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相談窓口

従業員代表選挙

組合推薦候補に投票を

 11月2日、従業員代表選挙が公示されました。従業員代表は「時間外および休日労働に関する協定書」いわゆる36協定、及び「裁量労働勤務制度に関する協定書」など諸協定の締結を担います。任期は今年12月1日から来年11月30日までの1年間です。
 今回の従業員代表選挙は、インフラストラクチャー・サービスの分社化が予定される中、非常に重要な選挙になります。従業員代表には「会社分割について会社と協議する役割」が与えられるからです。従業員の労働条件を守るためには組合推薦候補の当選が必須です。

会社分割の協議

 会社分割に際し、労働契約承継法の適用にあたっては、従業員代表は会社と協議する重要な任務を負います。会社が提供しているQ&Aでは、新会社へ移籍する社員の労働条件は現在IBMで提供されているものと同水準になる予定とあり、さらに、新会社の福利厚生は競争力のあるものを提供予定とあります。これは、現在の労働契約がそのままの形で承継されない可能性を示唆しています。その意味でも今回選出される従業員代表の責任は重大と言えます。

労働条件の向上を意見

 その他にも、従業員代表は次の重要な役割も担います。
・就業規則およびその付属規程の一部改訂についての意見聴取
・各種法令に基づく労使協定の締結
・日本IBMの退職金規約を変更する場合に、厚生労働省への規約変更申請における従業員代表として署名。(被厚生年金代表者)

組合推薦候補に投票を

 組合推薦候補は、会社分割に際しての協議はもちろん、労使協定の締結や就業規則等の改定に際しても、労働条件を向上させるよう会社に意見し、協議することをお約束します。

趣意書

●分社化に際し、労働条件を守ります
 インフラストラクチャー・サービスの分社化が予定される中で、従業員代表には「会社分割について会社と協議する役割」が与えられます。労働条件を守るために会社と協議することをお約束します。

●意見聴取に際し、労働条件の向上を意見します
 その他の労使協定の締結や就業規則等の改定に際しては、労働条件を向上させるよう会社に意見することをお約束します。

従業員代表は「会社の意向をうけた者」であってはなりません
(厚生労働省労働基準局長2018年基発0907第1号)
 会社はこれまで、会社の意向をうけた従業員代表を選出して就業規則や福利厚生制度の改悪に同意させ、労働条件を引き下げてきました。組合推薦候補であれば、従来の従業員代表のように労働条件の改悪を進めることはいたしません。労働条件を守るために会社と協議することをお約束します。ぜひ組合推薦候補にご投票ください。

 

日本IBMも分社化

組合は労働条件の事前協議を要求

 米IBMが10月8日に発表したインフラストラクチャー・サービスの分社化に伴い、日本IBMの対象部門も分社化されることが明らかになりました。
 分社化される新会社について現時点で明らかにされている情報はほとんどありませんが、人員削減が行われる可能性や、さらに現在の日本IBM本体の労働条件が果たして確保されるのかも不透明なため、労働組合は労働条件についての事前協議を求める要求書を提出しました。

現時点での情報

 社員向けに開示されている様々な情報を読み解くと、以下のようなことが分かってきます。
1.人員削減が行われた場合でもIBMが提供するサービスの品質に変化はないとあります。つまり、人員削減はあるだろうということです。
2.新会社へ移籍する社員の労働条件は現在IBMで提供されているものと同水準になる予定とあり、さらに、新会社の福利厚生は競争力のあるものを提供予定とあります。これは、現在の労働契約がそのままの形で承継されないことを意味しています。
3.子会社の移籍対象社員は数ヶ月をかけて確定するとあります。つまり、子会社の社員も移籍対象となるということです。

組合員は協定で保護

 組合員は次のような会社との協定で保護されています。
(協定)組合員の労働条件等の処遇に関して、または、組合の組合員に影響を及ぼす就業規則その他の関連規程もしくは人事制度の変更に関して、組合から団体交渉の申入れがあった場合には、これに誠実に応じる。この場合において、会社は、組合から提案された日に団体交渉を行えるよう調整に努める。
組合はこの協定に則して団体交渉を申し入れるとともに、事前協議同意要求を10月21日に提出しました。

要求内容

 分社化に際して、日本ではどのように行われるかを明確にし、雇用と労働条件を守るために事前に十分に協議し、合意の上実施するよう要求しました。
1.日本での分社化について、以下を明らかにすること。
・分社化させる具体的な対象部署名はどこか。
・新会社として独立させるのか、それとも他社に売却するのか。
・どのような日本の法律に基づいて分社化されるのか。
・日本でのスケジュールはどうなるのか。
2.IJDSなどの子会社について、以下を明らかにすること。
・1番の分社化に伴って分社化される部署はあるのか。
・分社化される具体的な対象部署名はどこか。
・独立させるのか、それとも他社に売却するのか。
・どのような日本の法律に基づいて分社化されるのか。
・設立された新会社との資本関係はどうなるのか。
・日本IBMとの資本関係はどうなるのか。
・日本でのスケジュールはどうなるのか。
3.分社化される新会社へ異動する対象従業員について、以下を明らかにすること。
・異動対象となる部署の原則的な考え方。
・具体的な対象部署名、対象者、対象人数、対象雇用形態。
・出向、転籍、移籍などの異動方法。
・労働条件(賃金、福利厚生、勤務地など)の変更の有無。
・本人合意の取得方法。
4.分社化される新会社へ異動する対象従業員のうち、組合に所属している組合員名を明らかにすること。
5.項4の組合員の労働条件を低下させないよう、組合と事前に十分協議し、合意の上で異動させること。

不当降格の手口次々と

パワハラ降格裁判進む

 降格とそれに伴う賃金減額の撤回を求めているパワハラ降格裁判(原告2人)の第6回口頭弁論が10月19日に東京地裁で行われました。この口頭弁論の過程で驚くべき会社の不当降格の手口が次々と明らかになっています。以下にお伝えします。

理由にならない降格理由

 原告の森谷さんに対して2016年7月にバンド6への降格が実施されました。降格の理由は、2016年3月から実施されたPIP(業績改善プログラム)の目標不達成というものです。
 会社は、森谷さんに対し降格を実施した理由について、2015年の人事評価(当時PBC)がPBC3であり、会社の期待を大きく下回ったことであるかのように主張しています。
 PBC3とPBC4の割合が日本IBMの従業員の5~15%であるにもかかわらず、その評価を受けた者全員が降格されていないことからすれば、PBC3であることを理由に降格をすること自体、恣意的な降格であることは明らかで、会社が人員削減を目的に降格していることは明白です。

存在しない手順書

 会社は、業務の「手順書」なるものを森谷さんが理解せず自分流の方法で業務を行うことに固執していたなどと主張しています。
 しかし後に、この「手順書」の提出を求めた求釈明に対する回答書で、この「手順書」なるものが存在しないことを会社自ら認めました。
 更に、森谷さんに対し業務効率化のために作業マニュアルに従った業務遂行の推進が期待されていたと主張しています。
 この「作業マニュアル」についても、「手順書」なるものと同様に、存在しないにもかかわらず、これが存在するかのように主張しているものと思われます。

退職を断ると報復

 森谷さんが所属していたSC&T内において人員削減が行われ、2014年1月には17名が在籍していたところ、2015年7月には14名となり、2018年8月には8名まで削減されていました。
 その中で森谷さんに対して退職勧奨が行われました。これを拒否するや否や森谷さんの業務を取り上げ、プレゼンテーションを頻繁に実施させるなどして森谷さんを退職に追い込もうとしたことが明らかになっています。
 上司は、森谷さんに対し課題を指示して、プレゼンテーションを行わせ、依頼した主旨に合っていない、資料の作り方が悪い、要点がぼやけているなどと抽象的なダメ出しのみを行い、また字が小さすぎるなどという些末な点をあげつらい、記載の意味を尋ねることもせずに「意味が全然分からない」、などとダメ出しを繰り返しました。これは社内で良く行われるリストラ手法です。
 会社の主張する様々な降格理由は口実に過ぎません。2015年10月からSC&T内において進められていた人員削減の一環として、退職勧奨が行われました。降格の実態は、上司からの退職勧奨を森谷さんが断ったことで、その報復として行われたものです。

降格に合理的根拠なし

 もう一人の原告は、2018年11月にバンド6に降格が実施されました。2018年3月30日~4月30日までの1ヶ月間に実施されたPIPにおいて、原告がその設定目標を達成できなかったとされたことがその理由です。
 PIPで設定された目標は、具体的には1ヶ月の期間にSOプロジェクトの「リーダー」の仕事を探してくるというものでした。
 しかしこの当時に存在していた条件に合う仕事は、たった9件だけでした。これらの仕事に原告が就けなかったのは、スキルの不一致や予算不足、候補者選定済みなどの理由によるものであり、原告の能力・適性とは何の関係もない事情でした。
 したがって、こうした事情により「リーダー」の仕事に就けなかったとしても、それだけではPIPを未達成とする前提を欠いており、合理的根拠がありません。
 さらに会社は、「その他のアサインについても形式的には原告に予算不足と伝えているが、原告がリーダー業務を行う能力・適性がないことを理由に拒否された件が多数あり、これを本人に直接伝えるのは憚られたためオブラートに包んで予算不足(ママ)で伝えたにすぎない」と言い訳しています。
 しかし、会社はその証拠を何ら示すことができないどころか、そもそもこれらのほとんどについて会社の認否は「不知」だったのです。「不知」ということは、会社がおこなった降格そのものが無責任なものであり、合理的根拠を欠いていたことを認めることに他なりません。

日本IBMの分裂必至 どうなる労働条件

 米国時間2020年10月8日、全世界で展開しているインフラストラクチャー・サービスが来年末までに分社化されることが発表されました。具体的にはGTS(グローバル・テクノロジー・サービス)部門の中で、最も大きな売り上げを占めるアウトソーシングとその関連サービスの販売と運用に携わっている様々な部署が分社化されることを意味しています。
 日本IBMのGTS部門は売上の約四割を占める最大の部門です。今回の発表で、日本IBMが二つに分裂することが必至の情勢となりました。
 組合は10月9日に開催された団体交渉で要求文書を提出し、協議を申し入れましたが、会社はすぐには回答せず改めて文書回答するとしました。今後、詳しい内容が明らかになり次第、紙面で発表します。
 ここでは私たち従業員の立場で今回の発表について考察します。

人員削減の危険

 これまで、組織再編の際に必ず行われてきたのが人員削減です。強引に対象者や非対象者とされ、「あなたの仕事は無くなる」などという退職強要、あるいは理由無く給与を下げるなど、不合理な労働条件の改悪は違法です。

労働契約承継法

 今回は労働契約承継法の適用が濃厚です。この法律では異動にあたって労働者の理解と協力を得る手続についての規定があり、これがしっかり守られているか気を付ける必要があります。

労働争議も

 日本IBMでは過去に労働争議もありました。HDD事業部門売却の際に労働契約承継法違反だとして裁判になりました。その結果、当該労働者の権利や労働条件は守られました。このケースは重要な判例として厚労省サイトで紹介されています。

シニア契約社員の賃金差別裁判始まる

 2020年4月1日に提訴後、コロナ禍で遅れていた「定年後再雇用賃金差別裁判」がいよいよ始まりました。10月1日に第1回口頭弁論が開かれ、原告2人による意見陳述が行われました。
 以下に原告らが指摘したシニア契約社員制度の問題点をご紹介します。

8割減の収入

 シニア契約社員になっても定年前と同じ仕事を継続し、今いる正社員と一緒に仕事をしています。それにもかかわらず、定年前と比較して約8割減の収入になります。賞与も手当も無くなります。

不誠実な会社の態度

 シニア契約社員の劣悪な労働条件について、パート有期雇用労働法に基づく説明と交渉を団体交渉で会社に求めても、会社は誠実に回答しません。

事実上の50代リストラ

 シニア契約社員の労働条件があまりにも低すぎるため、定年後は他の会社に転職する道を考える社員が多いのが実情です。そうなると、59歳の転職では遅いため、50歳代半ばで転職せざるを得ず、この会社の50歳代の社員に対する事実上のリストラ手法として機能しています。
  ・  ・  ・
 裁判はあくまでも個人が対象です。シニア契約社員制度自体が変わるわけではありません。現在シニア契約社員で働いている人は待っている必要はありません。今すぐ、この集団訴訟に参加して、ご自身の権利を守りましょう。

秋闘回答働き方改善と賃上げ再要求

まともに向き合わない会社

 
 10月1日に、秋闘一次要求に対する会社回答がありました。団体交渉が10月9日に行われましたので、その内容を紹介します。

デリバリー部門の働き方

(組合要求)
 GTS部門やGBS部門では、無理な要員計画で案件を受注し、要員計画が本来必要な要員とあっていない状態のプロジェクトがほとんどです。
1.無理な要員計画の原因となっている異常に高額な要員単価を是正すること。
2.無理な要員計画での案件受注がないよう、会社が責任をもって受注前のレビュー体制を確立すること。
3.プロジェクトが始まった後、要員の増強が必要になった時、会社が責任をもって要員を増強すること。

(会社回答:原文まま)
 まず、会社は、貴組合の主張する「GTS部門やGBS部門では、無理な要員計画で案件を受注し、要員計画が本来必要な要因とあっていない状態のプロジェクトがほとんど」であるとの認識ならびに考えはありません。
 したがいまして、1について、無理な要員計画であることを前提とした貴組合の独自の見解、断定に基づく要求に応じる考えはありません。
 また、貴組合が併せて主張する、異常に高額な要員単価であるという見解も持ち合わせておりませんことを申し添えます。2および3については既に確立されている会社所定のルール、仕組みの中で厳格かつ適切な運用がなされているとの考えです。なお、現場での厳格かつ適切なプロジェクト運営がなされるように、会社は関連する教育、指導を今後も継続的に実施してまいります。
 また、具体的な事例において違法の可能性ある場合はもとより、疑義がある場合には、適切な機関にて調査の必要性の是非を検討し、続く調査結果に基づき、都度必要な措置を検討、実施します。

団体交渉でのやりとり

組合 異常に高額な要員単価でないと主張されるに至った根拠は?バンド7の一人月のサービス金額は幾らと認識しているか、一般的なお客様で一人月の上限相場値は幾らと認識しているか。
会社 異常に高額な人員単価であるという意見に対して、その認識を会社は持っていない。なぜそう思うのか、裏付ける数字を出してほしい。
 バンド7の2019年の価格設定で一人月がX万円だ。お客様が想定する金額はY万円程度が上限と聞く。Z倍だ。
 全プロジェクトには当てはまらないはずだ。
 お客様の考える金額でなく、高額であるということだ。
 単価が高いということは付加価値も高いということだ。単価が高いだけが問題ではない。高い分だけ付加価値が高い仕事をIBMはしてみせる。コンビニとコーヒーショップのコーヒーのバリューが違うのと同じだ。要員計画に無理があるのであればそれはそれで改善が必要だ。
 付加価値も高いという話があったが、そう見せかけるために事実と異なる時間報告をしていることもある。
 事実と違う労働時間のレポートは許されない。
 次に2と3の既に確立されている会社所定のルール、仕組みは何を指すのか名前だけでも教えて欲しい。
 その質問へ対してすぐ出せる回答はない。
 さらに議論を深めていく価値がありそうだ。

賃上げ再要求について

 これまで10年以上にわたる人件費総額削減の是正をするため、平均5万円の本給(本俸)の賃上げを組合は要求しました。
 組合が実施した賃金実態調査から、2005年の賃金と比較して、200万円も下がっており、大幅な賃上げが必要です。
 それに対し会社は、「平均5万円の本給(本俸)の賃上げせよ」との要求に応じる考えはありません。給与調整額は、一人ひとりの社員の業績評価を元に、会社の報酬プログラムの基本的な方針である、ペイ・フォー・パフォーマンスに基づいて決定しております。そのため、貴組合の要求する全員への一律の賃上げはIBMのポリシーと容れないものです」と回答。
 しかし組合は「一律に」賃上げを要求しているわけではないため、再回答を要求しました。
 また、昇給停止発表について、「昇給停止発表の理由となった会社の業績について、曖昧な説明に終始せず、具体的な数値をもって説明すること」「昇給停止は、米国本社の業績を問題にしているようだが、具体的な数値の根拠を示し説明すること」「なぜ日本IBMの従業員の賃金決定に際して、日本IBMの業績を考慮しないのか、その理由を具体的に示し説明すること」などを要求しましたが、会社は、何ら具体的な数値や根拠を示した回答をしませんでした。

サービス残業強要したらマネジャーは懲戒

 日本IBMでは、いわゆるサービス残業、サービスILC、あるいはサービス稼働の強要が重要な問題となっています。
 2020年5月15日の秋闘要求に関する団体交渉において、「安全・衛星に関する統一要求書」に関連する協議にて、会社は「サービス残業を強要したらマネジャーは懲戒」との厳しい姿勢を示しました。これについて、以下に詳細な協議内容をお知らせします。

団体交渉でのやりとり

組合 過重労働の問題だが、人事のほうでは一生懸命取り組んでいるが、(自己申告の)ペーパーでは時間管理がおろそかになっていて、長時間労働が直されたりしているという。実態からは乖離しているかもしれない。ただ、絶対に80時間以下にするのだという会社の回答は、JMITUの中でも高いレベルだ。ぜひそれを実践して、人事の目を光らせ、現場で本当に無いようにしていただきたい。
会社 今、コロナだから、在宅が長いので、大変な事件がおきたらどうしようかと思っている。家で働きすぎて倒れたらどうしようかと思っている。客観的な(時間管理の)ところで、他社の事例も調べているが、どこも悩んでいる。箱もの(事業所)に来るときは、カードでわかるが、そうでないとき、例えば運輸会社でPOSを切った後に働いている分が問題になった。切られてしまうとシステム的に追いかけられない。
 それは、背景には、「切れ」と上司が言っているからだ。
 システム回りで全部補えるかといえば、すごく難しい。たった1人にそういうことがあったら、全部が疑われてしまう。
 そういう事例が起こったときに、事後対処まで発表されれば、しっかりやられているということになる。おきないということはあり得ない。
 原因は、その上司が勘違いをしていて、見た目の残業を少なくしなければいけないと思って、残業をつけるなと言ってしまったことにある。残業をつけるなという上司は多い。日本では。サービス残業のほとんどは、残業をつけるなということから始まる。そういう指示はするなと。実労働は実労働としてつけろと。
 実働時間を少なくするための工夫をするのが上司の役割だから、どういうふうな整理をして実労働を短縮するのか、そういう指示をしろと。そういうことをやっているということなら、大した企業だなということになる。
 そういう意味では、2年前から、携帯で業務スタート、業務中断の入力ができる。それはまだ自己申告の域を脱していないが、要は、法令の主旨は、職場ぐるみとか、管理者が「つけるな」とか、一番典型的なのは部下が「今月これだけ残業しました」と言ったら「ふざけるな、やり直し」といったらそれが一番やばい。そんなことIBMでやったら懲戒だ。
 言い方としては、他のメンバーだったら8時間でできるのに、なんでおまえ12時間かかるのか、12時間もかかるということはそれだけ生産性が悪いということだから、成績に響くと言われたら、自ら8時間しかつけなくなる。
 そういう問題が日本企業にはあるのか。
 ここでもある。ここでもあるから問題になっている。
 私は言われたことない。そんなこと。
 それは、あなたが、はっきりものを言う人だから。
 私が上司に対して、はっきりものを言う人だからか。
 それで問題になったら、言っているほうは犯罪者だから。
 そうです。

組合要求実現 在宅勤務環境が整備可能

ただし運用はさらなる改善が必要

 2020年8月31日、COVID-19サマリーガイドページにて「在宅勤務のためのオフィス用品と一部のPC周辺機器の購入が可能となりました」との発表がありました。リンク先の購買ポータルには8月10日付で発表され、さらに9月11付で改定された「在宅勤務のためのオフィス用品/PC周辺機器の購入について」と題したページがあります。
 組合は、在宅勤務のための「自宅の環境整備費一時金の支給」を要求していましたが、これで、組合要求が一部実現したことになります。
 ただし、7月27日に、CHQファイナンスが同内容を発表していたにもかかわらず、日本の発表が遅れたことは問題ですし、運用には課題が多く、さらなる改善が必要です。

発表内容

 次の条件を満たす場合に購入が可能です。
①COVID-19に伴って在宅勤務を行っている社員。
②PC周辺機器についてはCIO128で購入が許可されている機器に限定されます。CIO128ではPCおよびモバイル・デバイスは対象としません。
③既に保持しているPC周辺機器については破損した場合のみ購入可能。最新機器や高機能機器等への変更のための購入は不可となります。
 詳しいガイドでは、オフィス用品と一部のパソコン周辺機器の購入が可能です。四半期ごとに一人当たり150ドル(15、750円消費税抜)まで購入できます。
 現時点で購入できる品目については、業務上必要なオフィス用品とPC周辺機器のみとなっています。モニター、キーボード、マウス、マイクヘッドセット、プリンターインクカートリッジ、メモリー、各種ケーブル等が購入可能です。
 オフィス用品は、REQ/CATのOA用品カタログから、PC周辺機器はHWカタログから。カタログにない場合は、RFQ Webからの見積依頼申請して購入します。
 ソフトバンクC&Sとレノボ・ジャパン、システナからのPC周辺機器購入については、自宅への配送が可能です。
 オフィス用品の納入先は、現時点では事業所のみの受け取りになりますが、自宅配送できるように準備が進んでいます。購入品目の拡大が必要です。
 また、在宅勤務でなくなった時、担当業務が変わり貸与備品を必要としなくなった時、退職、出向からの帰任、業務上不要になった場合には、消耗品を除き、返却する必要があります。

購入費用は部門負担

 本当に使える制度かどうかは、購入の際に使用する賦課部門コードが焦点となりますが、部門経費の場合は、「部門コード」、プロジェクト経費の場合は、「プロジェクト・コード」とされています。
 これでは、部門やプロジェクト負担になり、在宅勤務に必要なものが予算不足を理由に承認されず購入できなくなるという問題が起きます。全社で使える在宅勤務者用の統一賦課部門コードを用意するなどの配慮が必要です。

さらなる改善が必要

 厚生労働省は、テレワークの基礎知識や導入プロセス、労務管理の方法などについて解説した「テレワーク導入のための労務管理等Q&A」を作成しています。
 テレワークに関わる費用負担区分については、通信費・水道光熱費など負担について明確なルールをつくり、従業員に対して、丁寧に説明することが必要と説明されています。
 実際にかかる費用の実例として、ブロードバンド回線の基本料金や通信回線使用料については、個人の使用と業務使用との切り分けが困難なため、一定額を会社負担としている例が多く見られること。水道光熱費も実際には負担が生じますが、業務使用分との切り分けが困難なため、テレワーク勤務手当に含めて支払っている企業も見受けられること。やむを得ずテレワーカーが文具消耗品の購入料金を一時立て替えることも考えられますので、この際の精算方法等もルール化しておくことが必要であることが考えられるとしています。
 更にQ&Aにおいて、労働基準法第89条第1項第5号では、「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項を就業規則に定めなければならない」と規定されているとし、必要に応じて就業規則の変更を求めています。
 今回の発表では、購入品目に限りがありますし、費用負担部門の問題で事実上購入が難しくなっています。厚労省のガイドに従って改善が必要です。

秋闘1次要求提出

コロナ禍でがんばる従業員に報いよ

 JMITUは春闘に続き秋闘も実施します。秋闘は2次にわたる要求提出を行い、様々な労働条件の向上とともに年末一時金の交渉も行います。
 まずは9月15日に1次要求を提出しました。当支部の重点となる要求に加え、JMITUの3つの統一要求である「合意協力型労使関係をめざす要求書」、「安全・衛生に関する統一要求書」、「安心して働きやすい職場を求める統一要求書」を提出しました。回答指定日は10月1日です。以下に主要なものをご紹介します。

争議を解決せよ

 労働争議となっている以下4つの争議解決を要求しました。
1.パワハラ賃下げ争議を解決すること。
2.パワハラ降格争議を解決すること。
3.定年後再雇用賃金差別争議を解決すること。
4.AI不当労働行為争議を解決すること。

コロナ禍対応の要求

 組合が5月22日に出したコロナ禍で安心して働ける環境等の整備のための要求については、未だ会社回答がありません。改めて誠実に回答するよう要求しました。
1.出勤せざるを得ない従業員への1日5千円の危険手当の支給。
2.月額5千円の在宅勤務手当の支給。
3.在宅勤務環境を整備するための一時金として一律5万円の支給。

賃上げの再要求

 組合はこれまで春闘要求で賃上げ要求を提出し、会社回答を待っていました。いきなりの賃上げ停止発表に対し抗議したところ、会社は改めて要求を出して欲しい旨を表明したため、春闘要求の賃上げ再要求をしました。
 なお、都労委で交わした賃金交渉に関する協定「会社は、労働条件・賃金交渉に当たっては、自らの主張の根拠となる資料を開示して説明するなどして、組合の質問に誠実に回答する」に従い、誠実に回答するよう求めました。
1.これまでの10年以上にわたる人件費総額削減の是正をするため、平均5万円の本給(本俸)の賃上げをすること。
2.交渉のベースとなる社員数、平均年齢、平均給与、職種、年齢、バンドごとの平均給与、業界水準との比較データ等を提出して誠実に協議すること。
3.賞与計算に使われる会社業績達成度についてもIBM社内標準であるUSーGAAPに基づく決算資料を示し、会社業績達成度の決定方法及び決定過程について説明すること。
4.昇給停止発表については理由となる会社業績について曖昧な説明に終始せず、具体的な数値をもって説明すること。米国本社の業績が理由なら米国本社の数値をもって説明すること。もし説明できないのなら、米国本社から説明できる人間を連れてきて説明すること。
5.なぜ日本IBMの賃金決定に際して日本IBMの業績を考慮しないのか、その理由を具体的に説明すること。

デリバリー部門改善要求

 GTS部門やGBS部門では、無理な要員計画で案件を受注し、要員計画が本来必要な要員とあっていない状態のプロジェクトがほとんどです。よって以下を要求しました。
1.無理な要員計画の原因となっている異常に高額な要員単価を是正すること。
2.無理な要員計画での案件受注がないよう、会社が責任をもって受注前のレビュー体制を確立すること。
3.プロジェクトが始まった後、要員の増強が必要になった時、会社が責任をもって要員を増強すること。

会社の不誠実交渉が次々と明らかに

AI不当労働行為事件の調査進む

 

 AI不当労働行為事件の第2回調査期日が7月13日に都労委で開催されました。会社側、組合側双方から準備書面が提出されるとともに会社の不誠実な交渉内容が次々と明らかになっています。

和解協定を無視する会社

 今回の事件で会社は、組合に人事評価制度及び報酬制度の詳細を説明済みであり、それ以上の説明要求・資料開示要求に応じないのは組合から具体的必要性が示されないからであると主張しています。
 これに対し組合は、具体的必要性を示して資料開示を求めており、それでも会社は開示することができないとし、その合理的な理由の説明は一切ありません。
 2018年9月に都労委平成25年不第86号事件における和解協定において、「会社は労働条件・賃金交渉にあたっては、自らの主張となる資料を開示して説明するなどして、組合の質問に誠実に答える」旨の条項が盛り込まれ、会社は誠実団交義務を履行することが求められています。

不誠実な賃金交渉

 会社の主張によれば、就業規則(正社員給与規定・格付規定)を根拠として、①職務内容②執務態度③業績④スキル⑤本給・本俸の5要素として所属長が評価を行い、会社が給与調整を決定するものとされています。また、会社は繰り返し「給与調整は、職務内容とスキル、個人の業績、給与の競争力等を総合的に勘案」して行うと説明をしています。
 会社は組合員の賃金交渉について各考慮要素がどのようなものであるか、各人への支給額については説明したのであるから、誠実団交義務を尽くしたとの主張に終始しています。
 これに対し組合は、各要素をどのように考慮し、賃金が決定され、それらが全社員の中でいかなる位置にあるのかわからず、組合員の処遇の妥当性を検証することが全くできないため、これでは、組合員の賃金に関する労働条件交渉が行えないと反論しています。具体的な内容や評価の方法について、和解協定書に従って会社は誠実に説明する義務を負っています。

会社業績達成度の根拠

 会社は具体的根拠を示した上で十分に説明を行っており、会社業績を説明するのに必要のないUSーGAAP基準の計算書を開示する必要はないと主張しています。
 しかし、日本IBMの会社業績達成度は、社外発表している会社法に基づく日本IBMの単独決算ではなく、USーGAAPに基づく数値を基準にしていると会社が2017年に説明しています。これに基づいて従業員の賞与支給額を決定していると主張しているのですから、和解協定書に従って、自らの主張の根拠となる、「USーGAAPに基づく数値」を開示し協議することは当然なことです。

AIの利用について

 AIを給与調整に利用することについて会社は、マネージャーへの選択枠を示すもので最終判断はマネージャーが行うものである。イントラネット上で全社員に十分な説明をしており、団体交渉でも組合に説明をしている。組合のAIに関する開示要求は抽象的かつ網羅的なものであり、会社は応じる必要はないなどと主張しています。
 組合は、抽象的でも網羅的でもなく、具体的に必要性を説明しています。会社のいう「所属長のより良い給与調整の判断をサポートするツール」と主張するAIについて、その根拠となる「AIの情報リソースとなるデータやアルゴリズム」やAIが所属長に対して表示したデータを、会社は組合に開示する必要があります。
 労政策審議会労働政策基本部会はAIの利用について「処理過程や判断理由等が倫理的に妥当であり説明可能かどうかを検証する」ことを求めています。
 しかし会社は、一貫してAIの情報開示を拒否しています。AIが、いかなる考慮要素があるのか、いかなる給与調整に関する提案を行うのか、具体的に明らかにするべきです。

証拠のリンクを削除

 AIを給与調整に利用することについて、会社から従業員に十分に詳細説明をしたことの証拠として、社内イントラの説明ページと説明動画の一部のプリントアウトを会社は証拠提出しました。
 ところが、その証拠ページを組合が検証しようとしたところ、リンクが切れていました。組合が団体交渉でリンク切れであることを追及したところ、会社はそれを認めました。さらに都労委で復元措置を講ずるよう求めたところ、会社は慌ててページを復元させました。

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