2008.04.01 委員長メッセージ:IBM、IBCSに入社された皆さんへ

2008年4月1日

IBM、IBCSに入社された皆さんへ

JMIU.日本アイビーエム支部
中央執行委員長 野本 鉄夫

皆さん、入社おめでとうございます。

今、まさに桜の季節、ありきたりな表現になりますが「夢と希望に胸をふくらませて」入社式に臨まれたことと思います。IT業界で先進のスキルを身につけたい、外資の職場の中で語学力を活かしたい、仕事を通じて社会に貢献したい、思いは様々でしょうが、仕事と余暇を充実させ豊かな生活を過ごしたいという気持ちは誰しも持っていると思います。

目を社会に転じますと、「経営資源の選択と集中」、「貧困と格差の拡大」、「ワーキングプア」、「パワーハラスメント」などのニュースが毎日報じられています。IBMも例外ではありません。今日はめでたくIBMに入社したものの、ある日気付いたら別の会社の人間にさせられていた、ということは現実の問題です。IBMが半導体、ハードディスク、パソコン、プリンター等の事業部を会社分割・売却したことについては、皆さんもよく承知のことではないでしょうか。半導体会社については、資本主の変更を重ねた上最終的には会社解散となり、当該社員は失職の憂き目にあいました。

ワーキングプアこそ流石にいませんが、格差というものは極限に到っています。皆さんは「成果主義」というものをどのように見ていますか。自分の力を発揮しより成果を得られた者により多くの見返りをする、旧弊と考えられる年功序列賃金制度よりスマートなものと思える、若者にとっては耳あたりのよい制度と聞こえるかも知れません。たぶん想像しているのは、あまり成果のでなかった人は、5000円の昇給、よく出来た人は、15000円の昇給、この位のことではないでしょうか。IBMの実態は全く違います。数万円の昇給をする人がいる一方、並みの仕事をした人は、ゼロ昇給なのです。実際、この2年間、過半数の社員が昇給ゼロ円でした。これでは将来の生活設計もままなりません。組合が実施したアンケートでも83%の人たちがゼロ昇給制度に反対しています。IBMには、定期昇給というものはなく、上がることもあれば下がることもある賃金調整という悪しき給与制度があるのです。
また、成績下位10%の社員を追い出す方針もあります。このためパワーハラスメントまがいの退職勧奨や降格人事が横行しています。単純に言えば、今日の500人余の新しい人の中からも50人は追い出されるということになります。それも毎年継続的に。

あまり夢もなく希望も消えていくような話で恐縮ですが、これが社会の実態の一つです。そのようにさせない、職場の雇用と労働条件の維持・向上を図る、そして人間の尊厳を守るため、日々、心を砕いているのが労働組合です。
何か、困ったことがあった時は、遠慮することなく組合や職場の組合員にご相談ください。皆さんの悩みに付き合い、一緒になってその解決に尽力していきます。そして、最も大事な訴えになりますが、皆さんがこれらのことをよく理解され、一日も早く、組合加入されることを願っています。有意義な人生を送られる門出として共に今日の入社式をお祝いいたします。

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