こんな評価はパワーハラスメント

 日本IBMの1月は人事考課であるチェックポイント評価の時期です。ところが、合理的な理由無しに低評価にされる人が後を絶ちません。
 パワハラとは職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為です。この定義を振り返ってみると、日本IBMでは評価制度がパワハラの手段になってしまっていると言わざるを得ません。
 私たち社員は評価でパワハラやそれに続く不利益を受けないよう、徹底的にこだわる必要があります。そこで、2354号1面の人事考課権限の濫用記事を分かりやすくチェックポイント評価に当てはめ、解説します。

目標管理は適切か

 成果主義を社員に求める以上、その目標設定については年初にしっかりコミュニケーションを取り、社員が納得する形で設定されていなければなりません。以下のような例はパワハラになります。
●年間を通じて所属長とのコミュニケーションが十分でなく、目標が不明のまま低評価にされた。
●部門目標が最初に決まっており、社員個人のスキル、生活の事情、仕事の負荷などを考慮せず、目標に達していないことを理由に低評価にされた。
●目標設定の際、所属長が聞く耳を持たず、一方的に高い目標を課せられ、低評価にされた。

客観性のある評価か

 目標の設定は客観的な評価ができるようになっていなければなりません。以下のような例はパワハラになります。
●目標として業務の項目名が列記されているだけで具体的な目標が無く、それらが未達だとして低評価にされた。
●「適切に実施すること」という目標の結果が不明なまま低評価にされた。
●コミュニケーションに問題があるとして低評価にされた。
●実際に働いた時間を申請できない、と文句を言ったら低評価にされた。

評価根拠は適正か

 評価はしっかりとした事実に基づくものでなければなりません。以下のような例はパワハラになります。
●評価する段階になって、後から目標を付け足し、今まで聞いたことのないような理由で低評価にされた。
●関係者による事実と異なる作り話を、所属長が検証せずそのまま低評価にされた。
●違う事業所で勤務しており、一度も現場に来たことが無い所属長に、聞いたことも無い理由で低評価にされた。

評価手続きは適正か

 評価はそれのみが目的ではなく、日々のフィードバックが適正になされ、また、第三者によって検証されなければなりません。以下のような例はパワハラになります。
●所属長の評価を上長がレビューしないまま低評価にされた。
●どう見ても所属長と上長が結託して低評価にされた。

何のための評価か

 そもそも評価は社員の成長を助け、ひいては会社の成長をサポートするものでなければなりません。以下のような例はパワハラになります。
●あなたの仕事は無いと言われ、仕事を取り上げられて、低評価にされた。
●明らかに別の目的があり、職務遂行能力以外のところで低評価にされた。
●メンタル疾患等で通院し、残業禁止等の勤務措置が取られているのに、考慮しない目標を課され、低評価にされた。
●障害等の関係で不向きな部門に配属されても異動されず、無理な目標を課された結果、低評価にされた。

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