年もまた3月にロックアウト解雇を行いました。退職強要の手段とばかりに2013年からReference Salaryの15%にも及ぶ賃金減額を始め、2014年も実施すると発表しました。会社はハイ・パフォーマンス・カルチャーと言いますが、これらの施策は従業員を好きなときに辞めさせ、都合のよい労働条件で働かせようとするものです。このままでは従業員の士気は落ちる一方です。

組合は3月13日に以下の内容の実行確保の措置勧告申立てを東京都労働委員会に行いました。

都労委-求める実効確保の内容

これを受け、東京都労働委員は公益・労働者・経営者の代表の合議にて、「本件が当委員会に係属していることに鑑み、紛争の拡大を招くような行為を控えるなど、格段の配慮を払われたい。」という要望書を出しました。

これは、都労委が事実上、会社の暴走に「待った」を2014かけたということです。

組合はこれまで、会社の横暴とたたかい、様々な労働条件を勝ち取ってきました。会社が仕掛けたロックアウト解雇や賃金減額等に対し、労働委員会が「待った」をかけた今こそ、労働組合に結集し、会社の横暴を止め、安心して働ける職場を一緒に作っていきましょう。

年4月21日発行

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