コロナ禍で再評価 労働組合の重要性

 新型コロナウィルスのパンデミックによって世界は大恐慌以来の経済危機に直面しています。ILO(国際労働機関)は4月29日、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、世界のフルタイム労働者3億500万人分の労働時間の減少がこの第2四半期に予想されると発表しました。
 こうした中、労働者の権利と雇用、そして社会を守る労働組合の重要性が再評価されています。

ロイヤル社で雇用確保

 緊急事態宣言が出された4月7日、ロイヤルリムジングループは突然「事業停止」を発表。「全員解雇」と報道されましたが、実態は「退職合意書」にサインさせ賃金30日分の解雇予告手当すら払わず、自主退職に追い込む脱法的な退職強要でした。
 これに対し、同社の労働組合は雇用調整助成金やタクシー休車を支援する「期間限定特例休車」を活用して雇用を守れと要求。上部団体の支援も得て団体交渉を実施した結果、会社は退職強要を撤回すると約束。さらに「退職合意書」の撤回にも応じる確認書を組合と締結しました。

パワハラPIPを阻止

 この新型コロナ禍の中、あろうことか日本IBMグループではPIP(業績改善プログラム)が実施されています。何故PIPをやるのか納得できないと組合に相談する人が相次いでいます。パワハラPIPはリストラのツールです。今年の9月1日付の給与調整日に賃金減額をするターゲットとなり、会社が嫌になるように仕向けられたところで、退職勧奨、あるいは退職を強要される可能性が大きいです。
 組合は公の場である団体交渉で徹底的に会社と協議し、これまで数々のパワハラPIPの実態を明らかにしてきた実績があります。

コロナ感染対策を要求

 成果主義と自己責任で社員を追い詰めるIBMでは、安全よりも業務の遂行を優先するプロジェクトの存在が懸念されたため、特にプロジェクト作業について4月7日に組合は次の4項目を会社に要求しました。
(1)少しでも感染が疑われる社員はお客様先での作業を控えることを徹底すること。
(2)会社は安全配慮義務があるので、全てのお客様先プロジェクトルームの安全点検の指示を行うとともに、社員から指摘があった場合は、作業を中断し直ちに安全確保措置を取ること。
(3)コロナ理由でプロジェクトが遅延した場合は、社員個人に責任を帰さないこと。
(4)上記の内容を社長レターとして発信すること。
 この後、様々な感染対策の社長レターが発信されました。

アサイン確保を要求

 プロジェクトが次々と遅延あるいは停止しており、アサインが無く稼働率低下に不安を持つ人が増えています。これは個々の社員の責任に帰すべきではなく、そもそも現在の危機的状況では自己責任でアサイン先を探している場合ではありません。社員を格付けしたり競争させたりしている時ではないのです。組合は4月21日に次の4項目を会社に要求しました。
(1)各社員に設定されている稼働率目標を見直すこと。
(2)アサインが無い人を「ベンチ」と呼び圧力を加えるのをやめること。
(3)所属長が責任を持って部下のアサイン先を探すこと。
(4)非常事態宣言解除後も所属長が責任を持って部下のスキル・能力を見ながら適正なプロジェクト配属先を探し、部下の了解を得てアサインする体制を維持すること。

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