本社事業所長空白問題

『退職前の長期休暇中だが、籍はある』苦しい言い訳

 本社では、2ヶ月間事業所長が空白となっています。また、事業所長が兼任していた総括安全衛生管理者は、長期有給休暇のため不在の状況が続いています。東日本震災後、多くの企業では従業員安全確保の強化を急務としています。組合は団体交渉で会社に対し改善を要求しましたが、会社が対応をしないため、労働基準監督署に申し出を行い、会社の怠慢が明るみになりました。
  かいな2182号にて、「前本社事業所長が4月末付で退職」とお伝えしましたが、正確には「4月末付で本社事業所長を退任した」とのことです。会社との団交で、いま事業所長を探していますからもう少し待ってほしい」と発言していたので、本社事業所長が2ケ月近く、空白であるのは事実です。事業所長は極めて重要な職責を持っており空白など許されません。

◆労働基準監督署に総括安全衛生委員未選出の疑いを申し出る

 特に事業所長は総括安全衛生管理者も兼務しています。労働安全衛生法第10条にて、本社は総括安全衛生管理者の選任が義務付けられており、次の業務を行わなければなりません。①労働者の健康障害の防止②労働者の衛生のための教育の実施 ③健康診断の実施その他健康の保持増進 ④労働災害の原因の調査、再発防止対策 ⑤その他労働災害を防止するため必要な業務です。
 組合は労働基準監督署に「総括安全衛生管理者が選任されていない可能性がある」と申し出を行いました。それに基づいて労働基準監督署は6月20日に会社の担当者を呼び出し、労働基準監督官に対し「事業所長は4月末付で本社事業所長を退任したが、従業員としては残っており、総括安全衛生管理者のままである。」と苦しい言い訳をしたようです。しかし総括安全衛生管理者は「事業所などを実質的に統括できること」が求められます。そのためほとんどの場合、事業所長や工場長が兼務します。

◆監督官『出社していないなら職務は果たしていない』と指摘

 会社は「現在、前事業所長は退職前の有給休暇取得中です。」と説明したようですが、労働基準監督官は「出社していないなら、総括安全衛生管理者の責務を果たしていないのではないか、代理はいるのか?」と質問しましたが、会社は満足に答えられなかったようです。監督官はさらに「安全衛生委員会はどうなっているか?」質問しましたが、これも「総務に確認する。」と苦しい答弁をしたようです。組合が5月、6月の議事録を確認したところ、総括安全衛生管理者一号委員は「未定」となっており、代理はいませんでした。すなわち、責任者が不在で委員会が実施されています。

◆会社は安全衛生問題を軽視し、利益最優先

 有給休暇消化中で全く出社していない従業員が総括安全衛生管理者として選任されている」といった事実に驚かされます。またこのような重要な問題を2ヶ月近くも放置していることは、会社が従業員の安全衛生問題を軽視し、米IBМの指示どおり、利益最優先で物事を考えている証拠でもあります。
 組合は本社事業所長の後任を早く決め、正常な状態に戻すことを求めると共に、会社の責任を追及していきます。

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