ILC稼働率目標90%の怪

ILC稼働率目標90%の怪

 毎月数十時間の残業が必須 

 GBSでは今年、「ILC稼働率が90%」という項目がPBCの目標設定に入れられています。しかし普通に国民の祝日や年末年始のIBM休日を休み、有給休暇を全て取得したら、それだけで残業をしない限り、90%の稼働率を得ることはできなくなります。組合が会社に稼働率90%の根拠を確認したところ、その回答は驚くべきものでした。

有給休暇取得は15日と想定

 以下が会社の算定根拠です。
 まず国民の祝日や年末年始のIBM休日を15日と想定しています。これらは土曜日と重なることがあるため、毎年一律ではありませんが、今年は19日あります。つまり4日は休日出勤をしなければならないのです。
 さらにひどいのは有給休暇です。こちらも15日と想定しています。言うまでもなく、有給休暇は社員の勤続年数によって異なります。勤続25年以上の社員は毎年29日付与されますが、半分しか取得できないことになります。組合が「15日の根拠は何か」と質問したところ、「平均取得日数である」という、あきれた答えが返ってきました。有給休暇は稼働率の算定から外すべきものです。
 本来、有給休暇は全て取得することができるようにするのが筋ですし、ましてや最初から全部取得しないことを前提にするのは異常としか言いようがありません。
 さらに「38時間制事業所でありながら、週40時間の有料作業を想定している」「セクションミーティングやアドミなどの無料作業を考慮していない」などの問題もあります。
 つまり最初から毎月数十時間の時間外労働を行わないと、達成できない目標設定になっているのです。会社は「稼働率は評価を決める大きな要素だが、稼働率だけで評価がきまるのではない」と詭弁を弄しています。確かに稼働率が高くても、評価が高くなるとは限りませんが、稼働率が低ければ間違いなく低評価です。そして組合は評価そのものではなく、「時間外労働をしなければ達成できない稼働率を、PBC目標として設定すること」そのものを問題にしています。
 組合は労働基準監督署その他の第三者機関と連携して、稼働率問題を追求していきます。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。