より広範にPIP実施! 組合へ早目の相談を!

 会社は例年にも増してPIPを実施し給与の減額調整や降格を強要してくる模様ですので、早目に的確な対応をする必要があります。
 会社は1月31日にラインを集めPIP(業績改善プログラム)説明会を開催し、2月27日には「2012年度のPerformance Managementについて」というPIP(業績改善プログラム)と減給調整についての発表をおこないました。すでに多数の相談が組合に寄せられており、今年は例年よりもはるかに大規模にPIPが行われている模様です。
 昨年かいな紙面で4回連載した「PBCを斬る」でPIPの問題点は紹介しました。PIP実施の狙いは、低評価された人に対してPIPを実施し、その目標を達成できなかった人に対して、減給、降格、解雇を行うためです。PIPはそのツールであり、改善の機会を与えたけれどだめだったという証拠とするためのものです。PIPはIBMだけでなく米国系総合情報サービス会社ブルームバーグなど外資系企業を中心に多くの会社で解雇を含むリストラの道具として使われています。

◆より広範に、随時に◆

 今までと違い、今回の発表で、直近の評価が3、4になった全員をPIPの対象者としたことや、昨年の就業規則改悪で、臨時減給が可能になったことから、今後はより多くの対象者にPIPを実施し、定期給与調整時に限らず随時減給される恐れがあります。
 また、発表をみると、PIPの本質を覆い隠し、さも減給や降格などからのがれるための救済処置であり、改善のための良いツールのように書かれています。おそらくラインも低評価された人に対してそのように話をするのでしょう。そもそも、低評価された人で納得している人はどのくらいいるでしょうか。IBMのPBC評価の仕組みは不明瞭で、2008年リストラ時に組合との団交で労務担当が発言したとおり、恣意的評価になる仕組みとなっています。このラインのさじ加減で決められてしまう曖昧な評価を前提に、減給、降格、解雇されてはたまったものではありません。
 では、なぜこの評価の仕組みは、公平性、納得性のあるものに改善されないのでしょう。
 IBMの経営戦略で、成長国である日本にはUSからの投資は期待できず、売り上げが伸びない中でも利益は求められ、その中心となる人件費削減のためには、今の仕組みは都合が良いのです。どのくらいコストを削減するか、そのためにどの程度人員削減をする必要があるかというのを割り出し、それに合わせて低評価者の割合が作られ、人選がおこなわれます。
 ですからPBC目標を達成してもよい評価がつくとは限らないのです。相対評価ですからいくらでもこじつけが可能です。最近組合に加入したり相談を受けた人の状況を見ると、今まで低評価をもらったことのない人が低評価され思い当たるのは年齢くらいしかないというケースもありました。
 会社は否定していますが、以上のことは、これまでの多くの方の実態に基づくものです。会社は2015年の1株当り利益20ドル達成に向けてソフトウエア買収などに200億ドルを投資するとしています。
 買収による人員増を抑えるためにも、ますます能力主義を口実にした人員削減に拍車がかかるのではと懸念されます。

◆すぐに組合へ相談を◆

 所属長にPIPの話題を切り出されたら、PIP開始を承諾せずに、すぐに組合に相談してください。すでに多くの人が組合の門戸をたたいています。一人では闘えません。会社は過去に繰返したリストラでのノウハウを蓄積しているのみならず、他企業の経験をも参考にしています。
 組合に入り皆で力を合わせれば、一方的な労働条件の不利益変更と闘うことができます。

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