解雇に相当する理由なし

-高山さん関連証人尋問-

 2016年2月3日に東京地裁527号法廷で、2013年6月にロックアウト解雇された第三次裁判原告の高山さん関連の証人尋問が行われ、解雇に相当する理由がないことがうきぼりになりました。
 2012年まで所属長だった服部充典担当と解雇当時の所属長の筱(しの)大介担当、高山さん本人が証言台に立ちました。

同僚は高評価

 服部担当は「稼働率目標94.1%を高山さんが達成していなかった」「高山さんのスキルやコミュニケーションに問題がある」と証言しました。そして「高山さんを低く評価しているのは、自分だけではなく、リーダー格のAさん、Bさんも同様だ」と証言しました。「Cさんは(高山さんを)高く評価したが『希望を込めている』と受止めている」と証言して失笑を買いました。他の原告も同様ですが、原告の高評価は全て「希望や期待を込めて」なされるという、奇妙な主張を繰返しました。また「当日連絡の休暇や遅刻が多かった」ことを証言しました。

会社の安全配慮義務違反が浮き彫りに

 反対尋問で組合側弁護士による突然の休暇取得や遅刻が多いことについて「メンタル疾患を疑わなかったか」という質問に対して、服部担当は「高山さんが以前、メンタル疾患で休職したことは知っているが、本人からの申告がなかったから知らなかった」と答え、部下の健康に配慮してなかったことを証言しました。
 次に筱担当が2013年当時も、高山さんの状況は「稼働率目標を達成していない」「スキルが低い」「突然の休暇や遅刻が多い」ことを証言しましたが、服部担当同様、反対尋問では明確な反論が出来ませんでした。メンタル疾患による勤務状況について、「特に必要な時は、会社は従業員に健康診断を命令できるのに検討したか」と問われると、「高山さんは新入社員ではない。自己責任だ!」と証言して、従業員に対する安全配慮義務を明確に否定しました。

涙に包まれた傍聴席

 さらに「高山さんが6月から新しい業務についた」が、「(解雇予告までに)問題が発生した記憶はない」と、解雇直前の高山さんの業務遂行状況に問題がなかったことを認めました。
 そして「いつ高山さんの解雇を知ったか」という質問に対して「2週間前だから、6月7日くらいに人事から知らされた。それ以前の経緯は知らない」と回答しました。高山さんが解雇に値する従業員なら、解雇は所属長の筱担当から言い出すはずですが、そうではなく、人事主導で高山さんの解雇が決まったことを認めました。
 最後に高山さん本人の尋問が行われ、「残業が増えたことで、メンタル疾患が悪化したこと」「PIPでは、『当日連絡の休暇を無くす』ことを目標に入れられたこと」「障害発生時に朝6時まで修復作業を行いながら、10時に出社し『責任を全うした』こと」を証言しました。「裁判所に言いたいことはありますか」との問いに、涙ながらに年金暮らしの年老いた母親の扶養家族になっている無念を訴えると、傍聴席は涙につつまれました。
 3月28日には、第一次二次ロックアウト解雇裁判の判決言渡しがあります。組合は全てのロックアウト解雇裁判に勝利し、原告全員の職場復帰を目指して、最後までたたかっていきます。

第3次ロックアウト解雇撤回裁判証人尋問スケジュール

第3次ロックアウト解雇撤回裁判証人尋問スケジュール

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。