【投稿】 職場復帰までの道のり ( レノボ・ジャパン)

 前回の「レノボ団交報告」の通り、この4月より開発業務に復帰することができた。多くの方のご支援にいくら感謝しても足りない。

 開発の業務を外され、専門外の、不要不急で利用の予定もない文書の翻訳業務をアサインされたのは、2010年の4月である。以来十数回にわたり、
①不要不急の業務であることを認めアサインをはずすこと
②開発業務へ戻すこと
を主題に団体交渉を行ってきた。会社は、①についてはどんな追及にも「適切と考えている」と繰り返し、②については「開発業務に適していない」「開発の人員は足りている」「異動は前もって計画されており、基本は年に一回である」と繰り返すだけの不誠実団交を続けた。このままではらちが開かない。

 2011年6月、レノボ・NECグループが発足し、相手先ブランドによる設計製造にシフトしていた開発を内製へ移行する計画が出てきた。このため、開発要員の不足が生じ、社内外へ人材募集が開始された。これで会社がこれまで繰り返していた「開発の人員は足りている」という主張が通らなくなったわけだ。

 しかし、団体交渉の場で正面から主張したとしても、同じ回答を繰り返され時間切れとなってしまう可能性があった。そこで、組合と相談の上、レノボの大和研究所内限定の「人材バンク」に登録をした。これは、開発部門内で人材の交流を促進するために設けられたもので、この登録は、人事にも上司にも漏れることはない。登録して一か月ほど経ち、人材バンクボードより連絡があり、異動希望先の上位マネージャーとの面談へ進むことが決定した。正直うれしかった。

 面談したマネージャーは、「これまで何があったかということは気にしていない。これから力を発揮してくれる人材であれば歓迎する」と言ってくれた。
 こういう考えを持った人物が上司になるのであれば、自分の力が十分に発揮できると感じた。年明けからその部門でお世話になることになり、4月に正式に異動となった。

 時間はかかったが、開発業務へと復帰できたのは、組合に加入して多くの仲間と一緒に闘ってこられたからである。私と同じような境遇になる可能性は誰にでもある。 一人で悩んで一人で解決しようと思わないでもらいたい。誰かに相談することは、一人で悩むより多くの選択肢を提供してくれる。悩みがある時、組合への一通のメールが救いになると信じている。  

『異名希望者』

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