ライン管理者はよく考えて誠実な行為を――退職金制度改訂の同意署名に思う

大和事業所所属の組合員からの意見投稿です。

9月4日(金)にIBMで発表された退職金制度改訂案は、年金制度の変更であるため、従業員の 2/3 以上の同意を提出しなければ、厚生労働省に制度変更を届けることができません。そのため、2010年1月からの改訂をめざして、IBMの人事労務は、7日から早速各ラインに90%の社員からの同意署名を集める指示をしたようです。

私が所属する部門でも 1st Line が7日(月)に早速、課員を集めて音声つき e-Learning で説明会を実施しました。14分間の説明は、必要最低限の事は表現しているとは言えるものの、社員にとっての不利益がきちんと伝わらない印象の薄い内容だった事もあり、皆がよくわからなくて質問も出ない状態でした。組合員である私は、事前に会社との団体交渉で内容を聞いていたため、社員にとっての不利益、会社にとっての経費削減、その負担減を昇給や昇進にまわす約束も期限も設定しない実態を伝えました。また、署名を連名で回覧するようなやり方は各社員個人の判断をしにくくさせる事もあるので、一人1枚の同意署名の形式にしてほしい、とも要求しました。

課員全員が聞いているその間、私の所属長は私の発言を止めることも、否定することもせず、他の社員から出た質問にもわかる範囲で答えていました。また、各個人が自分の該当区分の確認や自分のCB/DC を確認するようガイドし、改訂の内容を理解した上でじっくり考えてから同意/不同意を判断するよう促しました。会議のあと、夕方に所属長から課員へ下記のような内容のメールが来ました。

  • 同意書は個人情報の観点から一人一枚とする。
  • 同意する場合は、各自9/15 までに提出
  • 判断するために、(1)自身の区分と影響を理解すること (2)Webcast での改訂の背景・目的・改訂内容を理解すること
  • 判断結果は 9/14 までにメールで連絡、時間が必要な場合もその旨一報下さい。

私は、この所属長の誠実なやり方に感銘を受けました。他のライン管理者も見習うべきです。
他の部門では、多数のライン達が、制度改訂説明に先立って、同意のための印鑑を持参するように指示するなど、最初から同意を強制するような高圧的なアプローチ、および、各社員の席をねり歩いて「ね、同意署名してくれた?」と聞きまわってプレッシャーをかけるラインの実態を聞いております。

IBMライン管理者の皆さん、
人事労務からの指示はいろいろあると思います。それを受けて、上位のライン管理者からの指示がそのまま下りてくるのでしょう。しかし、犯罪の片棒をかついだり(退職強要)、従業員や個人を大切にしない行為はやめた方がいいと思います。自分の頭で考えて、人間として恥ずかしくない誠実な人事管理者であって下さい。私たち大人は子供たちに、「警察につかまらなければ盗みをしても恐喝をしてもいいんだよ。」とは教えない、と言うことを思い出して下さい。

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