日本IBMの昇給停止は就業規則違反

 2020年5月21日に経団連が発表した今年の春闘賃上げ結果は、全業種平均で2.17%と高水準。金額では一般職平均で7297円でした。下表はJMITU主要各社の水準ですが、今年は経団連の水準を上回っており、高水準な賃上げ結果です。日本IBMの9月の賃上げは春闘賃上げの一環ですから、これら他社との比較になります。
 ところが、2020年8月7日付でグローバルIBMが今年の昇給停止を発表すると、同日に日本IBMからも「2020年度の給与調整について」と題した文書が出され、今年の昇給停止と来年上半期への延期が発表されました。しかし日本IBMでのこの発表は労働法的に問題があります。

労働基準法違反

 まず、労働基準法は労使対等原則をうたっています。その第2条1項では「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」としています。今回の日本IBMの発表は労働組合と一切の協議なく発表されました。労働条件の改悪を一方的に発表した点は非常に問題があります。

就業規則違反

 就業規則の格付規定では、毎年決められた日付に昇給(給与調整)を実施することを定めています。9月1日付で昇給を行わない場合はこれに違反することになります。組合は直ちに会社に団体交渉を申し入れました。

会社との協議内容

組合 事前に組合と協議して発表するという態度でない限り、誠実な協議にはならない。
会社 発表はしたが、実際に支払う内容については組合と協議したい。
 組合との協議によっては昇給をする可能性もあるということか。
 もちろん今まで通り協議させていただく。
 要求内容についてはすでに春闘で提出している。
 状況も変わったので、書面で改めて要求を出してほしい。
 改めて要求を書面で提出する。なお、交渉が継続できるのは組合員だけか?
 そうだ。組就業規則違反についてはどう考えるか。
 就業規則違反とは考えていない。年一回の賃上げはあくまで原則としての話だ。
 格付規程第6条1項には「原則として」などとは書かれていない。
 給与規程第16条2項には「原則として」とある。
 それは日付の話であって、就業規則違反にならないためには年1回の昇給が必要だ。
 会社はそう考えていない。
 仮に来年の昇給でも、就業規則違反にならないよう今年9月に遡及して支払うよう要求する。
 遡及はしない。

 

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